【後編の後編】禁断の行為

 

「チャンミン、そこにも1個落ちてるぞ」

 

「どこ?」

 

「ここ」

 

ユノは泉の石垣脇に落ちた種を拾おうと、チャンミンの背後から手を伸ばした。

 

その時。

 

膨張して固くなったそれが、チャンミンの尻の割れ目にヒットした。

 

チャンミンの凹から分泌される粘液が最高の潤滑油となっていた。

 

ユノの凸は、狭い穴でも挿入するのに最適な形状をしていた。

 

二人の凹凸が見事にはまった。

 

「はうっ!」

 

「あん!!」

 

二人の間に恋が生まれた瞬間だった。

 

これは狙ったものではなく、完全に不可抗力だった。

 

穴を埋めて欲しいチャンミンと、棒を鎮めて欲しいユノ。

 

二人の願いは同時に叶えられた。

 

(すっげぇ、気持ちいぃ!!)

 

生まれて初めての、全身を貫く凄まじい快感。

 

この粘膜は、温かく、適度な弾力と湿り気を持ち、感覚は鋭敏だ。

 

(ああ、ここはHeavenか?)

 

(お尻って気持ちがいいんだ...知らなかった)

 

気持ちいい!

 

チャンミンを、ユノを幸福にしてあげたい!

 

気持ちよくしてあげたい!

 

自分も気持ちよくなりたい!

 

 

ユノがチャンミンを見る時の感情やその逆も然り、友情や兄弟愛に恋愛感情が加わった。

 

 

合体した次は、動かしたくなる。

 

チャンミンは尻をユノに摺り寄せた。

 

ユノはチャンミンの腰を掴んだ。

 

 

(ヤバイヤバイ、すげぇ気持ちがいい!!)

 

 

強烈、のひと言では表現しきれない、狂暴で激烈な気持ちよさに支配され、腰の動きは加速する。

 

(チャンミンの中が俺のこいつに吸い付いてくる。

うねうねしてる!)

 

 

「んくっ!」

 

 

不意に締め付けられることもあり、ユノは歯を食いしばって堪えた。

 

(チャンミンの尻の中に、何か別の生き物が棲みついているかのようだ。

ぬるぬる滑りがよくて、いくらでも出し入れできる)

 

 

狂ったように互いの腰はぶつかり合い、飛び散る汗で辺りはバターの実の香りで満ちていた。

 

二人はバターの実の香りに酔い、接合部がたてる水っぽい音に煽られた。

 

 

かがんだチャンミンの後ろから襲う体位に飽きてきた。

 

ユノはバターの木の根元の茂みにチャンミンを仰向けに寝かせた。

 

チャンミンはユノと繋がりやすくするよう、自ら大股を広げた。

 

一度抜かれて出来た空洞が、再びユノのもので埋められて、チャンミンは幸せいっぱいだった。

 

 

「あっは...あっ」

 

(ユノのおちんちんが僕のお尻の中に...!

 

...しゃぁわせ)

 

 

喘ぎ声を知らなかった二人は最初、苦し気なのに幸福そうな声に戸惑っていた。

 

18年間日常生活を送る上で、発したことも耳にしたこともない、不思議な声だ。

 

「ユノっ、ああん、あん...あん、あん」

 

 

その声をもっと聞きたくて、ユノの腰の動きは巧みさを増した。

 

 

(俺のアソコがチャンミンの尻の中に!

 

いいのかなぁ?

 

チャンミンのアレが出る所に、俺のアレが出るものを突っ込んでいる。

 

いいのかなぁ?)

 

 

「っ...!」

 

 

激痛の理由は、チャンミンに肩を噛まれたからだ。

 

(これまでもふざけたチャンミンに噛まれたことは何度もあって、その都度喧嘩になっていたが...今のは全然、腹が立たない。

 

むしろ、噛まずにはいられないほど気持ちがよい証明になっている。

 

よ~し、まだまだ頑張るよ)

 

 

「あっ、あっ、あっ、あっ...」

 

 

ユノのアソコはチャンミンの喘ぎのスタッカートで、1.2倍膨張した。

 

 

(チャンミンの声...カワユス)

 

 

ガツガツと奥を突かれても「あん」、手前を擦られても「あん」

 

チャンミンにとって、ユノのアソコが与えるすべてが快感だった。

 

 

(僕らがやってること...交尾みたいだ!)

