4.惨劇-My Destiny-

 

炎の勢いは、屋上から眺めた時よりは弱まっているようだった。

 

消防車3台が、3方向から消火にあたっている。

ポンプから勢いよく噴き出す白い泡で、辺りは泡だらけだ。

真っ黒になった、その金属の塊は、原型はほぼとどめていないが、泡の中から突き出しているのは、飛行機の主翼だった。

飛行機が墜落したらしい。

2~3人乗りの小型の飛行機のようだ。

既に、何十人もの人が集まって遠巻きに眺めている。

時おり、小さな爆発が起こるので、なかなか近寄れない。

衝突の凄まじさを物語るように、地面がえぐられた跡が数百メートルに渡っていた。

事故調査隊の車が、墜落の軌跡に沿って徐行している。

ララは、無残な飛行機の残骸にショックを受けていた。

(こんなに燃えてしまって...操縦士は死んでしまっているに違いない)

悲惨な光景にも関わらず、ララはこぶしを握りしめながら、目を離せなかった。

人々は、ささやき合う。

(こりゃあ、助からないな)

(どこから来た飛行機だ?)

数時間にわたる消火作業の末、鎮火に至ったため、耐熱スーツを着た消防士は、真っ黒に焼け焦げた残骸に、近づいていく。

クレーンで、地面に横倒しになっている尾翼を持ち上げる。

胴体は真っ二つに折れている。

キャノピーは粉々で、中がむき出しだった。

消防士は、その小さな窓から潜り込む。

 

その様子を固唾をのんで見守るララ。

黒いシートで包んだ担架が、むき出しになった胴体側から運び出される。

「あぁぁ...」

四方からため息が聞こえる。

(やっぱり駄目だったんだ...)

 

ララの目が涙でうるむ。

「さぁ、そろそろ戻ろう。

ここにいても、俺らにやれることはないよ」

ララは肩を叩かれ、振り返ると、テセだった。

「そうね...」

テセに肩を抱かれ、うなだれたララが踵を返した瞬間...。

「生存者有り!」

事故調査隊が、ライトを持った手を振っている。

「救急隊、早く!」

「おおぉぉ!」

 

どよめく人々の表情がホッとした者に変わる。

じっとしていられなくて、ララは皆と一緒に走り出した。

 

人々を抜いて、ララは前方に飛び出す。

不謹慎ながらも、九死に一生を得た乗組員を見てみたかった。

 

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