(6)ぴっかぴか

 

 

~チャンミン~

 

 

金髪の男...ユノは、思った通り素直で、さらには正直な奴のようだった。

 

恋愛対象が同性だと教えてあげたのは、実は僕の計算づくだったんだけどね。

 

ユノの反応を見たかったんだ。

 

僕は男が好きな質だと聞かされたユノは、「気持ち悪い」とはっきり認めた。

 

いいねぇ...素直で正直な男、好きだよ。

 

そして、席を立つこともなくここに留まり、僕の顔や身体をまじまじと観察している。

 

そろそろ、僕のルックスの良さに気付いたかな?

 

さすがに手を握った時は拒まれたから、ちょっと早すぎたかな?

 

面白くなってきたぞ、心中でニヤついていた僕。

 

待って。

 

ニヤつく前に、もっとショッキングなことがあったではないか!?

 

ユノが...童貞だった!

 

どうして!?

 

ジャングル奥深くに踏み入る探検隊、過酷極まる探索道程の末、ついに目にした幻の果実...ツヤツヤ、ぷるっぷるの美味しそうな果実。

 

...そんな感じ。

 

ぴっかぴかを探していたところ、なってこったい、真正のぴっかぴかと巡り会ってしまった。

 

チェリー君なんて珍しくもなんともないが、ユノの場合は違う。

 

雑誌の中のモデルがそのまま抜け出たかのようなルックス、モテないわけがない。

 

爆イケ男がモテなかったり、機会はあるのにアレできなかったとしたら、性格と性癖に問題を抱えているのだ(シム基準)

 

ところが、会話をしてみて分かったのは、ユノはからっとした性格で、気遣いのできるいたって常識的な男...全然、チャラくないのだ。

 

なぜ?

 

性格に問題がないとしたら、考えられる理由は三つしかない。

 

その1・・・小指サイズ。

 

その2・・・バットサイズ。

 

その3は、僕のいい男センサーが狂っていたことを認めることになってしまうが、「実は女性だった」

 

想像を巡らす前に、手っ取り早く目視確認をすればいい。

 

僕は肘でおしぼりを床に落とした。

 

「落としちゃった...拾わなくっちゃ」

 

それを拾おうと身をかがめ、対面に座るユノの股間を確かめる。

 

「ごくり...」

 

スリムパンツを履いてくれてありがとう。

 

サイズに問題なしだ。

 

他には、極度の緊張しぃか、速度の問題くらいしか考えられない。

 

半袖から伸びる二の腕は太く、手を動かす度に素晴らしい筋肉の盛り上がりを見せてくれる。

 

あの逞しい腕に腰を抱かれたい!

 

探検隊は数日間飲まず食わずだった...水を、水を下さい...僕に甘くて、果汁たっぷりの果実を下さい...。

 

従僕でチェリーな男相手に、こうまで苦戦するなんて悔しすぎる。

 

加えて、ユノの股間を(生地越しとはいえ)目にしてしまったら、僕のアソコをあの太いものでみっちみちに埋めて欲しくなった。

 

好みの男を見つけたら、まず身体つきに目がいってしまう僕は、つくづく下半身に支配されている男だなぁと呆れてしまう。

 

でも...仕方がないだろう?

 

僕をすみずみまで満たし、刺激して、幸福にして欲しいのだから。

 

だから、ここで諦めるわけにはいかないのだ。

 

「おい。

口開いてるぞ」

 

「へ?」

 

間抜けな顔をさらしてしまった。

 

考え事に夢中になっていて、目の前の獲物の存在を忘れていた。

 

ユノの指摘に、羞恥の汗がにじんだ額をおしぼりで拭こうとしたら、

 

「それ、床に落ちたやつだぞ」

 

もっと恥ずかしくなった僕は、うつむくしかない。

 

(カッコ悪すぎ...。

なんだよ、これ。

いつの間にかユノのペースになってるじゃないか)

 

幻の果実は強風にあおられ、手を伸ばしても寸でのところでかわされ、それをもぎとることができない。

 

「これで顔を拭け。

あんた...顔が真っ赤だぞ。

具合が悪いのか?」

 

新しいおしぼりをユノから受け取った(いつの間に、店員に頼んでいたらしい)

 

ユノという男...気が利く...僕の方がくらっとしてしまうよ。

 

僕のペースに早く戻さないと!

 

アルコールは得意じゃないと言ってたわりに、色白な肌は白いまま、口調もしっかりとしている。

 

案外酒に強い奴なのかもしれない。

 

ハイボール一杯程度じゃ足りないってことか。

 

僕なんて焼酎の中瓶3本開けていて、アルコールには強い僕でも酔いが回っていた。

 

「男もいいかもしれない...」とくらっとさせて、深酔いさせてホテルに連れ込む作戦は、早い段階で諦めていた。

 

僕の方が深酔いしそうだった。

 

これまで成功に導いてきた色気作戦が、ユノには通じない。

 

今夜中にいただくのは無理かもしれない、とくじけそうになった。

 

でも、正真正銘のぴっかぴかを簡単に諦めてたまるものか。

 

処女雪の最初の一歩は、僕で決まり。

 

「もっと飲むか?

酒で失恋を吹き飛ばそうぜ」

 

とユノは言って、ボトルが空くなり四本目を注文しようと手を挙げた。

 

「待って。

僕...もう限界みたいだ」

 

じわじわ作戦だ...なんてトロいことをしていられる余裕は、今夜の僕にはない。

 

僕のアソコをガンガングリングリン、イジメて欲しいのだ。

 

ぴかーんといいアイデアが浮かんだ。

 

僕はテーブルに突っ伏した。

 

「チャンミン!

大丈夫か!?」

 

ユノのお人よしで世話好きそうなキャラを利用させてもらうよ。

 

 

(つづく)

 

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