義弟(17)R18

 

 

~ユノ33歳~

 

 

引き結んだままだったチャンミンの唇が緩み、その隙間から舌を差し込んだ。

 

口内奥で引っ込められていたチャンミンの舌に、円を描くように絡める。

 

「っん...ん...」

 

上顎をくすぐったら舌の緊張も解けた。

 

「あ...っ」

 

かき回されるがままだったのが、両手を伸ばして俺の首にかじりついてきた。

 

直後にチャンミンの舌が、俺の中に侵入する。

 

餌をねだるひな鳥のように、もっともっとと舌を差し出してくる。

 

勢い任せにうごめかすチャンミンの舌を吸うと、彼の身体がびくりと震えた。

 

「チャンミンって、キスがうまいんですよ」と言ったMちゃんの言葉は、嘘だったのかもしれない。

 

チャンミンのそれはぎこちなくて、うまいとはとても言えないキスだった。

 

今朝俺を見送った、Bの顔がちらついた。

 

どうでもよくなった。

 

妻の弟と貪るようなキスを交わしている。

 

そのことに罪悪感を抱くどころか、その不道徳さに興奮した。

 

先へ進んではいけないと押しとどめていた理性なんか、最初からなかったのかもしれない。

 

限界まで我慢した末に解放した欲は、得られる悦びも快感も増すものだから。

 

結婚披露宴の日、俺を睨んでいたチャンミン。

 

あの日から、チャンミンとこうしたかったんだ、多分。

 

「ん...っん...ふっ...」

 

息継ぎが出来ないのか、チャンミンが苦しげに喘いでいる。

 

離した唇から唾液の糸が引き、それも俺たちを煽る材料となった。

 

「...義兄さん...」

 

チャンミンの片手は俺のニットの胸元を握りしめ、もう片方は俺の首に絡んでいる。

 

顔を赤く火照せ、もっともっととねだるように口を半開きにしていた。

 

チャンミンは16歳だ。

 

だが、俺の目の前にいるこの子はもう、16歳の子供じゃない。

 

俺の手でどうにかされたいと、とろけた表情が物語っている。

 

見開くと思いのほか大きな目で、丸いカーブを描くまつ毛がふさふさとしていた。

 

幼い顔して、身体の欲求は大人。

 

このまま先へ進むのか身を引いてしまうのか、チャンミンは固唾をのんで見守っている。

 

この子は本気だ。

 

チャンミンの顎をつまんで斜めに顔を傾かせ、彼の口を覆うように唇をかぶせた。

 

「っ...」

 

柔らかい唇は子供っぽいが、高まる興奮でチャンミンの首筋からただよう匂いは男のものだった。

 

男とキスをするのは初めてだし、未成年とも同様だ。

 

その上、Bの弟でもあって、背徳感にくらくらする。

 

子供と大人の端境にいるチャンミンを、大人の世界に引きずり上げたい。

 

「にぃ...さっ...ん...」

 

チャンミンの後頭部の髪をつかんで仰向かせ、より深く口づけ直す。

 

視線を落とすと、もじもじとこすり合わせているチャンミンの両膝。

 

たまらず手を伸ばして、鼠径部にくっきりと浮かんだものを、生地の上からひっかいた。

 

「っああっ...」

 

びくりとチャンミンは腰をひいた。

 

「...ダメです...ダメっ...」

 

俺の手を押さえこんだチャンミンの両手を取り上げて、俺の首に回させた。

 

形に沿って摘まみ上げて上下にこすると、重ね合わせた唇の隙間で喘ぐ。

 

チャンミンの甘い声に、俺の方も圧迫されて苦しい。

 

ゆるゆると与えられる快感に浸るチャンミンは、キスを忘れて口をぽかんと開けている。

 

16歳がこんな恍惚とした表情を浮かべたりしたら、いけないよ。

 

俺のものより幾分小さ目のそれは、俺の指の下で次第に固さを増していく。

 

「...やっ...あ...」

 

手に取るように分かるとは、このことだ。

 

女のように、「フリ」はできない。

 

