【ミンホVersion】
ユノの片手は、チャンミンのみぞおちまで落とされた。
ところが、チャンミンはその手を握って捉えると、自身の腰に巻きつかせた。
「?」
「ユノはじっとしていて」と、チャンミンは唇を合わせたまま囁いた。
チャンミンの右手はユノの胸を揉むように撫ぜた。
手の平が感じる、ほどよい弾力。
(へぇ...ユノって、華奢なタイプに見えたのに、意外と筋肉ついているんだな)
揉むかたわら、チャンミンの指はユノの胸先をとらえていた。
「ユノのここ...柔らかかったのに...」
「...え?」
「ユノのここ...女の子のみたいに...」
チャンミンの指の腹で転がされ、ユノのそれは硬さを増してゆく。
「やわくてふっくらしてて...それなのに」
ユノの胸先を強弱つけて摘まんでは、引っ張った。
「んんっ...」
(待て待て。
あんたの触り方...エロい)
「硬くなってきた」
「...やっ...あ」
チャンミンは摘まんだ二本の指を擦り合わせた。
「んっ...あ、は」
(俺...ここが弱かったっけ?
知らんかった)
自身の全神経がチャンミンの指にいたぶられた一点に集中し、そこから走る電流が足の付け根の緊張を高めてゆくのだ。
ユノの掠れた喘ぎ声に、チャンミンは勢いづいてしまうのだが、戸惑ってもいた。
(初めてなのに、ユノを前にすると、自然と身体が動いてしまう。
なんだろ。
自分が自分でないみたいだ)
「次は舐めてあげようか?」
「!!」
ユノの下唇を食んでは、ひとことひとこと、言葉で煽るチャンミンだった。
「っああっ...」
「ユノは男なのに、そんな可愛い声、出すんだ」
「ば、馬鹿!」
(チャンミン!
どうしちゃったんだよ!)
普段のチャンミンとのギャップにユノは驚かされ、最初はキスや愛撫から気が反れてしまっていた。
ところが、女性の胸のように扱われ、次第にドキドキと胸が高まってきたのだ。
ユノの口内で踊っていたチャンミンの舌が、今度はねっとりとスロウな動きになっていた。
(キスも...エロい、エロいぞ!)
「ここ。
触られて...どう?」
「...そこっ...ダメっ...ダメみたい!」
(くすぐったいのに、ゾクゾクする!
...俺って、ここが弱いみたいだ。
それに、この感じだと、予想通りの流れになってしまいそうだ)
「どう?」
「っんん!
ダメだ、ダメだって。
そこばっかは!」
(ユノが可愛い!)
ユノの胸先ばかり攻めて、その反応を楽しんでいるらしいチャンミン。
チャンミンの手を払いのけるたび、執拗にチャンミンの手はユノの弱いところにリターンしてくるのだ。
爪でひっかいてみると、喉をみせてのけぞった。
小さな1点をなぶられただけで呼吸を乱すユノの姿に、チャンミンの欲は炎をあげる。
ユノの方も、自身の甘く切なげな声に、「俺って...可愛い声を出すんだな」と新鮮な気持ちを抱きつつ、その喘ぎ声に煽られてゆく自分に驚いていた。
(この流れ...イヤじゃない。
チャンミンに好きにされる感じ...イヤじゃないぞ)
チャンミンは唇を、ユノの耳の下から喉元、そこから鎖骨へと落としていった。
わずかに開けた唇から舌をのぞかせ、舌先でつつつ...っと、ユノの肌を味わった。
ユノの全身に快感のさざ波が伝播してゆき、肌が粟立った。
(ぞくぞくする!)
チャンミンの舌はユノの谷間をたどり、ようやく敏感な1点に到達すると、すかさずきつめに吸い上げた。
「んんっ!」
(ユノの低いのに、甘くて可愛い声...色っぽい)
(...チャンミンのえっちは、攻めな感じになりそうだ。
YKさんも情熱的っぽいから、さぞかし盛り上がったえっちをしていそうだ。
そんなの...嫌だ!)
「なあ、チャンミン」
「ん?
痛い?」
チャンミンはユノの胸先から唇を離した。
(しまった...。
夢中になり過ぎたかな)
「痛くない、痛くないけど...」
「よかった」
安心したチャンミンは、ユノのもう片方を味わおうとしたところ、ユノの手によってそこを覆われてしまった。
「嫌だった...?」
(しつこかったかな)
「あのさ、俺。
もう一個、チャンミンに言いたいことがもう一個あるんだ」
「どうしたの?」
先ほどまでの攻めの態度から一転、普段の不器用で優しいチャンミンの口調だった。
「えっと...俺、そっちは初めてなんだ」
「そっち...」
「俺はあっちなんだ」
ユノの言葉の意味が分からず、チャンミンはしばし沈黙した。
「あっち...?」
「あっちは『攻め』
そっちはその逆って意味だよ」
「...ああ!」
理解が追い付いたチャンミンは、ふうと大きく息を吐き、ユノを力いっぱい抱き締めた。
「優しくするから...安心して」
「!!」
(チャンミン!!
なんて台詞!)
「僕も初めてだけど、ユノのこと大事にするから。
優しくするから、ね?」
「...チャンミン」
(感動するんですけど)
チャンミンもユノも感じ取っていた。
やわらく押しつぶされていた前が、むくむくと堅さと長さを増していって、跳ね返さんばかりになっていることを。
(よかった)
特にユノは、ノンケのチャンミンが男の身体でどこまで興奮してくれるかを、気にかけていたから、心の底から嬉しくなった。
興奮の度合いを物理的に肌で...それも、最も敏感な箇所で...如実に表れて、意志の力ではごまかせない箇所で...感じ取ったことで、いよいよスイッチが入った。
「ねえ、チャンミン。
チャンミンの元気なとこ...触ってもいい?」
「ええっ!?」
「それ...触ってもいい?」
チャンミンの慌てた反応に、ユノは心の中で吹き出した。
(可愛いなぁ。
攻めてはみるけれど、恥ずかしがるキャラクターもちゃんとあるんだ。
安心したよ)
ユノはチャンミンの背中から前へと、その手をじりじりと移動させた。
それから、チャンミンの手をユノ自身に誘導した。
(つづく)
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