(4)腐男子です

 

 

私の受け持ちのクラスで、非常に美味しそうな男子2名を新学期早々、ロックオンした。

 

すかしたちょいワル男子がユノ氏、真面目が取り柄のむっつりスケベ(と、私はみた)男子のチャンミン氏。

 

二人のルックスはすこぶるよくて、絵になるのだ。

 

 

次の授業に使う教材を取りに、生物準備室のドアを開けた。

 

BLな彼らのために、鍵をかけずに解放していた。

 

人目を忍んでセッセするための環境を用意しているのだ。

 

これは私からのサービスだ。

 

もちろん、カメラなど仕込んでいない。

 

腐男子歴15年の私だが、犯罪者にはなりたくない。

 

顕微鏡を仕舞っているロッカーのカギを、鍵束からより分けた。

 

私は思うのだ。

 

鍵と鍵穴。

 

いやらしい。

 

なんといやらしい。

 

鍵の挿入を待つ、鍵穴。

 

鍵の先端が鍵穴に触れ...鍵はスムーズに挿入されてゆく。

 

シリンダーは挿入された鍵の凸凹にぴったり合っている。

 

「お前のここ。

俺の形をすっかり覚えたんだな」

 

「毎日抱かれていたら、そうなったって仕方ないよ」

 

一か所、引っかかる箇所がある。

 

鍵を抜き刺しする、小刻みにひねってみる。

 

潤滑油を足してやる。

 

壊れるかもしれないと心配になるほど、ガタガタとドアを揺する勢いでシリンダーに無理をさせる。

 

ついにカチリ、と小気味いい音を立てて、ドアが開く。

 

そして、魅惑の扉が開き、彼らは大人の世界を知るのだ...。

 

素晴らしい...!

 

(ちなみに男子高校生の鍵と鍵穴、シリンダーは真新しい)

 

いかんいかん。

 

私の頭はより腐りかけている!

 

 

鍵を刺そうとした時、私の耳は物音をキャッチした。

 

何か聞こえたような気がする...。

 

「!!!」

 

STOP!

 

開けたらいけない!

 

目の前のこのロッカー。

 

 

 

 

 

中にユノ氏とチャンミン氏がいる!

 

息を殺して、私がここを立ち去るのを待っている。

 

ロッカーの中は狭い。

 

唇まであと5センチ。

 

熱い吐息、腰に回された互いの腕。

 

二人の『あそこ』はぴったり合わさっている。

 

意識すればするほど、あそこは怒張してくる。

 

「んっ」

 

すりすりと敏感な箇所が擦れあう。

 

知らず知らず、二人の腰は揺れてしまう。

 

「はあはあはあ...」

 

呼吸が荒くなる。

 

なかなか立ち去らない人物(つまり、私)

 

ユノ氏の手はするすると下りてゆき、チャンミン氏の美桃へ到達すると、ぎゅうっと掴んだ。

 

「あんっ...」

 

調子づいたユノ氏の指は、チャンミン氏の桃の割れ目の中へ差し込まれ...。

 

 

邪魔をするわけにはいかない!

 

彼らの恋の邪魔をしてはいけない!

 

授業まであと10分しかない。

 

フィニッシュまで10分...ギリギリか。

 

「職員室に用事があったんだ。

行かねば行かねば」

 

と、大きな声で言い部屋を出ると、ぴしゃっとドアを荒々しく閉めた。

 

 

[maxbutton id=”23″ ]