【Secret】産卵

 

 

「ひ、ひ、ふー。

ひ、ひ、ふー」

 

「よし、いい子だ。

あともうひとふんばりだ」

 

「ひぃ、ひっ、ふー」

 

ユノはチャンミンの額から流れる汗を、タオルで拭いてやる。

 

ユノの手を握るチャンミンの指の力は、手の甲に爪が食い込むほどだった。

 

「っん...んっ...」

 

チャンミンはぎゅっと目をつむり、ある1点に向けて渾身の力を注ぐ。

 

「いったん、深呼吸しようか?」

 

「ふうふうふう」

 

ユノの目線は、チャンミンの顔と彼の尻の中心とを行ったり来たりと忙しい。

 

チャンミンのお尻の真ん中。

 

桃色の粘膜がいっぱいいっぱい口を開き、硬質な丸いものが出たり引っ込んだりしている。

 

「お尻が...痛い」

 

「どれどれ...。

血も出てないし...うん、大丈夫だ!」

 

「ホントに?

じんじんする」

 

「入れるときはあっという間だったのになぁ。

つるん、って」

 

「やった直後だったからだよ」

 

「もっとくださ~い、ってひくひくしてたぞ?」

 

「ユノの馬鹿」

 

「3分の1は顔出したから。

一気にやっちゃってくれ」

 

「...う...ん」

 

「顔を出してきたぞ。

...力を抜くな。

あ〜あ、引っ込んじゃったぞ」

 

「だって...だって...。

おっきいんだもん」

 

苦し気にあえいで、チャンミンは目尻にたまった涙を拭った。

 

「そりゃそうさ。

世界で一番、大きいんだから」

 

「...苦しいし、やだ...」

 

「じゃあ、そのまんまでいる?」

 

「やだ」

 

「普段、もっとデカいやつ入れてるだろ?

弱音を吐くな。

チャンミンならできる」

 

「一番膨らんでるとこ...がキツイ。

裂けそうで怖い」

 

「よっしゃ。

マッサージしてやるぞ。

...どう?」

 

「今ならイケそうな気がする。

んん~っ!」

 

「頑張れチャンミン!」

 

「んっ、んーっ...っん、んんっ...」

 

「産まれる、産まれるぞ!」

 

「ひ、ひ、ふー」

 

チャンミンはぎゅっと目をつむり、歯を食いしばる。

 

「んーっ!」

 

「あと少し!」

 

ユノはチャンミンの背をさすり続ける。

 

「頑張れチャンミン!」

 

「んん~~~!」

 

 

 

 

 

すぽん。

 

 

 

 

「チャンミン!

やった、やった。

よくやった...!」

 

ユノはチャンミンの頭を引き寄せて、ごしごし撫ぜ、頬にキスの嵐。

 

「はあはあはあはあ...」

 

「チャンミン...凄いよ。

お前は数百億の価値ある卵を産んだんだぞ」

 

お尻の下に敷いたタオルの上に、ぽとりと産み落とされた卵。

 

ユノは卵を人差し指と親指でつまみ持つと、ライトにかざす。

 

「ほぉ...」

 

光の当たり具合でそれは、濃い赤から濃い青へと色を変え、その中間の紫色は一瞬だ。

 

その瞬間を見たくて、ユノは手首を左右にかえして、卵の中で繰り広げられる色の世界を楽しんだ。

 

一仕事終えたチャンミンは、全身を汗で光らせ、呼吸を整えようと深呼吸を繰り返していた。

 

汗びっしょりの首の後ろをタオルで拭う。

 

例の箇所がじんじんする。

 

「...綺麗だ...」

 

ライトに近づけると、強い光線のもとでは不思議なことに無色透明になるのだ。

 

中に数億年前のあぶくが閉じ込められている。

 

「綺麗だなぁ...最高だ。

チャンミンが産んだ卵は...綺麗だ」

 

「馬鹿ぁ。

もう二度としないでよ。

一生、出てこないんじゃないかって、怖かったんだから」

 

「チャンミンの可愛いアソコを見てたらさ、ついつい...」

 

「もおっ!」

 

かあぁぁっと赤くなったチャンミンは、手にしたタオルをユノに投げつけた。

 

「その卵...どうするの?」

 

半身を起こしたチャンミンの視線の先。

 

シルクハットと夜会服。

 

「目的は果たしたから、本来の持ち主に返してやるよ」

 

「目的を果たすって...。

僕に卵を産ませたかった、ってことが?」

 

「うん」

 

「...ユノの変態」

 

「うん。

俺はチャンミン限定で、変態になるんだ」

 

「罰当たりなことをしちゃったね」

 

「どうせこれは、数奇な運命を無数に見てきたシロモノさ。

こんな程度、可愛いものさ」

 

ユノはそう言って、片眼鏡をはめて見せたチャンミンの頭を撫ぜた。

 

