義弟(27)R18

 

 

 

 

「あ...義兄...さんっ...」

 

塞がれた唇の下で、チャンミンは苦し気に俺の名前を呼ぶ。

 

チャンミンの熱い息がふうふうと、合わせた唇の隙間から漏れた。

 

俺の両頬をもっともっとと引き寄せられて、チャンミンの背後にあるソファへ彼を押していく。

 

後ずさりするチャンミンの足がもつれ、体勢を崩しそうになるのを抱きとめる。

 

チャンミンは背中から、俺は彼の上に重なりどさりとソファにダイブした。

 

チャンミンの指が頬に食い込むほどで、俺を求める欲情の強さに、俺のそれも火力を増すのだ。

 

チャンミンの背中をまさぐりながら、より深く口づけようとうなじを引き寄せる力も増していく。

 

勢いの激しさに、歯同士ががちりと当り、どちらのものかわからない血の味。

 

互いのあごまで食らいつこんばかりの、口という穴を征服するキス。

 

「...んっ...ふっ...ふ...」

 

チャンミンの口は俺のもので密閉されているから、彼の鼻息が不規則に吹きかけられる。

 

もっともっと、違う角度で繋がりたくて、一旦唇を離した。

 

「好きです...」

 

チャンミンのつぶやきに、俺は頷く。

 

俺も好きだ...だが、口に出したらいけない気がするんだ。

 

好きのひと言で片付けられるような感情じゃないんだ。

 

それから、狡くて申し訳ないが、責任がとれない。

 

チャンミンとは、今この時、今この場所で、どろどろに塗れ合いたいんだ。

 

好きだから抱きあいたいのか、抱きあいたい気持ちが先にきているのか、保留にしているんだ。

 

真正面に鼻頭を合わせ、唇は触れ合わせず、舌先だけを繋ぐ。

 

焦らしたのち、チャンミンの舌を咥え、前後にしごく。

 

「...んんっ...んっ」

 

俺の口内にチャンミンの舌を引きずり込んで、きつく吸うと彼の喉が鳴る。

 

胸が苦しい。

 

この後の本命の行為に期待を馳せた。

 

上の...唇と舌...粘膜同士の接触といたぶりで、焦れ合うのだ。

 

俺の腹に、弾力ある固いものが押し当てられている。

 

チャンミンは衣服をまとわない姿で、すべてを俺にさらけだしていたから。

 

切っ先に雫がぷくりと浮いていた。

 

この子は、男だ。

 

立てた両膝が俺の腰を挟んでいる。

 

股間が引き締まる緊張は高まり、チャンミンの背に回した手を彼の正面に移した。

 

女の曲線をたどるように、チャンミンの敏感なものをたどる。

 

太く浮いた血管と折りたたまれた柔らかい皮、窪みとでっぱりを、指の腹でたどる。

 

「...や...あ...義兄さん...」

 

俺の身体の下で、チャンミンの腰がびくびくと震えた。

 

うなじを押さえていた手を放し、チャンミンの細いウエストに回した。

 

「ああっ...あっ...」

 

俺はこの子をどうしたい?

 

睾丸をすくいあげるように包み、片膝でチャンミンの腿を割る。

 

ブラインドから差し込む午後の光で、チャンミンの産毛が光る。

 

この後、どうなっても知らないぞ。

 

きっとチャンミンは、俺にのめり込む。

 

俺を見つめる目の色が変わるだろう。

 

俺を求める想いに真剣みが増すだろう。

 

Bとの結婚生活と並行しながら、チャンミンと会うのか?

 

会うだろう。

 

Bの目、世間の目から隠れて、チャンミンと会い続けるだろう。

 

俺が結婚していることと、男のチャンミンと関係を結ぶことは別の話だ。

 

可能な気がした。

 

いずれにせよ、もう引き返せない。

 

 

 

 

チャンミンのペニスを握る俺の手を、チャンミンは押しやった。

 

そして、俺の喉から舌を引き抜いて、チャンミンは俺の身体の下から抜け出した。

 

「?」

 

今回はチャンミンのその気が萎んだのかと、思った。

 

「!」

 

チャンミンはソファから降り、身を起こした俺の足元に脚を折って座り込んだ。

 

「...チャンミン...」

 

俺のデニムパンツのボタンを外し、ファスナーを下ろした。

 

チャンミンが何をしようとしているのか察して、下着をずらす。

 

斜めに勃起した俺のペニスを、チャンミンは咥え込んだ。

 

躊躇のかけらもなかった。

 

嘘だろ...。

 

大胆な行動に驚いた。

 

俺の両腿の間で、チャンミンの頭が揺れている。

 

陰毛に美しい顔を埋めている。

 

伏せたまつ毛が長く、頬に繊細な影を落としていた。

 

美味そうに俺のものを味わっている。

 

静寂のアトリエ。

 

強烈な快感が、股間から腹へと走った。

 

「...う...ん...」

 

低いうめき声が喉を震わせる。

 

たまらなくなって、前後に揺れるチャンミンの頭を撫ぜた。

 

丸い後頭部、伸びすぎた身長のせいで、小さく感じる頭を撫ぜた。

 

見上げたチャンミンと目が合う。

 

黒目と白目の境がくっきりとした、あの三白眼だ。

 

口いっぱいに俺のペニスを頬張っているから、口元をゆがませている。

 

それでも、美しい顔だった。

 

そして、悲しいくらいに幼い目元をしていた。

 

「どう?」と、褒めてもらいたがっている眼だった。

 

罪の意識がかすめる。

 

「いいよ...気持ちいいよ」

 

チャンミンの両眉が下がり、潤んだ瞳は泣き出しそうに見えた。

 

愛おしい想いが溢れ、チャンミンの前髪を何度も何度もかきあげてやった。

 

額を露わにすると、途端に男らしい印象が強まった。

 

そっか...今、俺は男にフェラチオされている。

 

それも、義理とはいえ、弟に。

 

チャンミンの舌による愛撫はぎこちなかった。

 

きつく吸われ過ぎて、痛みを覚えた瞬間もあった。

 

それでも、俺を気持ちよくさせようと必死な姿に、胸を打たれた。

 

罪悪感で萎えるどころか、俺のペニスを頬張り味わうチャンミンの姿に、猛烈に興奮した。

 

チャンミンの頭を股間に押しつけ、俺の腰は自動に揺れてしまうのだ。

 

そして、チャンミンの喉奥で絶頂を迎え、彼から引き抜き、たまらずうなじを引き寄せた。

 

精の香りに包まれた口づけを交わす。

 

自身のものを味わうのは初めてだったが、チャンミンの舌と混ぜ合いながら、舐め尽くした。

 

膝に引っかかっていたデニムパンツと下着を、蹴と飛ばし脱ぐ。

 

ボタンを外すのももどかしく、シャツを脱ぎ捨てた。

 

これで肌と肌を直に合わせられる。

 

壁に立てかけられた数十枚のキャンバス。

 

完成したものも、制作途中のものも。

 

オイルの匂い、絵の具が飛び散ったフローリングの床。

 

大型のイーゼル、洗筆バケツ。

 

真珠のネックレスで胸を飾ったチャンミンの絵。

 

そして、丁寧に畳まれ置かれた、チャンミンの制服。

 

 

 

(つづく)

 

 

 

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