僕とユノの3時限目-バスルーム-

 

~ユノ~

 

 

180㎝超えの男2人には、ユニットバスは狭すぎた。

 

狭いと分かっていたが、狭い。

 

「狭いな...」

 

「狭いですね」

 

バスタブに俺とチャンミンは向かい合って立っていて、頭上から降り注ぐぬるいシャワーを頭から浴びていた。

 

男とシャワーを浴びるなんて初めてだ。

 

チャンミンが俺の身体を食い入るように見ている。

 

「じろじろ見るなって」

 

チャンミンの熱い視線に耐えられなくなった俺は、手早くシャンプーを済ませる。

 

濯ぐ際、うつむいた俺の視線上に、チャンミンの股間が。

 

「......」

 

おいおい...めちゃくちゃ勃起しているじゃないか。

 

1歩前へ近づけば、チャンミンのペニスに俺のモノが当たりそうだ。

 

「チャンミン...お前の興奮要素は何なの?

勃ってるじゃん」

 

「え!?」

 

慌てて股間を見下ろしたチャンミンは、斜め上を向いたものに気づいて両手で覆った。

 

「隠すなよ、見せろって」

 

チャンミンの手を引きはがそうとするが、渾身の力がこもっていてびくともしない。

 

「見せろ」

 

「やだ!」

 

「チャンミンの息子が元気いっぱいなのは、どうして?」

 

「それはっ!」

 

「ああ?」

 

「ユノの身体が...」

 

チャンミンの目がうっとりとしている。

 

「ユノの身体が...」

 

「俺の?」

 

「きれいだなぁって思って」

 

「は?」

 

「色も白いし、いい具合に筋肉ついてるし...そそる」

 

「......」

 

男の身体で勃つチャンミンが凄い。

 

とか言いつつ、俺の方も半勃ち状態なんだけどさ。

 

「俺に見せるため」に筋トレを励んだんだよ、この男は。

 

そんな可愛い努力の結果、肩や胸の筋肉がロッカールーム事件の時より発達しているようだ。

 

逞しい上半身に反して、ウエストから腰にかけてがほっそりとしていて、女子も羨むくらい細い脚をしている。

 

そのアンバランスさが、男の俺から見てもそそる。

 

「風呂に一緒に入ろう」と浴室までチャンミンを引っ張ってきたのは俺だ。

 

俺が服を脱ぐあいだ中、チャンミンの熱い視線が俺の肌が焼いて、じんじんした。

 

俺の肌を舐めるように見るんだって。

 

俺の方は若干照れくさくて、ちらちらとしかチャンミンの裸を見られなかったというのに。

 

「ユノって着やせするんだね...?」

 

「そうか?」

 

「触ってもいい?」

 

「変な奴。

いいけど」

 

おずおずと伸ばした手が、俺の二の腕から手首にかけて撫でさする。

 

その手は二の腕に戻って、肩から鎖骨、それから胸へ移った。

 

「おい!」

 

俺の乳首を摘まもうとするチャンミンの手をぴしゃりと叩く。

 

「何?」

 

「そこは駄目だ。

俺は、乳首が大好きなチャンミンとは違うの」

 

「そうなの?」

 

チャンミンは、心底残念そうな顔をする。

 

「さてさて」

 

俺は鼻唄を歌いながら、手の平にたっぷりとボディソープを垂らした。

 

「チャンミンは毛深いから、下もシャンプーしないとなー」

 

「シャンプー...?」

 

「そうそう」

 

「ひゃっ!」

 

チャンミンの陰毛に揉みこんで、シャンプーをぶくぶくに泡立てた。

 

上へ下へと指ですいてやる。

 

「ユノ!

よせったら!」

 

俺の手首をガシっとつかんで抵抗していたくせに、その力はみるみる弱まって手を添えるだけになった。

 

「ひん...」

 

袋の方へ手を滑らすと、チャンミンがビクッと腰を引くから、尻をつかんで押さえつけた。

 

「やめて...」

 

止めて欲しくなんかないくせに。

 

「じっとしていろって」

 

手の平でチャンミンの袋を包んで柔く揉んでやると、チャンミンの口から掠れた吐息が漏れる。

 

「はぁ...あん...」

 

相変わらず、喘ぎが女子っぽい。

 

「んん...あっ...あっ...」

 

意地悪して竿には触ってやらない。

 

焦れた挙句、お願いしてくれなきゃ、しごいてやらない。

 

「痒い所はありませんかー?」

 

「う...うん...もっと」

 

チャンミンの反応が面白くて、俺の手はペニスには触れてやらない。

 

もこもこの白い泡から、チャンミンのギンギンに勃ったペニスが屹立している。

 

なかなか...すごい眺めだ。

 

俺の手が、目の前の男を恍惚とさせているのかと思うと、興奮してきた。

 

惚れた相手を気持ちよくさせたいと思うだろ?