 

(おしまい)

 

【Secret】427号室の熱い夜

 

 

店のトイレットで繋がったばかりなのに、全然足りなかった。

 

ここまでの10分がもどかしいほど長く、人目をはばからずの濃厚なキスに、通行人をぎょっとさせてしまう。

 

互いの腰に回した腕をきつく引き寄せているせいで、足取りはまるで酔っ払いのようにふらふら。

 

二人揃ってスキニーなボトムスのため、欲の昂ぶりは明らか過ぎるほど明らかだ。

 

ユノは肩に羽織ったコートで、チャンミンはオーバーサイズのニットの裾を引っ張り下げて隠した。

 

 

 

 

チャンミンをドアに押しつけると、ユノは彼の右脚をすくいあげ、自身の腰に巻きつけさせた。

 

「はあはあはあ...」

 

ユノは薄い生地越しにくっきりと浮かんだそこを、チャンミンのそこにこすりつけた。

 

互いの敏感な箇所だけに、そこを隔てる布の存在がとてももどかしい。

 

「...んん...ふぅふぅ...ん」

 

チャンミンはユノの頬を両手で包み込み引き寄せて、彼の口腔内で舌を踊らせた。

 

顔の傾きを何度も変えて、唇を重ねなおす。

 

ちゅうちゅうと舌と鳴らす湿った音。

 

「...んっ、んっ...」

 

チャンミンの右手はユノの前を握り、その形かたどるように上下にしごいた。

 

繋がるという目的を、店のトイレットで一度は果たしたわけだが、足りるはずがない。

 

狭く汚い場所で、次の客に急かされながら、肝心な箇所だけ出しただけの、性急なものだったから。

 

せっかくのびのびと、ありとあらゆる体位で繋がれる場所に移動してきたのだ。

 

15年ぶりなのだ。

 

前戯に時間をかけてじっくりと、味わい楽しむつもりでいたのに、そんな余裕はないようだ。

 

一刻も早く。

 

揃って細身のボトムスのため、唇を合わせたままスマートに脱がせ合う...というわけにいかない。

 

ブーツのファスナーを下ろそうと片足立ったところでバランスを崩し、尻もちをついてしまったチャンミン。

 

ユノも汗ばんだ肌に張りついてしまったボトムスを下ろすのに、一苦労の様子。

 

早く、早く。

 

気が急いているのもあって、スムーズに脚が抜けずにいるユノのため、チャンミンはボトムスの両裾をつかんで、皮をはぐように引っ張った。

 

「はあはあはあ」

 

よりによって二人とも、自身のシンボルを隠せないスキニーでタイトなボトムスを身についていたのだ。

 

15年ぶりの再会だ。

 

自身を最高に見せる恰好で現れたいといった、彼らなりの可愛い見栄。

 

トイレットで繋がった時に、「あれ?」とユノもチャンミンも、驚いていたこと。

 

「チャンミン...ノーパンかよ...」

「ユノ...パンツ履いていないんだ...」

 

締め付けから解放されたものは斜め上を向き、先端に浮かんだ雫が光っている。

 

「はあはあはあ」

 

二人の興奮は沸点に達した。

 

 

 

 

再び唇を合わせ、ユノは片足にボトムスを引きずったままのチャンミンをベッドへと誘導する。

 

チャンミンは互いのものをまとめて握って、しごいた。

 

「...んっ、ふぅ...ふう...ふぅ...」

 

手の中で熱く脈打つユノのものが、自身のものとぴたりと重なり合っている。

 

片手では握りきれない2本に、チャンミンの鼓動は早鐘のように打つ。

 

早く、早く。

 

全身の血流がそこ一点にむけて集中し、ユノの視界には目前のチャンミンが映るのみ。

 

「はあはあはあはあ」

 

早く、早く!

 

ユノはチャンミンを仰向けに倒す。

 

チャンミンは脚をばたつかせ、片脚にまとわりついていたボトムスを脱ぎ去った。

 

手探りでつかみとったものは、ゴムのパッケージと紙マッチ。

 

紙マッチは枕元に放り投げ、パッケージは口に咥えて開封し、ユノのそそり立ったものに素早く装着してやった。

 

427号室。

 

ドアを開けてから2人は言葉を発していない。

 

聞こえるのは荒々しい呼吸音と水音だけ。

 

早く、早く!

