(14)Hug

 

 

 

~ユノのプラン~

 

 

チャンミンのうなじを引き寄せて、最初は軽いキス、次は舌をからめる深いキスをする。

 

チャンミンを抱きかかえて、優しくベッドに横たえて彼の上に覆いかぶさる。

 

チャンミンのパジャマのボタンを焦らすように一つ一つ外していくと、チャンミンはすごく恥ずかしがって、そんな彼が可愛らしくて。

 

俺はチャンミンの全身すみずみまで、ついばんで、触れて、擦って。

 

俺がタッチするたび甘い吐息を漏らすチャンミンは、俺の首にしがみついてくる。

 

チャンミンのあそこを...あそこを、爪で傷つけたりしないよう(ちゃんと短く切ってあるよ)、俺は細心の注意を払う。

 

チャンミンをもっと気持ちよくさせて、ふわふわに柔らかくなるまで愛撫する。

 

俺の方はもちろん、いつでも準備OK、角度と硬度は共に絶好調。

 

チャンミンの耳元で「挿れるね」って囁くと、チャンミンは「うん」って頷くんだ。

 

この後は、恥ずかしいから省略。

 

スタートはバック、次は正常位から。

 

途中に3種類くらい違うのを挟んで、バックでフィニッシュ。

 

チャンミンったら、途中で泣いちゃったから、俺はぎゅっと抱き寄せて髪を撫でるんだ。

 

...っていう流れのはずが!

 

俺ときたら、何かを間違えてしまったみたいだ!

 

 


 

 

「......」

「......」

 

(ど、どうしよ)

 

下着だけになったユノとチャンミンは、2人並んでベッドに腰かけていた。

 

照明を消したため、互いのシルエットがぼんやり判別できる暗さだ。

 

だとしても、恥ずかしくてたまらないチャンミンは、脱いだパジャマを胸に抱きしめていた。

 

(裸からスタートって...余計に恥ずかしいんだけど!?)

 

(さて、と。

服は脱いだ。

で、それからどうする?)

 

ユノは、「よし!」と小さくつぶやいた。

 

(チョンユンホ、男になろう!)※2度目

 

ユノはチャンミンの前髪をかき分け、うなじに唇を押し当てた。

 

ユノの唇の下で、ぴくりとチャンミンが震えた。

 

首筋から顎まで唇を這わせた後、チャンミンの唇をこじ開けて舌をねじこんだ。

 

昼間のキスで、ディープキスの気持ちよさを覚えたユノ。

 

「んんー!」

 

(ユノ!

キスが上手すぎ!)

 

息が苦しくなって(ユノはまだ、スマートな息継ぎの仕方を知らない)唇を放すと、ユノはチャンミンをかき抱いて、2人一緒にベッドに倒れこんだ。

 

「ずっとこうしたかった」

 

カーテンの隙間から外灯の灯りがわずかに届いて、チャンミンの裸身がつくる陰影がぼんやりと浮かんでいる。

 

(う、うう...。

チャンミン...いい身体過ぎ..。

なよっとしてるかと思ったら、細マッチョじゃん!

ドキドキ)

 

横向きに寝転がった2人は、見つめ合う。

 

「うっ...うっうっ...」

 

「チャンミン...泣いてるの?」

 

ユノはチャンミンの頬に触れて、チャンミンの目もとに光るものを拭った。

 

(僕が泣いてどうするんですか?

でも、嬉しくて、あまりにも嬉しくて)

 

「俺はこの時のために生きてきたんだ」

 

「ユノったら...っう...うっ...大げさ」

 

ユノは仰向けのチャンミンの上にのしかかると、チャンミンを押しつぶさないよう肘と膝で体重を支えた。

 

 

 

 

ユノの唇はチャンミンの首、鎖骨を通過していって、「まずは、ここを吸って...」とボタンのひとつを含む。

 

「っふ...!」

 

チャンミンの肌がびくんと跳ねた。

 

(お...お!

固くなってきた!)

 

面白くなってきたユノが舌先でそれをころころと転がすと、チャンミンは「ひゃ...あ...ひゃ...ひ...」と。

 

(変な声が出てしまう...久しぶり過ぎて...!)

 

(か、可愛い...チャンミンの声が、可愛い...)

 

快感を逃すために、チャンミンは立てた両膝をこすり合わせる。

 

不意にじゅっと強く吸引された時、

 

「ああん!」

 

思いがけず大きな声と共に、魚のように跳ねてしまったチャンミン。

 

「しー!!」

 

「...ごめん」

 

 

<規制を回避するため、ほぼ音声のみでお届けします>

 

(チャンミンって...乳首が弱いんだな。

腹なんかびくびくしてるし...。

へえぇ...男でも乳首って気持ちいいんだ...へぇぇ)

 

(ユノ!

