<11月某日>
H回数:1,999回
(昨夜なし。
ユノは『ぶちかます』と宣言していたけれど、
昨夜観た映画が馬鹿馬鹿しすぎて、色っぽい雰囲気が消えてしまった。
ほんっとーにくだらない映画だったんだ)
世の中、セックスレスに陥っているカップルは多いときく。
僕らは多い方なのか、少ない方なのか。
【メモ】
ユノに訊いてみること。
〆切が過ぎれば、気持ちに余裕が出てくるだろう。
無事、原稿をおさめた日は、ユノを襲おう。
・
【昨夜ユノと観た映画】
死霊の盆踊り
(『死霊のはらわた』と間違えて借りてきてしまったのだとか)
ユノ
「すげぇな...演技が酷すぎる!」
同感
ユノ
「めちゃくちゃなストーリーだなぁ」
同感
ユノ
「なぜ墓地で裸で踊る?
演技しながら、『変だぞ?』って疑問に思わなかったのか?」
僕に訊かれても困る。
罰ゲームのように、酷すぎる作品だった。
延々と裸踊りを見せられて、食傷気味。
(女性の裸に反応しない我らに祝杯をあげる。
マッチョの裸踊りを見たいかどうかと訊かれたら、『見たい』と僕は答える)
【メモ】
次回こそ、『死霊のはらわた』を借りてくること
ユノったら...ジャケット写真で分からなかったのかなぁ。
・
5:00起床。
寒い。
布団から出るのに気合がいる。
ユノ、休み。
廃品回収の日。
寝ているユノを1分間眺める。
(ユノは永久脱毛したおかげで、髭剃りの手間がない。
つるつるすべすべお肌。
だから、毎朝天使の寝顔を見せてくれる。
じょりじょりする自分の髭を撫ぜる。
僕はこのままでいいや。
ユノにしか見せないんだから)
ユノの髪が伸びている。
【メモ】
散髪代を渡すこと
・
午前7時から
地区の廃品回収
公民館前の駐車場に集合
(資源ごみの収益で、公民館の備品を買ったり、イベント資金にするのだとか。
僕らは新参者で、少数派カップルでもあるから、可能な限りイベントに参加するようにしている。
人付き合いは得意な方じゃないけれど、居心地良い環境作りのために、努力はしないと。
理解はしてもらうのは難しくても、陰口の頻度は減るんじゃないかなぁ、って。
堂々としていられるには、あと20年は必要かも。
僕らは揃ってガラスのハートを持っているのだ)
■ユノの担当(力仕事)
各家から集められた新聞紙、雑誌、段ボールをトラックに積む
力仕事のせいで、暑くなったユノはジャンパーを脱いでいた。
半袖になって逞しい二の腕を見せつけてる。
(面白くない)
■僕の担当(炊き出し)
参加者にふるまうぜんざいを大鍋いっぱい作る。
僕はお餅を焼く係。
(これが本当の焼き餅だ...と思った直後、後悔する)
ユノのカッコよさに、女性たち(下は5歳、上は90歳まで)の目がハートになっている。
調子にのっているユノにムカムカする。
トイレに立ったユノの後をつけて、ぶすっと指浣腸してやる。
・
午前11時には終了。
商店街の喫茶店でランチを食べる。
店主は愛想悪いし、グラスが空になっても気付かない。
厚焼き玉子焼きを挟んだサンドイッチが美味しいのだ。
ユノはナポリタンスパゲッティ。
【ユノへの質問】
僕らのアレの回数は平均的なのかどうか訊いてみた。
ユノ「コンドームメーカーがしたアンケート結果によると、
世界で最も多い国では、年138回だ。
ところが、ある国では年24回だ。
俺たちは何回だ?」
こういう時に、僕の記録が役立つのだ。
僕「15年間で約2,000回。
1年130回くらいかな?」
ユノ「年で割ってみると、案外少ないんだなぁ。
最初の頃はほぼ毎日やってたよなぁ。
ひと晩に3回は当たり前だったし。
ということは...!?」
僕「近年の僕らは、頻度が減ってきてるってことか」
ユノ「まずいな...」
・
僕らは大急ぎでランチをお腹におさめ、家まで走る。
・
只今、18:00
夕飯どきの時間だけど、だるくて布団から出るのがおっくうだ。
午後いっぱい、ベッドで過ごした。
【詳細】
玄関・・・指
お風呂・・・アソコの準備を二人で
脱衣所・・・お口
ベッド・・・本番①
休憩
ベッド・・・本番②
休憩
(今、ここ)
・
僕らは若くない。
限りある精力。
イってしまったら回復までに時間がかかるから、イクギリギリで寸止めする。
前戯を楽しむ余裕が出てきたのも、30代になってからかなぁ?