 

 

石垣に腰掛けたユノの上で、身を弾ませながらチャンミンは思った。

 

村民は共同で、トメキチとトメコという雌雄の犬を飼っている。

 

チャンミンは彼らの営みを...トメコの上にのしかかったトメキチが腰を振っている...を何度か目撃したことがあった。

 

大人に訊くと「あれは、交尾だ」と答えてくれた。

 

だが、「交尾」とは何なのか、「大人になれば、おのずとわかる」と言って教えてくれなかったのだ。

 

(僕らのこれは...交尾だ!!)

 

ユノの手がチャンミンの前に回された。

 

「!!!」

 

ユノは触れたものに驚愕した。

 

(チャンミンのアソコが腫れてる!!)

 

チャンミンは後ろの快感にのめり込んでいて、前の変化に気づけずにいた。

 

 

 

 

この後彼らは、各々の生殖器官の先からでる白い粘液に驚愕し、「病ではないか」と不安になるだろう。

 

 

それを放出したのち、膨張していた生殖器官が元のサイズに戻ることに安心し、射精のタイミングをつかむだろう。

 

 

肉体の変化に大騒ぎし、経験したことのない感覚に戸惑っていた。

 

 

肉体にもたらされる快楽に溺れてしまうのは、身体を重ね合わす者がユノであり、チャンミンであるからこそ。

 

 

もともと仲のよい二人だった。

 

 

恋心を全く知らなかった。

 

 

なぜなら性欲も知らなかったから。

 

 

二人は肉体同士が繋がった時にはじめて、恋心を知ったのだ。

 

 

 

 

禁断の実とは、大人への扉を開ける鍵でもあった。

 

禁止されるほどに食べてみたくなる心理をうまくついている。

(中には一生口にしない者もいないことはないが、彼、彼女なりに幸福に生きていればそれでよいのだ。恋愛や子を持つことが全てではない。こういう点で、この村は大らかである)

 

 

母体として未熟なうちに食すのは相応しくないため、禁止事項に「特に女は食べてはならない」とあったのだ。

 

食するとあの箇所が潤い、男を受け入れられるようになる...つまり「オンナ」になる。

 

男に関しては、早かろうが遅かろうが大きな問題にはならない。

 

早々と恋や性に目覚めても、肝心なお相手は準備の整った女性のみだからだ。

 

男女がその場で同時に食した時...二人とも準備OK。

 

高揚した気持ちと火照る身体を持て余せず、その場でコトに及んでしまうカップルもいる。

 

 

今回のユノとチャンミンの場合は、例外中の例外だった。

 

ユノが思った通り、禁断の実とは罪の意識を感じながら食すものであるから、1齧りや1個が相当だ。

 

ところが、食いしん坊のチャンミンはあり得ない量...6個完食していた。

 

決して、心行くまで腹いっぱい食すものではないのだ。

 

バターの実の効果は強い。

 

摂取し過ぎたことで、チャンミンの凹の箇所から潤滑液が湧き出てしまい、そこはメス化してしまったのだ。

 

 

 

あの後の二人はどうなったか?

 

ご想像通り、ユノとチャンミンは三日三晩、繋がりっぱなしだった。

 

翌朝、水汲み場に落ちた6個の種に、大人たちは事情を察した。

 

村民で不在なのはユノとチャンミンのみ。

 

ところが、ユノとチャンミンは男同士である。

 

6個も食した村民は、村の歴史上初のことだった。

 

3個ずつだったとしても、多すぎだ。

 

(例えるなら、凄汁とモンスターのカクテルを3リットル一気飲みしたくらい)

 

 

「...あいつらがくっついても仕方がないな。

生まれた時から仲がよかったから」

 

「どちらがメス側になったのでしょう?」

 

「ユノじゃないですかね?

優しい顔をしているし、気配りも出来るし」

 

「あのユノが馬鹿食いはしないだろう。

どうせ、好奇心旺盛なチャンミンが、ユノを共犯にしようと引っ張っていったんだろうよ」

 

「そう考えるのが妥当ですね」

 

「帰りは明後日頃ですね。

擦り剝ける程交尾してから帰ってきますね」

 

 

バターの実は春に実る。

 

 

厳冬の季節に誕生する赤ん坊が多い。

 

 

(おしまい)

 

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