(35)奥さま手帖-4月-

 

<4月2日>

 

H回数:2,030回

(昨夜無し。

鼻炎薬のせいで眠くて仕方がない)

 

昨日はエイプリルフールだったが、我が家ではこのイベントにはのらない。

互いの嘘がリアル過ぎたせいで大喧嘩になっり、大泣きした過去があるからだ。

 

 

<僕→ユノ>

『男性でも妊娠可能にする研究開発が進んでいる。

その薬剤の治験に協力願えないか、と連絡があった。

手術も必要みたいだけど、僕頑張ってみるよ』

...といった嘘。

 

現在医学では身体の構造上不可能なのに、ユノは大真面目に信じた。

ユノ、仕事を早退してきた。

喜びに溢れた笑顔だった。

 

「うっそだよ~ん、今日は何の日だ?」なんて、すぐには言い出せなかった。

やっぱりユノは子供が欲しいんだな、と、産めない自分が悔しかった。

その夜、あれは真っ赤な嘘だと伝えたら、

「...そうだよなぁ。

あり得ない話なのに、信じてしまうなんて、俺は馬鹿だな」と、

ユノは泣きだしてしまった。

 

深く反省した。

 

 

<ユノ→僕>

『俺、イン〇になったかもしれない...。

だから当分、お前とアレできない。

代わりにコレを俺だと思って、慰めてくれ』

そう言って、大人の玩具を僕に手渡した。

 

ユノとアレできなくなることよりも、彼の身体の方が心配だった。

この年のエイプリルフールは、嘘だとバラされるまで1週間あった。

 

その間、信じ切った僕は執筆を放り出して、専門書を取り寄せて読み込んだ。

病院巡りをした。

ユノを病院に連れて行く前に、僕だけでも先に、医師の見解を聞きたかったのだ。

僕と結婚生活を送るうえで、何かしらストレスの種になっていることがあるはずだと、自身の言動を振り返った。

 

悲壮感漂わせた僕に、ユノは嘘がキツ過ぎたと気づいたらしい。

「嘘だよ~ん」とふざけた口調で、言い出せなかったそうだ。

でも、どこかで打ち明けるしかない。

 

当然僕は激怒だ。

10日間、口をきいてやらなかった。

10日間、ビッグソーセージと茹で卵のお弁当を作り続けた。

 

 

(『旦那さん手帖(参)』を参照のこと)

11日目に仲直りした。

その夜。

ユノが用意した大人の玩具で攻められて、僕は大いに乱れてしまった。

 

 

<今日やること>

 

・冬物のコートをクリーニングに預けること

・新聞代を郵便ポストの中に入れておくこと

・貯金箱の中の小銭を、銀行に預けること

・春キャベツのレシピを検索すること