 

チャンミンはユノの腰に両足を絡めて引き寄せる。

 

 


 

 

~ユノ~

 

 

俺の上で、細い腰をなまめかしくくねらす彼。

 

丸眼でふっくらとした涙袋、切なげに下げた両眉。

 

幼い目元に反して、四角い顎は男らしい。

 

腕を伸ばして、胸の先端を摘まんで捻った。

 

「あああんっ!」

 

俺の根元がぎゅっと締め付けられた。

 

電流が走ったかのように、チャンミンの半身がのけぞった。

 

そうそう、チャンミンはここが好きなんだよ。

 

汗で滑る手を、シーツで拭った。

 

腰をつかみ直し、引き落とす。

 

同時に自身の腰を突き上げる。

 

ばちんと互いの肌と骨がぶつかる音。

 

俺のものを、チャンミンの腸壁がうねりながら中へと引きずり込む。

 

万力のように握力が増す入口は、俺のものを食いちぎろうとしているかのようだ。

 

喉を見せて天を仰いだチャンミンは、自身の手首を噛んでいる。

 

俺たちは今、下半身に支配されている。

 

15年ぶりなんだ、仕方がない。

 

貫いても貫いても、まだまだ足りない。

 

甘くスロウに抱くのは、2回目で。

 

まずは荒々しく抱いてしまうのを許して欲しい。

 

 

 


 

 

~チャンミン~

 

僕の両足首を高々とつかみ、スナップをきかせた腰の動き。

 

僕の中は鋭く突かれる。

 

柔和なラインを描く頬、小さな鼻と顎。

 

僕に吸われ甘噛みされたせいで、下唇が赤くぽってりと腫れている。

 

熟れすぎたフルーツみたい。

 

高貴で上品な顔立ちなのに、首から下は隆々と逞しい。

 

ああ、愛しい。

 

黒目がちの眼だけがらんらんと、肉食獣のようだ。

 

繋がり合うそこを手で確かめた。

 

ああ、ユノのものが僕の中に埋められている。

 

こんなに太いものが挿っているなんて...。

 

すっぽすっぽと空気が漏れる音、にちゃにちゃとねばつく音。

 

お店のトイレットで一度注ぎ込まれたもののおかげで、滑りはとてもよい。

 

ユノの鼻息、低い呻き声。

 

僕の女の子みたいな高い喘ぎ声。

 

僕ときたら、さっきから「大きい」「ユノ」「好き」の3つの単語しか発していない。

 

両膝が肩につくまで折りたたまれた。

 

深く挿入したまま、ユノは腰を小刻みに振る。

 

そうそう、そこなんだ。

 

僕の弱いところばかりが断続的に刺激された。

 

「ひゃあ、あ、ああああ、あ、あ...っ」

 

とうとう僕は、言葉を忘れてしまったよ。

 

ユノの濃くて、熱くてものが、僕の奥の奥に放たれた。

 

分かる、分かるよ。

 

くっくっと痙攣するユノの腰に合わせて、どくんどくんと注ぎ込まれるのが。

 

「はあはあはあはあ」

 

僕の上に倒れ込んできたユノを、抱きしめた。

 

僕らは酸素を求めて全身を大きく上下させている。

 

暑い。

 

とても暑い。

 

力が入らない。

 

でも...もっと、もっと。

 

まだまだ足りない。

 

ゴムの空袋を握りしめていたことを、気付いた。

 

ははは、それどころじゃなかったんだよね。

 

ユノは長くしなやかな腕を伸ばして、紙マッチ...僕がさっき放り投げたものを摘まみあげた。

 

ユノを待つ間、僕が燃やしてしまったから、全ての軸がちぎり取られてしまっている。

 

パッケージの裏に、走り書きした部屋番号。

 

 

『NO.427で

-C』

 

 

「もしかして、部屋を取ってたの?」と、ユノは呆れたように言った。

 

「...うん」

 

「俺に会えるとも限らないのに?」

 

「予感がしたんだ。

絶対に会えるって」

 

僕の言葉にユノは、照れくさそうに目を細めた。

 

「...もう1回しようか?」

 

望むところだ。

 

僕は大きく頷いて、ユノの首にタックルした。

 

ユノといっぱいいっぱい、抱き合いたい。

 

 

(おしまい)

 

【Secret】すりー・P

 

 

僕は身を粉にして働いている。

 

自動販売機にジュースを補充する仕事をフルタイムでこなし、週に3日は終夜営業のスーパーで品出しのバイトをしている。

 

アパートの賃料、水道光熱費、その他諸々、食べ盛りが2人もいて...僕の家計は火の車なのだ。

 

あの子たちを養わなければならないからだ。

 

今夜はバイトがない日だから、早く帰れる。

 

あの子たちに美味しいものを買ってやろうと、滅多に寄らないコンビニエンスストアに立ち寄った。

 

小さな節約を重ねてきたから、コンビニのスイーツ(僕にとっては贅沢品)を買う余裕はある。

 

ワッフル生地に生クリームをたっぷりとはさんだものを2つと、「たまにはいいよね...」と、自分用に発泡酒の缶をとってレジに向かった。

 

「さむ...」

 

もう4月末だというのに、ぴゅっと吹き抜ける冷たい風が首元の体温を奪う。

 

