~チャンミン~
僕はお兄さんといると、どうしようもなくえっちで変態な男になる。
お兄さんの家には洋服や靴、バッグを収納する部屋があり、正面の壁に長身のお兄さんよりも高く、両手を広げた以上の幅がある大きな鏡が掛かっていた。
今日のえっちはここに決めた。
「お兄さん!」
僕に呼ばれて顔を出したお兄さんを前に、シャツをめくって下腹を見せたり、乳首を摘まんだり、既に痛いほどに勃ったおちんちんをハーフパンツの上から撫でさすってみせた。
「あっ...は」
自らの愛撫でも、腰が揺れてしまう。
お兄さんは唇をぺろっと舐め、口角だけ上げた悪い笑顔になり、その瞳はぎらついていた。
狂暴なケモノを前にした子羊となった僕は、恐怖と期待感でお腹の底からゾクゾクしてきた。
お兄さんは部屋の入り口から動かず、僕をニタニタ笑いで見つめているだけだ
「服...脱げよ」
僕の大好きな、低く掠れた声だ。
普段のお兄さんが、えっちなお兄さんへと切り替わった証拠だ。
「......」
「脱がないと挿れてやらない」
「...困り、ます」
お兄さんの囁きは、僕にとって抗えない呪文だ。
自動的に身体が動く。
脱いだTシャツとハーフパンツを床に落としたが、お兄さんは不満げに首を振った。
僕は頷き、最後の1枚を脱いだ。
暖房のよく効いていない衣裳部屋で、鳥肌だった胸で2つの乳首は固く小さく尖っていた。
お兄さんは全裸で突っ立った僕の側へ大股で近寄った。
そして、僕の顎をつかむと噛みつくようにキスをした。
「...はぁ、っく...ふっ、はぁ、はぁ...」
僕はお兄さんの首にぶら下がり、右に左にと頬を傾け直す彼の荒々しいキスについていくのに必死だった。
口内が快感で痺れはじめた頃、お兄さんは突如唇を離した。
かと思うと、お兄さんはいとも簡単に僕を四つん這いにさせた。
「!!」
乱暴に割ったお尻の中心によだれを落として潤いを足そうとした。
「これ...準備してました」
鏡の脇に用意しておいたチューブを指さした。
「エロに関して抜かりないなぁ。
さすがどスケベだ。
チャンミンの頭ん中はセックスのことしかないんだろう?」
「そんなんじゃ...ないっ...」
お兄さんは微笑むと、僕の耳元に顔を寄せて囁いた。
「大嘘つきものめ」
お兄さんの熱い吐息が耳たぶと耳の穴に吹きかかり、鳥肌がたった。
今日のえっちは僕がリードするつもりでいた。
それは、お兄さんは寝っ転がっているだけでよくて、またがった僕が唇、舌、手...そして、アソコを使って気持ちよくさせる。
目の前にあるこの大きな鏡に映る姿...僕に自由にされる姿...を見て興奮してもらいたかったんだ。
お兄さんのペースに流されそうだけど、今ならまだ僕のペースに戻せるかもしれない。
僕は跳ね起きて、お兄さんを肩を押して仰向けにし、彼にお尻を向ける格好でまたがった。
お兄さんのスウェットパンツにくっきり浮かんだおちんちんを、こしこしと生地の上から擦り、ズボンの上から甘噛みした。
「んっ」
こんなちょっとの刺激でお兄さんの腰が震えるものだから、張り切りたくなる。
じりじりとスウェットパンツを下ろし、ウエストゴムに阻まれて折れ曲がったおちんちんの根元にキスをした。
苦しそうで可哀想なおちんちんを自由にしてやり、びょんと飛び出したものを咥えるかと思いきや、何もしない。
お兄さんを焦らそうと、彼のおちんちんをじっくりと観察した。
舐めるように、浮き出た太い血管や色、シワや質感を観察する...もちろん、舐めたりしない。
シカンっていうプレイのひとつらしい。
先っぽから透明な雫が浮き出てきた。
お兄さんが興奮している証拠に、僕は嬉しくなった。
口の中に放り込みたいけれど、お兄さんを焦らす作戦の途中だから、ぐっと我慢する。
代わりに垂れ落ちたとろみを指ですくい、その指をしゃぶった。
「ぺちゃ...ちゅっ、ちゅっ」
指をおちんちんに見立てて、いやらしくしゃぶった。
