~チャンミン~
初めてユノのモノが...指じゃなくてアレがねじ込まれた時、僕は悲鳴をあげた。
覚悟はしていたけれど、痛いなんてものじゃない。
激痛だ。
「ごめん!」
僕の叫び声に、ユノは慌てて引っこ抜いて、うつぶせた僕の背中を撫ぜて何度も謝った。
「だ、だいじょ...ぶ」
ユノは僕の後ろを確かめると、「こりゃ痛いな」と顔をしかめた。
「ああ...血が出てる。
...ごめん」
道具とか、指とかで拡張を頑張ってきたけれど、ホンモノはもっと太かったみたい。
「再チャレンジしよう」
「できるかよ!」
正直、焼け付くように痛くて仕方がなかったけれど、ここで怖気付いていたら、いつまでたっても目的を果たせない。
何が何でも挿入を果たさねばならない使命に燃えていたのだ。
「えっちをしたくて付き合ってるのか」とこだわっていられなくなった。
好奇心とエロ心...それ以上に、お互いが好きでたまらなくて、自身の身体をもって愛し愛されたい。
世の中の同性カップルは、これごとき易々と乗り越えているんだろうな。
僕らにとっては大問題、超難関問題なのだ。
先日、本番に挑んだところ指の挿入がやっとで、初めての感覚に僕はドキドキしっぱなしだった。
ユノは何やら考え事にふけってしまって、続行不能になってしまった。
それから数日間、ユノは元気がなかった。
ユノのことだから、「なぜ、恋人同士はえっちをしなければならないのか?」とまで考えが及んでいて、「男相手だから萎えてしまったのだろうか?」と、自身のムスコを前に熟考にふけっていそうだ。
ユノの考え事の中身は、僕でも想像がつく。
さらには、「アソコへの挿入にこだわらないといけないのだろうか?」とか、「うまくいかないのは俺のブツに問題があるのでは?」とか、「チャンミンが可哀想だ」とか、「他のカップルはどうしてるんだろう?」とか...だいたいそんなところだろうな。
・
ばあちゃんが夕食を振舞いたいからと、ユノを招待した。
「一人暮らしだと栄養が偏っているでしょう」だって。
しょんぼりしているユノを元気づけたかったから彼を誘うと、「やったね」と素直に招待に応じた。
こういう素直なところのあるユノが僕は好きなんだ。
・
そうなんだ。
僕らが初めて、文字通り繋がったのは...僕の部屋だった。
もちろん、カラーボックスでドアを塞いでいる。
ユノの先っちょが入っただけで、悲鳴を上げてしまって、「しまった!」と口を押えた。
1階にはじいちゃんとばあちゃんがいる!
何事かと部屋のドアを叩かれたら、困る!
2階に上がる際、「ユノとゲームするんだ。戦闘ものだからうるさいかもしれない」と二人には断っておいたんだけど。
部屋の灯りを落とし、実際にTVゲームを立ち上げておいた。
(銃を持ったプレイヤーがフィールドに待機している)
「急にやりたくなるなんて...どうしたの?」
誘ったのはユノの方からだった。
「みんなでメシを食っただろ?
じーさんとばーさんに愛されてるなぁって。
チャンミンは素直に育ったんだなぁって。
だから、俺はチャンミンのことがもっと好きになったんだなぁ、って。
二人に大事にされてきたチャンミンを、俺...大事にしてやりたいなって」
ユノの眼がうるうると潤んでいた。
「ユノ...泣いてる」
「感動しちゃって...」
「ユノったら」
ユノは考え事ばかりしてるけど、優しい男なんだ。
ユノの考え事の種は、僕に関することだろうから。
そんなユノが僕は大好きなんだ。
「チャンミン」
「はい」
ユノは僕の両肩をつかみ、僕とまっすぐ目を合わせた。
「俺はお前が好きだ。
大好きだ」
「...ユノ」
「好きだから...お前とヤリたい。
お前を気持ちよくさせたい」
「うん。
僕もユノを気持ちよくさせたい」
...こんな流れで、えっちが始まったのだ。
・
「ユノ!
僕は大丈夫だから、最後までやっちゃってよ」
ユノのくたっとしたものに、ローションをぶっかけ、荒々しくしごいた。
「ちょっ...んっ...」
僕の手を除けようとした手も次第に抵抗を失い、刺激され続けるうちに張り詰めてきた。
いざ、再挿入だ!
(つづく)