(16)Hug

 

「......」

「......」

 

(わー!

こらっ、こらっ!

俺のモンスターの戦力が消失しかけてる)

 

(大変!

この子意外にナイーブだから、ここで自信喪失されたらいけない)

 

「一回、(ゴム)外そうか?」

 

「...うん...(しゅん)」

 

 

ユノとチャンミンは、互いに腕を絡め合うと、ねっとりとしたキスを始めた。

 

「どう?」

 

「まだ...みたい」

 

ユノはチャンミンのアソコに手を這わせ、チャンミンもユノのアソコに手を伸ばす。

 

(お!

いい感じだ!

...元気が出てきた!)

 

(そろそろ...かな?

マジか...!

さっきより、大きいんですけど...)

 

 

そんなこんなで、仕切り直しがスタート。

 

ユノとチャンミンは熱い視線を交わす。

 

「挿れるね」

 

「うん」

 

(緊張する!)

 

「やっと、この時が来たね」

 

「うん」

 

(いざ『挿入』!)

 

ユノは片手を添えてあてがうと、ゆっくりと...。

 

(キ、キツッ...!!

こんな狭いとこに...!)

 

「んん...んん...ん...」

 

(ヤベー!!!

スゲー気持ちがいいんですけど!!!)

 

(え!

えっ!

ちょっ、ちょっと待って

ユノ、ストップ!)

 

ユノが奥まで突入する前に...

 

「え!?

痛い?」

 

チャンミンの両手で腰を押し戻されたことに、ユノは不安になる。

 

「違う...」

 

(また何か間違えた...のかな?)

 

「痛い?」

 

チャンミンは首を振ると、ユノの耳元でささやいた。

 

「ユノの...大き過ぎて...苦しい...」

 

「!!!!」

 

「そんなに大きい?」

 

「うん」

 

「俺のが立派過ぎるってこと?」

 

チャンミンが頷く。

 

「大き過ぎて苦しい?」

 

チャンミンは頷く。

 

(僕の中が、ユノのでぎゅうぎゅうにいっぱいなんだ)

 

「痛かった?」

 

チャンミンは首を振る。

 

「そうか...大きいか...」

 

(胸アツ)

 

「こんなに大きい人、初めて?」

 

(嬉しくて何度も聞いちゃう)

 

「しつこい!」

 

「止めようか?」

 

(なーんて言って、俺は止めないんだけどね)

 

「馬鹿っ!」

 

「うふふふ」

 

(勇気100倍、ヤル気1000倍!精力10,000倍!)

 

「ユノ、ゆっくり...お願い」

 

ユノは頷く。

 

「チャンミン...大好き」

 

(いざ!)

 

ゆっくりとチャンミンの中へ腰を埋めた。

 

(気持ちいいーーーー!)

 

強烈な快感に、ユノの背中が震えた。

 

(やった!

やった!)

 

ユノの脳裏に、巨大なくす玉が華々しく割られ、紙吹雪と共に『祝・チェリー卒業』の垂れ幕が垂れ下がるイメージが浮かんだ。

 

(チャンミン!

やっと、やっと!

俺たちは一つになれた!)

 

「うっうっうっ...」

 

(ユノ...泣いてるの?)

 

「嬉しい...。

チャンミン、好き」

 

チャンミンは、自分の真上に迫ったユノの頬を撫ぜた。

 

「僕も、ユノが好き」

 

「俺の夢が叶った」

 

「大げさだなぁ」

 

チャンミンは、ユノの頭をくしゃくしゃにした。

 

2人はキスをしながら、しばらく繋がった状態を楽しむ。

 

「うーん...」

 

(チャンミンの中...あったかい)

 

ユノは目をこすり、「よし」と小さく頷くと、チャンミンの両脇についた両手に力を込めた。

 

「チャンミン...」

 

「うん」

 

「動かすね」

 

(チョンユンホ、行きます!)

 

「ゆっくり、ね」

 

(俺の『ピストン運動』で、チャンミンを昇天させるからな!

でも...暗くて「繋がったところ」が見えないのが残念だ)

 

ぎし。

 

「!」

「!」

 

ぎしぎし。

 

ユノが動くたび、ベッドのスプリングがきしむ。

 

ぎしぎしぎし。

 

(音が気になって...集中できない!)

 

(父さんたちに、聞かれちゃう!)

 

「場所を移動しようか?」

 

「そ、そうだね」

 

ユノはチャンミンの中から引き抜くと、彼の手を引いてベッドから床へ降りかけたが、

 

(これじゃあ、チャンミンの背中が痛いよな)

 

掛布団を床に広げた上に、2人で寝転がった。

 

「チャンミン、好き」

 

(では、『挿入』のし直しです)

 

「んっ」

 

(やべーーー!

気持ちいいーーー!)

 

あまりの快感に、余裕がなくなったユノ。

 

(今、俺は!

チャンミンとアレしてるんだ!

チャンミンとアレ!

俺は今、チャンミンとアレしてるんだーーー!)

 

(注)熱くて大変申し訳ありません。

ユノは感動と快感に溺れるあまり、我を忘れています。

 

「はあはあ」

 

(ユ、ユノ!

は、激しすぎ!)

 

「はあはあ」

 

「待って...!」

 

(『可愛いユノ』が獣になっちゃって、

ちょっと...怖い...かも...)

 

ユノは汗だくだ。

 

「な、何?

はあはあ」

 

(深突き過ぎて...苦しい。

激しければいいってものじゃないんだけどな...。

そんなこと、今のユノには言えない...)

 

「あ、あのね...」

 

「はあはあ、チャンミン...。

はあはあ、気持ちいい?」

 

(気持ちいけどさ。

そんなに突かれたら、壊れそう)

 

「もうちょっと...ゆっくり」

 

「ごめん!

はあはあ。

痛かった?」

 

「落ち着いて」

 

(しまった!

気持ちよ過ぎて、がむしゃらに動いてしまった。

チャンミンを壊すところだった)

 

ユノは腰のスライドを緩めたが、それはそれで気持ちよくて、結局は無我夢中になってしまうのだった。

 

(気持ちいい!

ぬるぬるしてる!

気持ちよ過ぎ!!

音がえっち!

チャンミン、大好き!)

 

(だから、ユノ!

そんなにグイグイ突いちゃダメだって!)

 

チャンミンは声を出さないよう、丸めたパジャマで口を押えていた。

そんな姿もユノを煽る。

 

(チャンミンったら、喘ぎ声を我慢してるんだね。

可愛い)

 

「気持ちいい?」

 

チャンミンはうんうんと頷く。

 

(ユノの『野獣』っぷりに、ちょっと引いてるかも...。

初めてだから仕方ないよね。

一生懸命なんだもの)

 

「よかった...」

 

(チャンミンの喘ぎ声が聴きたい)

 

ユノはチャンミンから抜けるぎりぎりまで腰を引くと、力いっぱい押し込む。

「ひっ」とチャンミンが息をのむ姿が、ユノの『獣』を刺激する。

 

(おー!

チャンミンは、こういうのが好きなんだ。

了解)

 

(ダメダメ!

激しすぎるってば!)

 

(注)ユノの勘違いを温かい目で見守っていただきたい。

チャンミンを愛しているが故、彼なりに必死なのである。

 

(ちょっと...痛い...かも...!)

 

チャンミンはユノの腰に手をかけ、押しとどめようとするが、野獣と化したユノのピストン運動を制止できるはずもない。

 

(チャンミン、好き)

(ユノが...怖い!)

 

 

(つづく)