ジャンパー(背中にドリンクメーカーのロゴがプリントされている)の襟元をかき合わせ、背中を丸めて家路を急ぐ。

 

足早に闊歩するスニーカーの爪先が擦りきれていて、「そろそろ買い替えた方がいいな...来月の給料が入ったら」と、頭の中で計算をする。

 

繁華街を抜け、幹線道路沿いを20分行って、左折してさらに10分歩く。

 

アスファルトから視線を上げると、僕らのアパートメントの門柱の灯りまであと少し。

 

 

 

 

ポケットから鍵を取り出す間もなく、玄関ドアが開いた。

 

「わっ!」

 

中から伸びた手に腕をつかまれ、勢いよく中に引きずり込まれた。

 

「おかえりー!」

 

力任せにかじりつかれ、その勢いでコンビニエンスストアの袋を玄関のたたきに落としてしまった。

 

「おかえりー!」

 

もう1人が室内から駆けよって、僕の背中にしがみついた。

 

「待って...ジャンパーを脱いでから...手を洗ってから...」

 

なんて制しても、この子たちは言うことをきかない。

 

2人に両手をひかれ、ダイニング兼リビング兼ベッドルームに腰を下ろす。

 

腰を下ろすや否や、背後に回った1人にジャンパーとトレーナーを脱がされた。

 

「待って...待って!」

 

正面の1人はウエストのボタンを外し、ファスナーを下ろす。

 

別の1人に靴下を脱がされ...。

 

「!!!」

 

1人増えてる!!

 

「ストップ!

スト~ップ!!!」

 

僕の鋭い制止に、3人の動きは止まった。

 

「そこに座りなさい!」

 

正面を指さし命ずると...下着だけというマヌケな恰好だったけど...「はい」と言って彼らは素直に応じた。

 

 

 

 

僕は2人の...今は3人になってしまった...男を養っている。

 

ある時、突如ユノという男が僕の前に現れた。

 

最初は1人だけだった。

 

異次元的に、宇宙的に美しい容貌の持ち主で、不思議な言語を話すため、社会に出すわけにはいかない。

 

彼の主食はとても偏っていて、フルーツとスィーツなのだ。

 

だから食費がかさむ。

 

(季節外れのいちごは高い)

 

僕が仕事を掛け持ちして働いているのは、こういう理由だからなんだ。

 

ところが...。

 

ある日、帰宅してみたら、ユノが2人になっていた。

 

彼曰く、愛情が増すとハートのキャパがオーバーしてしまって、2人になってしまったそうなんだ。

 

新たに加わった彼のことを、ユノユノと呼ぶことにした。

 

ユノとユノユノは見た目もキャラクターも同じだから(当然か)、どっちがユノでどちらがユノユノかは見分けがつかない。

 

彼らにしてみたら、どちらもユノでありユノユノだから、呼び間違えても頓着しない。

 

僕のことを2倍に大好きになってくれた証だから、嬉しい。

 

嬉しいよ、嬉しいけど...2人だなんて。

 

真っ先に浮かんだのは食費のこと...それからアレのこと。

 

2人同時だから、最初は痛いし苦しかったけど、毎夜繰り返すうちに慣れてきた。

 

先月からバイトのシフトを1日増やしたばかりなのに、ユノとユノユノとユノユノユノの3人になるなんて...。

 

座布団の上に並べられたカードに、今日はトランプ遊びをしていたんだな、と思う。

 

(3人になれば、大富豪も面白くなるし、もう1人増えればブリッジもできる...っておい!そんな呑気なことを考えている場合じゃない!)

 

「チャンミン、ごめん。

俺たちのために毎日、いっぱい働いてくれて...感謝しきれない」

 

「俺たちのために一生懸命なチャンミンを毎日見てたら...。

じ~んって感動しちゃって」

 

「疲れているだろうに、昨夜のチャンミンは凄い感じてくれて...。

声も凄かったし...。

嬉しくて、昼間、チャンミンのことを想っていたら...胸がキュッとしちゃって...」

 

「俺がもう1人増えてしまった。

ごめん」

 

僕の前で、3人のユノが横並びに正座して、親に叱られた子供みたいにうつむき加減で。

 

そして、3人揃って僕をそぅっと上目遣いで、探るように僕を見る。

 

僕こそ胸がキュッとしちゃうじゃないか!

