私の受け持ちのクラスで、非常に美味しそうな男子2名を新学期早々、ロックオンした。
すかしたちょいワル男子がユノ氏、真面目が取り柄のむっつりスケベ(と、私はみた)男子のチャンミン氏。
二人のルックスはすこぶるよくて、絵になるのだ。
・
次の授業に使う教材を取りに、生物準備室のドアを開けた。
BLな彼らのために、鍵をかけずに解放していた。
人目を忍んでセッセするための環境を用意しているのだ。
これは私からのサービスだ。
もちろん、カメラなど仕込んでいない。
腐男子歴15年の私だが、犯罪者にはなりたくない。
顕微鏡を仕舞っているロッカーのカギを、鍵束からより分けた。
私は思うのだ。
鍵と鍵穴。
いやらしい。
なんといやらしい。
鍵の挿入を待つ、鍵穴。
鍵の先端が鍵穴に触れ...鍵はスムーズに挿入されてゆく。
シリンダーは挿入された鍵の凸凹にぴったり合っている。
「お前のここ。
俺の形をすっかり覚えたんだな」
「毎日抱かれていたら、そうなったって仕方ないよ」
一か所、引っかかる箇所がある。
鍵を抜き刺しする、小刻みにひねってみる。
潤滑油を足してやる。
壊れるかもしれないと心配になるほど、ガタガタとドアを揺する勢いでシリンダーに無理をさせる。
ついにカチリ、と小気味いい音を立てて、ドアが開く。
そして、魅惑の扉が開き、彼らは大人の世界を知るのだ...。
素晴らしい...!
(ちなみに男子高校生の鍵と鍵穴、シリンダーは真新しい)
いかんいかん。
私の頭はより腐りかけている!
・
鍵を刺そうとした時、私の耳は物音をキャッチした。
何か聞こえたような気がする...。
「!!!」
STOP!
開けたらいけない!
目の前のこのロッカー。
中にユノ氏とチャンミン氏がいる!
息を殺して、私がここを立ち去るのを待っている。
ロッカーの中は狭い。
唇まであと5センチ。
熱い吐息、腰に回された互いの腕。
二人の『あそこ』はぴったり合わさっている。
意識すればするほど、あそこは怒張してくる。
「んっ」
すりすりと敏感な箇所が擦れあう。
知らず知らず、二人の腰は揺れてしまう。
「はあはあはあ...」
呼吸が荒くなる。
なかなか立ち去らない人物(つまり、私)
ユノ氏の手はするすると下りてゆき、チャンミン氏の美桃へ到達すると、ぎゅうっと掴んだ。
「あんっ...」
調子づいたユノ氏の指は、チャンミン氏の桃の割れ目の中へ差し込まれ...。
・
邪魔をするわけにはいかない!
彼らの恋の邪魔をしてはいけない!
授業まであと10分しかない。
フィニッシュまで10分...ギリギリか。
「職員室に用事があったんだ。
行かねば行かねば」
と、大きな声で言い部屋を出ると、ぴしゃっとドアを荒々しく閉めた。
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