鏡へと視線を誘導した。
鏡には、僕に馬乗りにされおちんちんを大きくさせているお兄さんが映っている。
僕はあの店で、数えきれない客たちの相手をし、彼らの興奮をかきたてるために数々のテクニックを駆使してきた。
その道では所謂、プロなのだ。
それならば、お兄さんとのエッチの時、その手腕をムカシトッタキネツカで発揮できるはずだ。
ところがそれが出来ないのだ。
お兄さんと肌を合わせると、僕の過去は浄化され薄汚い行為の記憶は遠のいてしまう。
大好きな人とひとつに繋がり合い、滅茶苦茶気持ちいいことをしたくて、我慢できずにおねだりしたり、大好きな人に辱められたくて、変な恰好をすることが大好きな僕。
でも、『犬』だった経験がそうさせたわけじゃないということを、お兄さんなら分かってくれているよね。
僕がえっちが好きなのは、『犬』の過去は全く関係ない。
お兄さんとのえっちが大好きだから、僕はいくらでもえっちになれるってだけだ。
こうやって、お兄さんを恥ずかしがらせようと今、頑張ってはいるけれど、上手に煽ることができているかどうか自信がないんだ。
昔どうやっていたのかなんて...頭も身体も覚えていない。
今この時、お兄さんのおちんちんを握る右手。
これはもう『犬』の手ではない。
大好きな恋人を愛する、恋人の手なのだ。
鏡に映るお兄さんとバチっと目があった。
お兄さんは口を半開きにさせて、「欲しい欲しい」と乞う眼で鏡の中の僕を見ている。
ふふん、と余裕めかして笑ったところ...。
「ああっ!」
勢いよく半身を起こしたお兄さんは、僕を羽交い絞めにしたのだ。
そして、僕を後ろから抱っこすると、鏡に向かって両膝を左右大きく開かせた。
「...っ」
「チャンミンの穴...ヤッてもいないのにもう口を開いていないか?」
「だって...」
そうかもしれない。
お兄さんをいたぶっているうちに、「お兄さんのを挿れて挿れて」とお尻の奥がウズウズしてきたから。
「さて、と」
お兄さんは床に転がっていたチューブを取り上げ、キャップを口に咥えて開栓した。
「さあ、始めようか?」
と言うと突然、お兄さんはチューブの口を直接、僕の入り口に突き刺した。
「うそっ...!」
突き刺したままチューブを絞り、僕の中に中身を注入してゆく。
「やだ...やだ...!
やだやだっ!
やめて、やめてよ、お兄さん!」
お兄さんは僕の「やだ」を無視している。
「えっ...!?
全部!?
やだっ...やだ、やだぁ!」
両脚をバタつかせると、「愛してる」なんて囁かれるんだ。
お兄さん、それは反則だよ。
大人しくなるしかない。
僕の後ろは徐々に圧迫感で苦しくなった。
「よーし、全部入った」
「やだ...苦しい」
力を抜いたら漏れ出てしまう。
「挿れるよ?」
「えっ、えっ...あ、ああぁぁぁぁぁぁ!!」
返事をする前に、ずんと一気に貫かれたのだ。
満タン状態だった中にお兄さんのおちんちんが挿入されて、お腹の中ははち切れそうだ。
何度も何度も突かれるうちに、逆流する苦しい感覚が気持ちいに変わっていった。
お兄さんのおちんちんが引き抜かれるごとに、僕の穴から熱いゼリーが内腿に滴った。
その溢れ出る感じも快感だった。
ぴょんぴょんとお兄さんの上で跳ねる僕。
「チャンミン...見ろよ
繋がってるところ...丸見え」
「はい」
お兄さんのおちんちんが、僕のお尻に深く突き刺さっている。
僕のおちんちんはピンと上を向いて、ピストン運動に合わせて上下に揺れている。
生々しくいやらしい光景だった。
パンパンと、僕らの肌が打ち合う音。
「...っ。
...チャンミンっ...尻の力を抜けっ」とお兄さんは呻いた。
僕じゃなくて、お兄さんのおちんちんが大きくなり過ぎたせいですよ。
下半身が溶けてしまいそうだった。
(つづく)
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