 

赦してあげたいけど、3人は無理だ、僕の方がキャパオーバーだ。

 

「せめて2人になれないか、3人で話し合いなさい!」

 

この展開に頭がついていかなくて、この夜僕は早々と布団にもぐり込んだ。

 

背を丸めて横になった僕の後ろで、ユノとユノユノとユノユノユノは膝を突き合わせて何やら相談をしているらしい。

 

肩を揺さぶられて僕は目を覚ます。

 

「チャンミン、起きて」

 

陽が昇りきっていない時刻なのと、全身疲労が抜けきっていない僕は当然、不機嫌だ。

 

「何?」

 

前日痛めた腰に顔をしかめながら身を起こした。

 

「...あれ?」

 

ダイニング兼リビング兼ベッドルームの部屋にいるのは、ユノとユノユノの2人だけだった。

 

「もう1人は?」

 

ユノ(又はユノユノ)は、自身の胸を指しながら、「消えたんだ、俺たちの中に」と言った。

 

「そうそう。

昨夜はヤらなかったからね」

 

「は?」

 

「それからね、チャンミンのカッコ悪いところを思い浮かべて気持ちをセーブすることにした。

好きが溢れると、増えちゃうからね」

 

「チャンミンが女の人だったら、3人まとめても可能だったのになぁ。」

 

「チャンミンは穴が1つしかないからね」

 

「女の人でも無理だって!」と、ぞっとした僕は青ざめた。

 

「それにさ、チャンミンはウケ専だろ?

タチもいけるなら3人同時にできたけど、あいにく俺たちはタチ専だ」

 

「そうそう。

やっぱ、2本が限界だな、って。

泣く泣く2人になったよ」

 

3人が2人に減ったということは、1人分の愛情が減ったんだ...と、寂しくなったりして。

 

そんな僕の気持ちを見透かして、ユノ(又はユノユノ)は

 

「大好きなチャンミンに無理をさせるわけにいかないだろ。

だから俺たちも努力することにした」

 

「イチゴは2日に1回にする。

チャンミンが一生懸命稼いだお金で買ってくれた、って毎日思うと感動しちゃうから」

 

「アレも1回につき2回に我慢する。

チャンミンと何回も繋がると、好き度が増してしまうから」

 

「う~ん...」

 

2人の解決方法とはなんとも単純だ。

 

ということは、僕が2人にしてやっている些細なことに、彼らはいちいち感激していた証だ。

 

僕のほうこそじーんと感激してしまった。

 

「チャンミン、これなあに?」

 

ユノ(もしくはユノユノだけど、面倒だからこっちをユノと呼ぶ)の手に、コンビニの白いビニール袋がある。

 

玄関のたたきに落としてしまったままだったのを、忘れていた。

 

「ユノとユノユノのために買ってきたんだからね。

もぉ!

ぐちゃぐちゃになっちゃったじゃないか!」

 

ぺしゃんこになったデザートに、がっかりしていると、ユノは「味は変わらないよ」とかぶりつく。

 

「俺たちのために買ってきてくれるなんて...。

それも、特売シールを貼ったスーパーのやつじゃなくて...。

俺たち...チャンミンのことがもっと好きになっちゃうじゃん」

 

目をうるうるさせているユノユノの背中を、ユノは「セーブしろ!」と叩いた。

 

それから、ユノは僕の下着を膝まで落とした。

 

「美味しいよ」とユノユノはクリームがたっぷりついた口で、僕のものに口づけた。

 

「...んっ」

 

クリームをすくいとったユノの指が、僕の窪みでくるくると遊ぶ。

 

奥も探られ、膝の力が抜けた僕はユノユノにしがみつく。

 

直後に熱いものがぐぐっと後ろから...ユノのものが分け入ってくる。

 

ユノに抱きかかえられた僕は、ユノユノに両足を巻きつけた。

 

「んんっ...!」

 

つむったまぶたの裏で火花が散って、腹の底から強烈すぎる快感の大波にさらわれた。

 

柔軟になったそこは、2人丸ごと受け入れる。

 

僕の身体は2人にゆだねられて、宙を浮く。

 

ゆっさゆっさと2人の間で僕の身体は揺れる。

 

ユノとユノユノは前後を入れ替えて重なり直す。

 

どっちがどっちなんて分からない。

 

僕にとってはユノもユノユノもユノなのだから。

 

2人にサンドされ、僕は涙を流したりよだれを垂らしたりと、それはもう恥ずかしい有様なんだ。

 

イチゴクリームの甘い香りが満ちる中、僕らは1つになる。

 

2人分のミルクを注がれた時には、僕の意識はぶっ飛んでしまっている。

 

風呂場までユノとユノユノに運ばれ、綺麗に身体を洗ってもらう。

 

ユノとユノユノに髪を乾かしてもらい、洋服を着せてもらい、彼らに見送られて仕事に出かける。

 

そして、じんじんするあそこをかばう歩き方に、同僚からいたわりの言葉をかけられるのだ。

 

「変な姿勢でコンテナを持ったから...」と、答えるしかないんだけどさ。

 

 

 

 

日付が変わった早朝。

 

バイトを終えて帰宅してみると、ユノがまた3人に増えていた。

 

「3人は無理だって!」と怒って、この日はお預けにすることにした。

 

僕はもう諦めていた。

 

これからもずっと、ユノたちに振り回され、ユノが全ての日々を送るんだろうな。

 