おっぱいばかり攻めないで...。

ああぁん...弱いんだからぁ!)

 

胸のあたりでうごめくユノの頭を、チャンミンはやさしく撫ぜる。

 

「ああん!」

 

「ごめん、痛かった?」

 

(乳首に夢中になり過ぎた。

噛んだら痛いよな、やっぱ)

 

(痛くて気持ちよかった、とは言えない)

 

ユノは慌てて唇を離すと、チャンミンの胸に頭を預けてふうっと息を吐いた。

 

互いの素肌が密着して温かく、身体を動かすとさらさらと肌がこすれる。

 

「チャンミンの肌、気持ちいい...」

 

「うん」

 

チャンミンの胸に乗ったユノの頬が、熱い。

 

ユノの耳にはチャンミンの早すぎる鼓動が聞こえていた。

 

ユノはさりげなく手を伸ばして確認する。

 

(よし!

硬度、角度共に合格!

萎えちゃったらどうしようかと思った)

 

(あ!)

 

自分の膝に当たるものにチャンミンは気付いて、安堵した。

 

(よかった。

ユノはちゃんと反応してくれた。

もっとがっつくかと思ったけど...優しいタッチで、意外だな)

 

ユノの手つきはぎこちないが、ひとつひとつの動作がゆっくりと丁寧だった。

 

チャンミンも腕を伸ばして、ユノの背筋に沿って柔らかいタッチで、撫でおろした。

 

「あ...!」

 

ユノの背中がビクッとする。

 

(チャンミン!

思わず声が出ちゃったよ!)

 

(ユノ...可愛い)

 

(次は...?

この次はどうすればいい?)

 

ユノは、日ごろお世話になっているAVのストーリーを思い出す。

 

(酔いつぶれたイケメン上司に、ホテルに誘われた後輩が...。

違うって!

眼鏡をはめたセクシー養護教員に、保健室に誘われた男子高校生が...。

ちょっと似てるけど、違うって!

母親の再婚相手が年下エロメンで、息子と義〇との禁断の関係が...。

こらー!

こらー!

「合体」に至るまでの流れと手順を思い出すんだ、チョンユンホ!

しまった!

早く「合体」してるところを見たいあまり、出だしのところを早送りしてたんだった!

俺の馬鹿馬鹿!)

 

(注)ユノのメイクラブ参考書は、AVが全てである。

 

ぴたりと動きを止めてしまったユノに、チャンミンは不安になる。

 

(やっぱり男同士はイヤだ、って正気にかえったんだ!)

 

「...ユノ?」

 

ところが、ユノの指がそろそろと、チャンミンの下半身に下りていく。

 

(チャンミンのムスコの具合はどうかな...。

お!

お!

おーーー!)

 

(恥ずかしいよー。

『ちっちゃいな』って思ってたらどうしよう!)

 

「......」

 

(固い...。

嬉しいよ、チャンミン)

 

チャンミンは恥ずかしさのあまり、両手で顔を覆っている。

 

(こんなシチュエーション初めてじゃないくせに、まるで初めての時みたいに、ドキドキする!

そろそろ僕も、頑張らないと!)

 

これまで、初めての狩りの様子を見守る親鳥のような心境だったチャンミンは、「よし」と頷くとユノの腰に手を伸ばした。

 

「ひゃっ」

 

チャンミンの指がユノの下着のゴムにひっかけられた。

 

チャンミンが下着を脱がそうとしていることに気付いて、ユノは慌ててチャンミンの手首をつかんだ。

 

「わっ!

自分で脱ぐよ!」

 

「ううん。

僕が脱がせてあげる」

 

「...恥ずかしい...」

 

「...今さら照れなくても...。

ユノのなんて、とっくの前に披露してくれたじゃないか」

 

「!」

 

(いつもと逆の立場は調子狂う。

チャンミンをからかっていたいつもの俺は、どこにお散歩にいっちゃったんだ?)

 

「ユノ...好き」

 

「!」

 

チャンミンは身を起こしてユノを膝立ちにさせると、彼の胸に口づけながらゆっくりと下着を脱がせていった。

 

(おー!

チャンミン...。

舐め方がエロい。

気持ちいい...。

わっ!

吸わないで、力が抜ける...。

チャンミン、凄い。

『経験者』はさすがに違う!)

 

(!)

 

チャンミンの視線は、ユノのあそこにロックオンされた。

 

薄暗い中でも触らなくても、シルエットだけでもよくわかる。

 

(え...!

この子ったら...!

この子ったら...!

身体も大きいけど...なんて立派なんだ!!)

 

 

 

(つづく)

 

 

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