(3)腐男子です

 

 

 

私は高校教諭、30代独身、生物を教えている。

 

そして、腐男子である。

 

受け持ちのクラスで、非常に美味しそうな生徒2名をロックオンした。

 

すかしたちょいワル男子がユノ、真面目が取り柄のむっつりスケベ(と、私はみた)男子のチャンミンだ。

 

二人のルックスはすこぶるよくて、絵になるのだ。

 

彼らには是が非でも、くっ付いて欲しい。

 

遅刻してきたユノに、真面目なチャンミンが授業の進行を教えてやる、教科書を見せてやる。

 

見つめ合い、互いにしか分からない合図で放課後の約束をする。

 

育ち深まってゆく二人の恋を、教壇から見守るのだ。

 

どのタイミングでいたしてしまうのかな、と。

 

 

ユノとチャンミンの席は空いている。

 

今日の生物は三時限目で、朝のホームルームでは彼らは居たから遅刻は考えにくい。

 

ユノなら分かる。

 

チャンミンまで不在とは普通じゃない。

 

我がクラスの時間割を確かめると、体育とある。

 

(そういうことか...)

 

私は内心でにたり、と笑った。

 

汗だくで体操着が肌に貼りつく。

 

チャンミンのツンツンに尖った乳首が透けていて、ユノはごくりと喉を鳴らす。

 

ジャージパンツの下から押し上げるユノの平均サイズ以上の塊に、チャンミンの喉もごくりと鳴る。

 

バスケットボールの試合中、二人のチームは違う。

 

ボールを奪う、奪われる、肩がぶつかる、汗が飛び散る。

 

荒い呼吸。

 

はあはあはあはあ...。

 

ユノの強引な防御に、チャンミンは転んでしまう。

 

そのはずみで足をとられ、ユノはチャンミンの上に覆いかぶさる格好になってしまい...。

 

二人は見つめ合う...。

 

ユノの汗がチャンミンの唇に落ちる。

 

チャンミンは唇を湿らせたそれを舐める...。

 

そこは体育用具倉庫。

 

体操マットの上だ。

 

ユノはチャンミンのジャージパンツをペロン、と剥く。

 

それから自分も、腰までジャージパンツを下ろして、アレを取り出す。

 

ボロン、っと飛び出したソレのデカさに、チャンミンはドキドキする。

 

それからは...まあー、激しいものだよ。

 

若いから、技巧に走る余裕はなく、がむしゃらに身体をぶつけ合うえっちだ。

 

いいねぇ...。

 

 

 

 

 

 

 

 

がらりと戸が開き、私の腐妄想の主人公、ユノが現れた。

 

同じくダブルキャストのチャンミンがコソコソと、ユノに次いで現れた。

 

「遅い!」

 

私は教師の威厳たっぷりに、一喝した。

 

「すみません」

 

ぺこぺこと謝るのはチャンミンだけで、ユノは堂々とした態度だ。

 

(ん?)

 

二人の顔が紅潮して見えるのは気のせいではない。

 

普段、後ろに撫でつけているユノの前髪が乱れている。

 

チャンミンのネクタイも若干、ゆがんでいるような...。

 

「今日のプリントはこれだ。

ここまで取りに来なさい」

 

「はい」

 

チャンミンは私からプリントを受け取ると、席へと戻っていった。

 

(おお!)

 

チャンミンの背中のシャツがズボンからはみ出していた。

 

ビシッとした身だしなみのチャンミンらしくない。

 

よほど慌てていたのだろう。

 

それまで何をしていたのかが、これで確定した。

 

(早いな...もういたしてしまったのか。

若いなぁ)

 

私の妄想は正解だったようだ。

 

 

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