はぁ、とため息をついた。

 

これは諦めのものじゃない。

 

確かにしんどい。

 

しんどいよ。

 

愛の洪水で、溺れそう。

 

僕は女の人とアレすることが出来ないから、この先子供を持つことはないだろう。

 

でも、僕の存在が彼らを生かしていると思うと、もっと頑張らなくちゃと気合が入る。

 

一生、馬車馬のように働かないと。

 

彼らがまるで、僕の子供みたいだ、っていう意味じゃないよ。

 

とてもエロティックで可愛くて、惚れ惚れするほど美しくて不思議な存在。

 

2人まとめて僕の中に入ってきた感覚を、思い起こす。

 

気持ちがよすぎて意識が飛んでしまった。

 

だからこのため息は、とても幸福に満ちたものなんだ。

 

でも...やっぱり3人は無理だ。

 

 

 

(おしまい)

 

【Secret】復習屋

 

 

「X氏...ね」

 

靴を履いたままデスクにかかとを乗せ、天井を振り仰いでいたユノは呟いた。

 

「許せませんね」

 

憤慨しながらチャンミンは、ユノが散らかしたお菓子のパッケージや食べかすを片付けていた。

 

(やれやれまったく、この人はいつもこうなんだから)

 

「おイタをした奴には、天罰が下る」

 

「どうやって懲らしめましょうか?」

 

「ワルさをしたアソコには、痛~い思いをしてもらうしかないなぁ」

 

「僕らがお縄になるのは嫌ですよ」

 

「分かってるって。

じわ~っとくる、とっておきの方法を思いついたんだ」

 

「毛じらみを仕込む、ってのは無しですよ?」

 

「...チャンミン、お前...。

俺なんかよりよっぽど、陰湿な罰を思いつくんだなぁ」

 

「え!?

そういう系じゃないの?」

 

「ぞっとしてもらった後に、恥ずかしい思いをしてもらうだけさ」

 

ユノの瞳はらんらんと輝き、その唇は斜めに歪んでいた。

 

「決行は...今夜だ!」

 

(ユノは本気だ!

いつだってユノは本気だけど、今回は相当にヤバイ手段を思いついたに違いない!)

 

チャンミンはぞっとして、自身の股間を撫ぜたのだった。

 

 

 

 

目覚めたX氏は、自身が置かれた状況を把握するやいなや大暴れをした。

 

と言っても、両手両足はベッドの4隅に固定され、猿ぐつわを噛まされていて言葉を発せない。

 

せいぜい身震いし、奇怪な声を上げるだけ。

 

巨大な男だった。

 

X氏の足元に、眉目秀麗な青年が二人立っていた。

 

ユノとチャンミンだ。

 

と言っても、キャップを深くかぶり、サングラスとマスク、黒色のつなぎに手袋までしていたため、実際のところは彼らがハンサムなのかどうかはぱっと見には分からない。

 

しかし、小さな頭に高い腰の位置、俊敏な動作から、スポーティな肉体をしていると判断できるだろう。

 

「Xさんよ。

俺たちはあんたには恨みはねぇが、ムカついている。

あんたにひとつ、痛い目に遭ってもらわないといけない」

 

ユノが軽く頷くと、チャンミンはノートPCをX氏の正面に掲げ、ディスプレイに映し出されたものを見せる。

 

X氏のぎょろ目が飛び出さんばかりに、見開かれた。

 

「あんたのために解説しておこう。

これは、ある映画のワンシーンだ。

いわゆる...拷問...じゃなくてお仕置きシーンだ。

主人公に酷いことをしたクソ親父がいる。

ブチ切れた主人公は、このクソ親父を縛り上げて、お仕置きをしてやろうとしてるんだ。

ほら、Xさん、あんたみたいに縛られてるねぇ。

ほら!

主人公が持ってるやつ!

あのぶっといやつを...チャーミー、あれを出せ」

 

(チャーミーって何だよ。

ユノは毎回、任務の度に適当に思いついた名前で呼ぶんだから!)

 

チャンミンは透明ビニールでくるんだ(汚れるのが嫌なのだ)PCをX氏の腹の上に据えると、持ち込んだバッグの中からそれを取り出した。

 

「このぶっといやつを...」

 

ユノはX氏の鼻先で、直径7センチ長さ30センチ強のものをクルクル回した。

 

「このぶっといやつを...いぼいぼがいーっぱい付いたこいつを...」

 

ここでユノは、言葉を一旦切った。

 

「...さて問題です。

主人公はどうしたでしょうか?」

 

(ユノユノのクイズタイムが始まったよ...)

