<3月某日>
H回数:2,025回
(昨夜は指のみ。
カウントしない)
5時起床。
<朝食>
紅茶
トースト(ハチミツとバター)
目玉焼き(卵2個)
ブロッコリーの茹でたやつ
<弁当>
焼肉丼
(昨夜の残り)
6時半、ユノを叩き起こす。
弁当を渡し、行ってらっしゃいのキスをして送り出す。
・
昨夜の名残でシーツが汚れている。
通販で買った漂白剤、オキシシシクリーンを使ってみる。
(酸素パワーで強力洗浄、消臭とある)
・
10:00
執筆スタート
少し元気がない。
僕の書くBL小説に悪い評価がついたのだ。
・主人公たちに厳しい試練を与えすぎている。
・恋のお相手に元カノ、今カノ、前嫁は必要ない。
(女性の存在が許せない)
・Hシーンが薄過ぎる。
・主人公をもっとハンサムにしろ。
・キュンキュンするものが読みたい!
ここから導かれた結論。
『主人公たちにとことん都合がよく物事が進むこと。
王道の胸キュンシーンを散りばめること。
Hは激しく濃厚に』
めそめそしている暇があるなら、書いて書いて書きまくるのだ。
でも、固定概念に凝り固まっていて、自宅に引きこもりがちな僕の脳みそだけじゃ限界がある。
いくつか案を考えてみて、ユノにアドバイスをもらおう。
・
<3月某日>
H回数:2,026回(普通)
<昨夜の僕らの会話>
23:00
就寝前のひととき
ユノ、牛乳8割のカフェオレ
僕、牛乳1割のカフェオレ
僕
「読者ウケする胸キュン設定とはなんだろう?」
ユノ
「主人公はある日、赤ちゃんを保護するんだ。
で、我が子のように育てるの。
その子はすくすくといい男に育つんだ。
未成年のうちは手を出したらいけないと葛藤する主人公。
その子が成人したその日...初夜を過ごす!」
僕
「その子のお尻バージンは主人公が奪うんだね?」
ユノ
「ちっちっ、それじゃあ普通だ。
逆だよ。
主人公がウケ。
丹精込めて育てた子がタチ」
僕
「そのオチ、いいねぇ」
ユノ
「チャンミンは何か思いついた?」
僕
「『育てる』キーワードで考えてみた。
前に、学校の先生が生徒をエロい身体に開発するってやつを書いたでしょ?
もっと「キュン要素」増しで、明るく分かりやすいものにする。
ある雨の夜。
アルバイト帰りの主人公ユノは、アパートの前にうずくまる青年を拾う」
ユノ
「どこかで見たことがあるシーンだな」
僕
「よくある設定でしょ?
風呂に入れてあげて、乾いた服を着せて、ご飯を食べさせる」
ユノ
「主人公の名前がなぜ『ユノ』?」
僕
「拾われたっていう青年は僕、チャンミン。
イメージがわきやすくするための仮の名前だよ。
チャンミンはユノの部屋に棲みついちゃうの。
裸エプロンしてユノの帰りを待ったりするの」
ユノ
「裸エプロン!!」
僕
「チャンミンはとっても素直なんだ。
ユノに『まっぱにエプロンをつけろ』とオーダーされて、その通りにしたんだ。
ユノはチャンミンのアソコを、エプロンの布地の上からこするんだ。
するとね、アソコの辺りがテント状態になるんだ。
もっともっと擦っていたら、生地が濡れてくる。
ユノに『チャンミンはエロいなぁ』って煽られるんだ」
ユノ
「ごくり」
僕
「ま、その後、二人は熱い夜を過ごす。
二人の間にトラブルがいくつか起きるんだ。
例えば、喧嘩してチャンミンが家出をしたり、ユノの従姉が泊まりにきたり。
最後、チャンミンはユノのもとに永久就職しましたとさ。
めでたしめでたし」
ユノ
「小説ではその『いくつかのトラブル』、ってのが大事なんじゃないかな?」
僕
「そこんとこは、『あるある』的、『いかにも』的なシチュエーションを盛り込むんだ。
奇天烈な展開は要らない。
読者に喜んでもらえるし、安心してもらえるんじゃないかな、と僕は思ったわけです」
ユノ
「おし!
俺も手伝うよ。
チャンミンだけに任せていたら、『スクール水着を教え子に着せて興奮する家庭教師』とかに走るからなぁ。
甘酸っぱいレモンみたいな胸キュンBLを目指そう!」