 

けれども、そう易々と与えてやらないのが、俺のやり方だ。

 

チャンミンのペニスの根元から袋までを往復するだけ。

 

焦れてきたのかチャンミンの腰が揺れてきた。

 

「あ...もっと...そこ...あっ...」

 

「お客さん、声が小さいですよ、聞こえませんよ」

 

「もっと...上」

 

「上?」

 

とぼけた俺はチャンミンのペニスを通り越して、下腹を撫ぜる。

 

「違います...もう少し、下です」

 

すげ。

 

小鹿みたいな顔をしてるくせに、ワイルドなんだって。

 

へそからシモまで毛が繋がって生えてるじゃん。

 

その毛筋を人差し指でたどっていたら、がしっと手首をつかまれた。

 

「くすぐったいから、やめて!」

 

俺はにやりとする。

 

「ここ?」

 

白い泡の中からそそり立つものを、ぎゅっと握る。

 

俺の手の中で、熱く、硬く、ドクドクと脈打っている。

 

こういう点が、男相手のいいところかもしれない。

 

ごまかしがきかないところだからな。

 

「触って欲しいのは、ここ?」

 

こくりと頷いたかと思うと、チャンミンは喉をみせて喘ぎだす。

 

腰もかくかくと前後に動いている。

 

「あん...あん...」

 

感じているチャンミンを見ていたら、俺の股間も熱くなってきた。

 

感じている女の子を前にしていても、こうはならないだろうという位、ぐんとせり上がってくる。

 

恐らく、ふわっと柔らかな女の子というのは大抵、俺より身体も小さいし力も弱い。

 

だから、彼女たちとの絡みで興奮する大きな要因は、「征服している」感なんだろう。

 

ところが、目の前のチャンミンはやたら背が高く、さっき何度も突き倒されたように、力が強い。

 

男だから、俺と同様に「征服したい」欲を持っているはずだ。

 

押し倒して挿入したくてたまらない性をもつ奴を、俺の意のままに腰砕けになってしまっているところに興奮するのかもしれない。

 

チャンミンのことを、女みたいだとは思ってはいない(喘ぎは女っぽいが)。

 

男同士の絡みとはどんなものなのかの好奇心を満たすために、こうやってチャンミンと狭いユニットバスで向かい合っているのではないのは確かだ。

 

俺たちは互いに一目惚れした。

 

馬鹿話をしたり、実習の課題を一緒に仕上げたり、酒を飲んだり、一般的な友人同士っぽく時を過ごすことも楽しい。

 

精神的な繋がりは、今後じっくり育てていける自信はある(チャンミンはユニークな奴なんだって)。

 

でも、なんというか、それだけじゃ足りないというか...もっと深く関わり合いたいというか。

 

俺たちはとにかく若いし、性欲と体力は有り余っているから、これはもう「身体を繋げる」しかないな、と思ってるわけ。

 

チャンミンの方はどうか分かんないけどさ。

 

 


 

~チャンミン~

 

泡のおかげで滑りがよくって、僕はもう腰の力が抜けそうだった。

 

僕がよろめく度に、ユノの手が僕の腰を支えてくれる。

 

あいにくなことに、僕は女の子の中がどれくらい気持ちいいのか知らないから想像するしかない。

 

白い泡のせいで、僕のペニスの先っちょからどれくらい先走りが出ているのかは確認できないけれど、多分、相当出ているはず。

 

滑りがいいから、僕の唇の端から泡が出そう。

 

「あ...ん...あ...ん」

 

声を我慢できない。

 

狭い浴室の中だから、喘ぐ声が自分の耳にうんと近くに聞こえて、変態かもしれないが自分の声にも興奮した。

 

ちらりとユノのペニスの具合を確認してみたら、よかった、真正面を向いてる。

 

自分ばかり気持ちよいなんてズルいし、ユノの快感でゆがんだ表情を見たくなって、僕もユノのペニスを握った。

 

ユノは裏筋を親指で刺激しながら、しゃこしゃこ上下させる。

 

僕のものをしごくユノの手指を見下ろして気付いたのは、とても男らしい手をしているということ。

 

ユノの貴族的な高貴な顔の反面、女装をしたとしても手をみるだけで男だとバレる。

 

骨と血管が浮かんでいる力強いユノの手が、僕のペニスをリズミカルにしごいているんだ。

 

今度はユノの顔を見る。

 

僕の手の動きはほぼ「お留守状態」なのに、ユノは黒くてつやつやとした目をうっとりとさせてるんだ。

 

おかしなことに、そんなユノの表情に僕は感じてしまった。

 

だって、ユノは僕を見て感じているんだよ?