 

チャンミンは首をふりふり、次の準備を始めた。

 

猿ぐつわを嵌められたX氏は答えることは当然できないが、分かっていても恐ろしくて口にできないだろう。

 

「うっわー、これは痛い!」

 

ユノはPC画面を覗き込んで顔をしかめてみせた。

 

(サングラスとマスクが邪魔で、その表情をX氏に見せることは出来ないが)

 

「映画みたいにしてやりたいところだが、これが汚れるのは嫌だ。

これはチャーミーのために用意したものなんだからな」

 

「ええぇ!?」

 

バッテリーにコードを差し込んでいたチャンミンは目を剥く。

 

チャンミンはユノの手を引き、部屋の隅まで連れて行った。

 

「僕が怪我しちゃうじゃないですか!」

 

「チャーミーは俺ので訓練を受けているから、大丈夫!」

 

「嫌ですよ、そんな冷たくて固いものなんて...。

あったかくて、固いのにほどよい弾力があるものがいいんです」

 

「それって、雄々しくそびえるアレのこと?」

 

「うん」

 

「チャーミーが頬ずりしちゃうくらい大好きなアレのこと?」

 

「うん」

 

「ふふふ」

 

X氏の呻き声で二人は、任務中であることを思い出した。

 

「おほん。

話を戻そう。

主人公は次に何をしたか?

ここからが凄いぞ~。

チャーミー、あれを出せ」

 

チャンミンは頷き、PCを操作して次のシーンを再生する。

 

それを目にしたX氏は、巨体でマットレスを揺らす。

 

チャンミンは透明アクリルのシールドを顔面に装着し、バッテリーにつないだ機械の電源を入れた。

 

その手には、歯科医が使う電動ドリルのようなものがあった。

 

「これはね、Xさん。

入れ墨を彫る機械なの。

主人公はね、クソ親父の腹にとんでもない文句を彫ったんだよねぇ...。

でかでかと」

 

猿ぐつわの下でX氏の顔が、恐怖と興奮で赤黒く変色している。

 

「さて...なんて彫ろうかなぁ?

あんたが犯した悪事を、ずらずら~と書きつらねようかなぁ」

 

ユノはベッドの周りをゆっくりと、行ったり来たりしながらX氏の恐怖を煽る。

 

チャンミンは、高速で回転するペン先をX氏の腹に近づけては、離して見せる。

 

「...と、したいところだが。

怪我をさせたら俺たちが悪者になっちゃうから、入れ墨を彫るのは止めておく」

 

X氏の全身からどっと力が抜けた。

 

「あんたにはこれからちょっと、おネンネしてもらうよ。

注射がいい?」

 

X氏は頭を横に振っている。

 

「だよね。

俺たちも注射は怖い。

薬を飲んでもらいたいけど、あんたの猿ぐつわをどかさないといけないでしょ?

手が汚れるから嫌なんだよねぇ...」

 

その後のユノの動きは俊敏なヤマネコのようだった。

 

プスリ。

 

ユノとチャンミンは、X氏を見守る。

 

X氏の両目が閉じ、呼吸が規則正しいものとなるのを確かめると、顔を見合わせて大きく頷いた。

 

 

 

 

「ホントはなぁ、もっと派手なことをしてやりたかったんだけどなぁ...」

 

「まーね。

防犯カメラを全部潰しきれてないかもしれないし。

捕まりたくないですもん、あんな奴のために」

 

「こんなんであの人の傷は癒せないけどさ。

ちょっとは気が晴れてくれたら、って願うよ」

 

「うん」

 

チャンミンが差し出した手を、ユノはぎゅっと握りしめた。

 

「チャーミーの作ったあのマシンは凄かった。

力も速さもカラクリも...全部すげぇよ」

 

「突貫工事だったから、ちょっと心配だったけど。

チャーミーって呼ぶのはもう止めて!

...あっ!

戻って来ましたよ」

 

二人が乗ったバンの真後ろに、帰還したスーツケースが停止した。

 

 

 

 

防犯カメラは捉えていた。

 

人通りの全くない通りを、ストレッチャーが横切った。

 

押す者のいないその上には、四肢を固定された男が寝かされている。

 

広場中央に停車したストレッチャー。

 

男を固定していたベルトが自動で巻き取られ、次に電動音を立てながら寝台の片端が持ち上がった。

 

過重量なのか、モーター音がうんうんうなっている。

 

ストレッチャーがかしいで倒れる...間際で、男の身体はアスファルトの上にどさり、と落ちた。

 

男はぐうぐうと眠ったまま。

 

男を下ろしたストレッチャーは、寝台を4つ折りにし、脚を収縮させ、小型のスーツケース型に変化した。

 

そして、元来たルートを戻って行った。

 

 

 

 

「朝になったら、あら大変」

 

「駅前は大騒ぎ。

裸のおっさんが大の字になって、寝っ転がってるの」

 

「きゃーーー!

