【旦那さん手帖】
<11月某日>
~〆切まであと1日~
7割仕上がった『恥辱の学生服』を読んで欲しいと、チャンミンに頼まれる。
メイド服を着た17歳男子の話は止めにしたとのこと。
当初の通り、学園BLに戻した。
59歳Z教諭と男子高校生Qとの倒錯的な愛憎劇。
ローターを仕込まれたQは喘ぎ声を抑えて、生物の授業を受ける。
高校生に道具を使用するのはどうなのか、私だったら躊躇してしまうが、これはチャンミンの作品。
私には口出しする資格はない。
エネマグラじゃないだけマシだ。
〆切は明日。
今夜こそ徹夜で頑張るらしい。
チャンミンのおねだりに3回応えてやる。
・
【23:00】
チャンミンへ夜食
・インスタントコーヒー
・焼きおにぎり(冷凍もの)
チャンミンの眼、ギラギラしている。
ゾーンに突入しているようだ。
チャンミン「エネマグラはどうやって使うのだろう?」
当然、「え?」となる。
私「知らないの?」
(※私たちは15年間一緒にいるが、ナチュラルが基本。
たまにソフトな道具を使うこともあるが、ハードなものは使ったことはない)
僕「転校前日、Z教諭が男子高校生Qに丁寧に指導してやるんだ。
エネマグラの使い方を。
手取り足取り、実演しながら教えてあげるんだ」
私「...エロいな」
僕「でしょう?
『毎晩23時になったら、君はこれを装着しなさい。
そして、私に電話をかけるんだ。
君はこれを私の「ピー」だと思うんだ』
...てな具合に」
・
どこからそんな発想がでてくるのだろう?
私は不安になる。
私のものでは満足していないのでは?と。
・
チャンミン「細かく描写してやることで、エロさを出そうと思っているんだけど、あいにく使ったことがないからよく分からないんだ」
私「手元にあれば、試せるんだけどなぁ...」
今からネット注文しても間に合わない。
私「リアリティを出したいのならば、今回は見送るんだ。
想像で補ったら中途半端になるよ?」
チャンミン、不服らしい。
私「それから、高校生には早すぎる」
約1分間の沈黙タイム。
チャンミン「わかった」
私、チャンミンの頭をガシガシ、犬みたいに撫ぜてやってから、部屋を出る。
・
【24:30】
夜食
・サーターアンダギー
(お隣さんからの旅行土産。娘さんが里帰り中。旦那の浮気疑惑が理由なんだとか。※チャンミン情報によると)
・紅茶(ティーパック)
書斎を覗く。
チャンミン、一心不乱にキーボードを叩いている。
よしよし。
・
【2:30】
書斎を覗く
猫以上に猫背になっている。
さらなるゾーンに突入している。
夜食
コーンスープ(インスタント)
<11月某日>
~〆切日~
曇り。
休日。
6:00起床。
ベッドに私ひとり。
書斎を覗く。
チャンミン、デスクに伏せて眠っていた。
ディスプレイを見ると、まだ途中だ!
〆切まであと5時間。
チャンミンをたたき起こす。
・
【11:00】
無事入稿。
・
【12:00】
チャンミン、抜け殻。
チャンミン、匂ってきた。
何日風呂に入っていないんだっけ?
無精髭で泥棒みたいな顔をしている。
「風呂に入るか?」
こくん、と頷く。
服を脱がせてやる。
髪と身体を洗ってやる。
髭を剃る。
泡を綺麗に洗い流す。
身体を拭く。
ドライヤーで髪を乾かす。
下着とパジャマを着せてやる。
手をひいて寝室に連れていく。
ベッドに寝かす。
この間、チャンミンずっと大人しい。
「夜は外食にしよう」と提案。
チャンミン、こくりと頷く。
カーテンを閉めて、部屋を暗くしてやる。
いびきをかいて寝ている。
寝顔をじぃっと見る。
夕方までチャンミンを寝かせておく。