90歳まで生きたとして、僕らはあと何回出来るのかなぁ?
前年比95%じゃ多いかなぁ。
いや、逆に105%で計算してみようか?
・
【買い物メモ】
・小豆の缶詰
・切り餅
-ぜんざいを作る
・酸素漂白剤
-シーツを汚してしまった
明日もユノ、休み(やったー)
<11月某日>
H回数:祝2,001回
(昨日、昼下がりのHを2回)
ユノ、休み。
二人そろって寝坊。
よい天気。
【朝食】
・トースト
・ゆで卵
・コーヒー
シンプルイズベスト
・
午後
ユノと街へ出かける。
ユノが散髪に行っている間、僕は洋服を見て回る。
ユノに似合いそうなパーカーを見つけたけれど、値段の高さに止めておく。
(僕らは体型がとても似ているので、洋服をシェアすることが多い)
僕のパンツの生地が薄くなってきていることを思い出し、パンツを購入。
(ユノに引っ張られたり、乱暴に下ろされているせいで、ゴムも緩い)
(ユノのパンツは先月買ったばかり)
クリスマスまであと一か月。
何を贈ろうか今のうちから考えておかないと。
今月末に入金予定の原稿料で買うこと。
(来月から連載が1本増える。
大人向け小説サイトでの掲載が決まったのだ。
閲覧数に応じて原稿料が決定されるシステム。
ちなみに僕のペンネームは女性名だ。
15年前、ある失恋をきっかけに、「よし、小説家になろう」と心に決めたのだ。
まだ、ユノと付き合っていなかった頃だったはずだ)
・
【帰りの電車の中で】
〆切が迫っている『恥辱の学生服』について、ユノに相談する。
・
『恥辱の学生服』
高校生に道具は早いので、何か違う方法を考えないと!
いいアイデアが浮かない。
僕の頭の中で、男子高校生Qと教諭Zと、養護教諭(♀)が、僕の指示を待っている。
とっとと次の行動を決めてくれ、とイライラしながら待っている。
教諭Zに嫉妬させるために、高校生Qと養護教諭(♀)が結託するのはいいけれど、この二人はライバル同士。
嫉妬させてどちらかを選ばせる戦法なのか?
教諭Zが養護教諭(♀)婚約している設定は、面白いかなぁと思ったけれど、話が膨らまないんじゃ話にならない。
・
思い切って、イチから書き直すことにした。
タイトルは変えられないから、主人公が高校生設定はそのままに。
〆切まであと3日。
間に合うか?
明日から頑張ろう。
・
【18:00夕食】
録画していたテレビ番組(ホストにハマる女たち特集)を見る。
ユノ「担当ホストに全財産を捧げるのは、恋愛感情だけじゃないんだなぁ」
僕「担当ホストをその店の一番にしてやりたい。
その為に、死にもの狂いでお金を用意する。
ナンバーワンになる夢を、客はホストと一緒に見るんだね」
ユノ「俺が感心したのはね、
身体をはる仕事をしたり、貯金をはたいて...人によっては、借金までして。
女の子たちは必死になって店に行くんだ。
彼女たちに謝ったら絶対にダメだって。
『僕のために無理させてしまってゴメン』
なんて謝ったらダメだって。
なるほど~って思った」
僕「先輩ホストが新人ホストに叱ったってとこだね」
ユノ「謝ったりなんかしたら、お客さんに失礼だって。
『ありがとう』って言って、最高の接客をしろ、って。
はあぁ...プロの世界だ」
(ユノは今も昔も変わらない。
似たような会話を、実は15年前にもしているのだ。
きっと、ユノは覚えていないだろうけど)
僕「金をかければかけただけ、大事にしてもらえる...。
「所詮、金かよ」って寂しい気持ちになるけど、世の中その通りだよねぇ。
明朗快活で分かりやすくていいなぁ」
ユノ「ホストって、女好きのチャラい奴がなりたがる職業かと舐めていたけど、俺が間違っていた。
チャラいだけの奴じゃなれないよ。
頭の回転がよくて、タフな精神力と細やかな神経、頑丈な身体。
見た目はよいにこしたことない」
僕「ユノなら売れっ子ホストになれるね」
ユノ「うん、なれると思う」
この後、軽い言い争いになる。
・
明日から3日間。
僕は仕事の鬼になる。
一切の家事はしない、とユノに宣言した。