 

「はぁ...ん、あん...あ...ん」

 

どうしてこんなに声がいっぱい出てしまうんだろう?

 

隣人に「うるさい」って壁を叩かれないように、僕は両手で口を塞ぐ。

 

僕の仕草にユノは口元にふっと笑みを浮かべた。

 

僕はたまらなくなって、ユノの下唇に噛みついた。

 

「ん...っふ」

 

ユノの舌と僕の舌がねっとりと絡み合う。

 

「だ...め...」

 

ユノを気持ちよくさせたかったのに、テクニシャン・ユノの手技に僕は降参してしまった。

 

「あっ...もうダメ...イク...あっ...はっ」

 

僕の言葉を聞いて、ユノのしごく手がスピードを増した。

 

キスどころじゃなくなった。

 

天井を仰いで、あられもなく声をあげたら、僕の喉にユノが吸い付いた。

 

ユノの唇がたてる音にも興奮して、吸い付かれた軽い痛みも気持ちよくて、僕はあっさり射精してしまった。

 

腰をびくびくと痙攣させている間、ユノは僕のペニスから絞り出すみたいに、握る力を弱めてゆっくりとしごき続けていた。

 

一瞬、昨日の実習で牛の乳しぼりをした時の光景を思い出してしまった。

 

僕の股間は白い泡だらけだし、ペニスの先から放出された精液も白いことからの連想なんだと思う。

 

「はあはあはあはあ...」

 

暑い。

 

僕の肩には、シャワーのぬるい湯が当り続けている。

 

湯気たちこめた狭いユニットバスの中、熱く興奮した2人の男が発散する体温で、むんむんとしている。

 

僕らの全身は汗まみれで、シャワーのお湯なのかそうじゃないのか分からないくらい。

 

僕の精液の匂いもする。

 

こんなに気持ちいいのは初めてだった。

 

 


 

 

~ユノ~

 

 

「次は、ユノの番」

 

チャンミンが湯舟の中で長い脚を折りたたむようにして、膝をついた。

 

ぎちぎちのすし詰め状態。

 

浴室内は、もくもくと白い湯気が充満している。

 

暑い。

 

流しっぱなしだったシャワーを止めた。

 

チャンミンは俺のペニスを咥えようと、口を大きく開けた。

 

「チャンミン、ストップ!」

 

俺はチャンミンの脇の下に手を差し込んで、無理やり立たせる。

 

「あっ!」

 

チャンミンの身体をくるりと180度回転させた。

 

「わっ!

何す...!」

 

「次は俺の番、なんだろ?」

 

ぐいっと背中を押して、チャンミンを前かがみにさせた。

 

「ちょっ!」

 

「ケツ突き出せよ」

 

「やっ!」

 

チャンミンにすねを蹴られそうになったが、巧みにかわす。

 

「無理無理無理無理無理!!」

 

チャンミンが上半身をひねろうが、腰を浮かせようが、がっちりつかんだ俺の力を舐めんなよ。

 

筋トレで鍛えた観賞用の筋肉に負けねーよ。

 

「はなせ!」

 

「やなこった」

 

「僕を犯す気か!?」

 

「んなことするわけないだろうが!」

 

「何だよ...この格好は?」

 

「俺はチャンミンが好きなの。

好きな奴に変なことするわけないじゃん。

チャンミンはどう?

俺のこと、好きか?」

 

「うん...好き」

 

チャンミンの「好き」の言い方が、可愛いったら。

 

「好きだけど...これは、ヤダ!!!」

 

「暴れるなって!」

 

「心の準備ができてない!」

 

「準備なんていらねーよ」

 

「順を追ってヤるって言ってたじゃん」

 

「そうだよ」

 

「痛いのは嫌だよ」

 

「気持ちよくさせっから」

 

「......」

 

じたばたしていたチャンミンが観念したのか、壁に肘をついて大人しくなった。

 

「とうとう、やるんだ...」

 

「安心しろ、痛いことはしないって」

 

女の子と立ちバックするのと比べて、チャンミンの腰の高さが俺と同じだから助かる。

 

それにしても...ほっそい腰をしてるんだな。

 

上半身が逞しいだけに細さが際立って、なまめかしい。

 

股間シャンプーの泡を手ですくって、チャンミンの尻になすりつけた。

 

チャンミンの小さく引き締まった尻を泡だらけにする間、チャンミンの尻が小さく震えていた。

 

可愛い奴だ。

 

そして、俺のものをそこにあてがった。

 

 

BL的秘密の花園   僕を食べてください

大人な短編集  TOP