だね」

 

「おっさん、捕まっちゃうよ。

わいせつぶつなんじゃらほい、で」

 

「ひゃ~~~!」

 

「やり方がぬる過ぎて、歯がゆいけど仕方がない。

あのおっさんも、何でこんな目に遭ったのか、意味わかってなさそうだし」

 

「でしょうね」

 

「こっぱずかしい思いをしてもらう程度だけど、やらないよりマシか...」

 

「ふわぁぁ...眠い」

 

フロントガラスの向こう、周囲の景色が薄青くなってきた。

 

「徹夜だったからね。

早くおうちに帰ろう!」

 

「ったく、あのおっさん、牛みたいに重いんだから!

俺の腰が...死んだ」

 

腰をとんとんと叩くユノに、チャンミンは「湿布を貼ってあげるよ」

 

そう言ってユノのおでこにチュッとキスをすると、エンジンをかけた。

 

 

 

(おしまい)

 

 

【Secret】蛇

 

 

僕はシャワーを浴びていた。

 

頭上から降り注ぐ熱いお湯が、一日の労働で強張った首や肩をほぐしてくれて、とても気持ちがいい。

 

真っ白なタイルを踏む僕の足は、血色よく染まっている。

 

「ひっ!」

 

視界をかすめたものに、僕は硬直する。

 

髪をかきあげた手が止まった。

 

恐怖が喉を締め、僕は呼吸を忘れた。

 

とぐろを巻いていたのが鎌首をもたげ、僕と目を合わせた。

 

ずるりずるりと、僕に忍び寄るそれ。

 

くねくねとくねらせて、僕を狙って近づくそれ。

 

青光りする銀色のうろこが、ぬめぬめと。

 

ゆっくり蛇行して、僕を目指している。

 

それの眼は漆黒だった。

 

魅入られた僕は、身じろぎせず、それの到着を待つ。

 

「...あ」

 

二又の赤がちろりちろりと、僕の小指をくすぐった。

 

固く引き締まっているのに、弾力ある筋肉の鞭が僕の足首をかする。

 

螺旋を描いて、ずるりずるりと僕の膝を上昇する。

 

繁殖力凄まじいつる草のように、僕の右足を巻きつくそれから、目が離せない。

 

「あ...」

 

内股の皮膚を引きずられて、ぞくりと寒気が下腹を襲う。

 

それは柔らかく過敏な中心を探している。

 

緩んだ瞬間を狙って、それは割れ目にこうべを埋める。

 

僕のそこは、既にパクパクと口を開けて待っている。

 

「ああ...っ」

 

侵入してきた固く引き締まったそれ。

 

強烈な痺れが背筋を貫く。

 

それは中で円を描きながら、奥へ奥へと突き進む。

 

「...ん...はっ...」

 

それが身をくねらすごとに、僕は喉を反らして高い悲鳴を漏らす。

 

いつの間に、それは僕の腕ほど太く膨れ上がっていた。

 

それの胴身は、僕の両膝をきつく締め付けている。

 

僕の中で、うねりくねらすしなかやかな身体。

 

僕の内壁もうねりながら、それを締め付ける。

 

...と、それは一旦、頭を引き抜いた。

 

鎌首が僕の弱いところを刺激して、その瞬間視界が真っ白になる。

 

間髪入れずそれは、獲物を狙うかのように、僕の穴倉に飛び込んだ。

 

「...んあっ...!」

 

限界まで開いた入口をみしみしと、さらに引き延ばしながら僕の中に入ってくる。

 

それは管の中でのたうって、僕の胃袋を目指している。

 

僕の中は、それでいっぱいに埋められる。

 

胃に達したそれは、いずれ僕の喉から顔を出すかもしれない。

 

恍惚の大波にさらわれた。

 

腰の力が抜け、鏡に両手を付いて半身を支えた。

 

「...ん」

 

滑らせた手の平で曇った鏡が拭き取られ、うっとりと色に酔う僕が映し出される。

 

「どう?」

 

耳朶に熱く吐息がかかる。

 

「いい。

すごく...いい」

 

鏡の中の、美しいその人と目が合った。

 

僕をぞくりとさせる、低くて優しいその人の声。

 

青みを帯びた、つやつやと濡れた瞳。

 

この一対に射すくめられた僕は、蛇の前の子ネズミのようになってしまうのだ。

 

その人の腕に後ろから、僕の腰は抱かれていた。

 

背中を押され、僕は深く身を屈めた。

 

肌と肌が打ち合う音。

 

シャワーが降り注ぐ中、バスタブをつかむ僕の指が白くなる。

 

その人に刺し貫かれて、僕は甘い悲鳴をあげる。

 

僕の腰に巻きつく腕に、じわりじわりと力がこめられる。

 

その人に丸飲みにされるのか。

 

僕がその人を丸飲みにするのか。

 

その人のものを、蠢く穴奥へと飲み込みながら、どちらなんだろうと僕は考えていた。

 

 

 

(おしまい)