チャンミンの興奮の塊が今、俺の手の中にある。

 

ある一点がじわりと湿り気を帯びてきた。

 

勢いづいて、勃起したそれを包み込むように、強めにしごきあげた。

 

「...っや...にいさっ...ダメっ...」

 

チャンミンは首を振って、俺のキスから逃れる。

 

俺はそれを許さず、チャンミンの耳下に口づけると、それだけで彼はかすれ声を漏らすのだ。

 

股深くからさすり上げて、膨らんだ先だけを小刻みに攻めた。

 

「やっ...やっ...やめっ...!」

 

どこをどうするといいのかなんて、俺も男だ、よく分かる。

 

16のガキから誘われてスタートした口づけが、実は癪だった。

 

立場が上なのはどちらなのか分からせたい。

 

「...あっ...だ...めっ...義兄さ...だ...!」

 

チャンミンの腰がぶるりと痙攣した。

 

「...あぁ...」

 

急速に手の中のものが、弛緩していく。

 

やり過ぎたか?

 

直後、隣に他の車が滑り込んできた。

 

春先の日暮れは未だ早く、辺りが闇に沈みかけていて助かった。

 

窓ガラスが白く曇っていた。

 

服の上からの刺激だけでイッてしまうとは...。

 

慣れていないところが可愛らしいと思った。

 

恥ずかしくてたまらないだろうな。

 

股間を押さえて俯くチャンミンの頭を、くしゃりと撫ぜた。

 

ここは人目につく。

 

チャンミンとこの先へ進みたくて仕方がなかった。

 

俺はもう、我慢はしない。

 

チャンミンと共に堕ちていく。

 

思う存分唇を貪り合える場所を探していた。

 

 

 

 

なぜ、チャンミンに惹かれたのだろう。

 

一番大きな理由は分かりやすくて、恐ろしく綺麗な子だったから。

 

作品のモデルにしたくなった。

 

これから親戚になる仲だというのに、遠慮なく睨みきかせるチャンミンを屈服させたくなったことも、理由のひとつだ。

 

それから、第一印象通りチャンミンは、いい子だった。

 

どれだけぶっきらぼうな態度を貫こうと、根っからの礼儀正しさは隠せない。

 

くるくると目の表情を変える。

 

どれもがチャンミン自身を表していて、多感な性格そのものだと思った。

 

チャンミンを手に入れたい。

 

かき抱いて俺のモノにしたかった。

 

チャンミンは妻の弟で、未成年で、男だ。

 

恋を進める上で障壁となるこれらは、俺を思いとどまらせてきたが、今はどうでもよくなった。

 

かえって燃える。

 

駐車場から車を出し、どこか人目につかないところを目指しかけたが、未だホテルに連れ込む段階じゃないと思いなおした。

 

結局、アトリエに引き返すこととなり、その道中、チャンミンの手は俺の腿の上に置かれたままだった。

 

 

 

 

アトリエのドアを開けるまで、チャンミンは俺の後ろを無言でついてきた。

 

濡れた股間が気持ちが悪いのだろう。

 

猫背で腰を引いた姿勢で、小股でついてくるのが、いじらしかった。

 

「風呂に入っておいで」

 

玄関口でうつむいて、立ち尽くしたままのチャンミンに声をかけた。

 

事務所兼アトリエとして借りているここには、キッチンもあればシャワールームもある。

 

チャンミンの細い脚、スニーカー履きの足先が内股になっていた。

 

「...でも...その...」

 

逡巡するチャンミンの背を押して、脱衣所に押し込んだ。

 

「下着なら買ってくるよ。

俺の着替えは嫌だろう?」

 

「いえ...義兄さんのもので構いません」

 

「そう...」

 

タオルの位置と温度設定方法などを説明し、「ごゆっくり」と脱衣所を出る。

 

ドアを閉める直前に振り向くと、チャンミンの細くしなやかな裸の背中。

 

シャツを脱ぐ際に浮き出た肩甲骨に欲情を覚え、同時に切なさに襲われた。

 

 

(つづく)

 

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