チャンミンのパーカーの下にもぐり込んだ。
すぐには口づけず、指をひろげて置いた手をへその辺りから胸へと這わしていった。
女の子のように、皮下脂肪に指がやわらかく沈むことなく、手の平で感じる凸凹は固い。
チャンミンの腹は荒い呼吸で、不規則に波打っている。
チャンミンの両手は俺の髪をかき乱している。
女の子のようにシャンプーの香り混じりの甘いものじゃなく、当然だけど男くさい肌だ。
這わしてきた指先がそこに引っかかり、小さな突起を爪先でつつく。
「んんっ...!」
びくんとチャンミンは全身を痙攣させた。
指の腹で転がすうちに、ころころに固い粒になっていく。
男でも乳首をいじられると気持ちいいんだな、と小さく感動。
パーカーの生地に閉じ込められて暑いし、チャンミンの反応する表情も見えないしで、俺は頭をいったん抜いた。
「ふぅ...暑い」
着ていたトレーナーを脱いだ。
「...ん?」
ボトムスも脱いだ方がいいんだろうかと、ボタンとファスナーを見下ろし迷っていたところ...。
チャンミン「ほぉ...」と俺の身体を食い入るように見ている。
真剣に見つめられると、同性であっても恥ずかしいんだなぁ。
顎をしゃくって急かすと、チャンミンもあたふたとパーカーを脱ぎ出した。
チャンミンの顔はもっと赤くなっていて、額が汗で光っていた。
(下は...?)
(どうする?)
俺たちは今夜、どこまでやる気なんだろう?
俺たちは顔を見合わせ、視線で逡巡している。
迷っている時間が勿体ないとばかりに、俺たちは同時にタックルし合った。
もっともっと深いキスを交わす。
・
Aの胸を愛撫するように、チャンミンの平らな胸をいじる。
執拗に胸先だけ責める俺に、チャンミンはきっと、俺はおっぱい好きだと暴露したAの言葉は本当だった、と思っているだろう。
ふわふわの胸じゃなくても、乳首が付いていさえすれば、愛撫しがいのあるポイントになるんだなぁ。
「や...ユノ...そこは」
「...イヤなの?」
「イヤじゃないけど...なんか、恥ずかしい...」
「すごい固くなってるよ」と耳元で囁き、その小さな粒をきつめに吸う。
「...ユノ、待って...そこばっかは...」
「分かってる...」
チャンミンの胸先ばかりいじっていないで、俺にはもっと、触れるべき箇所がある。
「チャンミン...俺のを触って?」
上半身裸の俺たちは、向かい合わせに横たわっていた。
見てはいけないような気がして、互いの例の箇所には視線をやらないよう意識していた。
俺たちは目を合わせたままだ。
チャンミンはかすかに頷くと、俺の背中に回していた片手を下ろした。
「...くっ」
チャンミンの指がそこを探り当てた時、みっともないほど腰が揺れてしまった。
「ユノ...おっきい」
分厚いデニム生地越しなのに、撫でられただけなのに、俺のあそこは異常に敏感になっている。
狭苦しい場所にぎゅうぎゅうに閉じ込められていて、完全に大きくなれず、窮屈で苦しい。
男に触られて、俺は興奮している!
たまらなくなって俺の手も、チャンミンのそこに及ぶ。
包み込んで下から上へと擦り上げた。
すごいな...自分以外の勃っているものを触るのは初めてだ。
興奮して感じていることが、実体を持ってありありと分かる。
先端を引っかき、柔らかいそこの縁を親指で辿ると、
「...あっは...」
チャンミンの両眉が切なげにひそめられた。
チャンミンのボトムスのウエストを緩め、性急に手を突っ込んだ。
「...チャンミン、びしょびしょだぞ?」
「そんなっ...言わないでっ...」
いつまでも目を背けているわけにはいかないと、引っ張り出した熱々のそれを見下ろした。
俺は今、ナマで他人のブツをつかんでいる!
まじまじと観察する目の俺に、大いに恥じ入った風のチャンミンは茹でダコみたいになっている。
萎えるどころか、意味のわからない興奮と感動で満たされていた。
俺のボトムスから、俺のものを引きずり出すチャンミンの手の動き。
そしてチャンミンの手の中におさまった俺のブツ。
しばしの間、俺たちは互いのブツを見下ろしていた。
...こいつらを、どうすればいい?
勢いでむき出しにしたのはいいけれど...。
顔を上げ、さらにしばしの間、俺たちは見つめ合う。
そして、唇を重ねて、べたべたのねちょねちょなキスに没頭した。
ひとしきりキスを交わし合ったのち、再び見つめ合う。
次は、互いにしごきあいながら、交互の舌を吸い合った。
「はあはあはあはあ...」
その後は、抱きしめ合って、互いのブツ同士をこすりつけ合った。
俺とチャンミンの下腹にサンドされたブツが、頭を並べている光景が...初めての光景で、頭が沸騰しそうだった。
...凄い、凄いんだけど!
チャンミンのブツに手を伸ばそうとしたら、「待って」と彼に制された。
チャンミンは俺から身体を離し、部屋の片隅に置いたバッグの中身を漁っている。
バッグの傍らにしゃがむ広い背中と、脱ぎかけたボトムスから覗く半ケツを見守った。
「これ」
チャンミンは勢いよくベッドに飛び乗った。
チャンミンが手にしたもの...しかも、6個繋がったままのもの...に、俺はぎょっとする。
「『これ』って...え?
どうするつもり?」
「付けないと...」
チャンミンは開封したラテックス製のそれを、自身のブツに装着している。
「待て...なんのために付けるんだよ?」
と言った後に、「しごきあうにしても病気が気になるのかな。それとも、シーツを汚してしまうのを防ぎたいのかな」と考えていると...。
「そっか!」
チャンミンは大きな声を出し、我に返ったようだった。
「ユノは女の子じゃなかったんだ!」なんて言うんだ。
どうやら、テンパっていたらしい。
そこで俺は初めて気づいた。
2本並んだブツの行き先について...。
透明の薄膜にラップされたチャンミンのブツ...俺のには負けるが、そこそこのサイズ...を見、同様に斜め上を向いたままの自身のブツを見た。
チャンミンと絡み合っている間、「この先、どうすればいいんだ?」と困惑していたのも、実のところ、「こうなっちゃうしかないのか?」と答えが出てしまうのが怖かったのだ。
俺の知識なんて、適当に聞きかじったものに過ぎず、『アソコに挿れるしかないのか!』としか結論付けられないのだ。
互いのブツをしごきあったり舐め合うのも十分、えっちの範疇に入るのに、どうしても『挿入』にこだわってしまうのだ。
これで何度目になるのか、俺たちは見つめ合い、戸惑い..つまり、怖気付いてしまい... 結局キスし合うしかなかったのだ。
(つづく)