引いたものをめり込ませた。
凄まじい吸引力で、二度と抜けなくなるかと怖くなる。
いいんだ、永遠に埋もれたままでいい。
抜いて刺して、回転させる。
ゆるんでいた壁が収縮して、締め付け始めた。
窒息しそうだ。
アオダイショウに呑み込まれたネズミの気持ちになる。
排出することしか知らなかったそこは、異物を受け入れる悦びを知ったのだ。
どん欲に吸いこみにかかる。
奥へ奥へと。
俺たちはれっきとした社会人で、最低限であっても人付き合いも必要で、衣食住を整えないといけない。
本来の機能通り、排出しないといけない。
永遠に繋がったままではいられないのだ。
締め付けから解放され、寂しくてたまらない。
・
埋めたものは奥へ奥へと送り込まれ、頭のさきまで飲み込まれてしまった。
俺たちの肉体はひとつになった。
二度と離れ離れになることはない。
ここでハッと気づくのだ。
それぞれ別個の肉体だったからこそ、せめぎ合いに夢中になれたのだ。
埋めてくるものを逃すまいと、首根っこを締め付け、吸い付いてくる。
吸い尽くされないよう、抜きさしを繰り返す。
届いてはいけない箇所を突いてみては、動きを封じる。
ひとつになれた感動と、身体の芯で繰り返される快感の小爆発。
一体になってしまった俺たちにはもう、経験することのできない感覚だ。
それならば、もう一度二つに分かれてみたらどうだろう。
ひとつになった塊を、まっぷたつに千切るのだ。
そして、かつてのように激しく交わるのだ。
僕たちは、まるで双子のような容姿をしているだろう。
全く同じ容姿の二人が繋がり交わる。
禁断の行為。
今度は、背徳的な行為に溺れる僕たち。
しばらくすると、寂しさに耐えきれずに一個になる。
くっついたり離れたり。
僕たちの遊びは永遠に続く。
(おしまい)
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