~チャンミン17歳~
激しかった。
喉から胃袋が飛び出るんじゃないかくらい、奥の奥まで突かれた。
出だしはいつもと同じ流れだった。
服を脱ぐのももどかしい僕たちは、ボトムスをずらして、肝心な箇所だけを出しただけ。
舌を絡めて吸いながら、下着から勢いよく跳ね出た義兄さんのものに、僕の喉が鳴る。
僕のものだって、似たような状態だったからおあいこだ。
早く繋がりたくて、気が急いてしまう。
僕の上になった義兄さんのペニスを、僕の唾液と彼の先走りで混ぜ合わせながら、力強く上下にしごく。
その間、義兄さんはたっぷりと濡らした2本の指で、念入りに僕の穴を拡げていく。
「チャンミンはエロい高校生だな。
子供のくせに、ここ...いじってただろ?」
「...してないっ...!」
「嘘ばっかり。
久しぶりなのに...ほら...簡単に入るよ?」
「...んっ...それは...はぁ...」
「...ここは?」
卑猥な言葉に感じてしまう僕を知ってる義兄さんは、陰嚢の後ろを強く刺激するんだもの。
「...っはぁ!」
僕はエビ反りに跳ねてしまうのだ。
・
義兄さん...ごめん。
義兄さんのをいつでも受け入れられる理由は、自分の指だけじゃなく、他の誰かのモノでかき回されているからなんだ。
X氏と別れられずにいた。
誰かにバラすと、彼から強請られていた訳じゃない。
距離を置こうと努力していた時期もあった。
その時期もそう長くは続かなかった。
なぜなら、一度だけ見せられた、行為の真っ最中の動画、白目をむいた僕のイキ顔。
もしあれが、義兄さんの目に触れることが起こってしまったらどうしよう!
誘われ断ると、X氏は「そう。残念だ」と、あっさりと引き下がる。
かえって怖くなった。
結局、あの時の恐怖がこびりついていたこともあって、X氏に呼ばれれば馳せ参じるようになった。
未成年と性交しているX氏を、訴えることもできた。
そんなことをしたら、僕のやってきたことがつまびらかになってしまう。
X氏に反旗を翻したら、マズイことばかりしか起こらない。
そもそも、X氏を誘ったのは、僕の方だったのだ。
淡々と行為に応じていれば、そのうち僕に飽きてくれるだろう。
しばらくの間の辛抱だ。
だから、X氏と繋がっている間は、ずっと義兄さんのことばかり思い浮かべていた。
X氏を義兄さんだと思って、ありとあらゆる体位でも応じた。
新しい小技をX氏から仕入れたりもして...。
・
僕の準備が整うと、ベッドに両肘をついてお尻を高くつきあげた格好で、義兄さんの侵入を待つ。
両尻を割って露わにしたそこに当てがって、くるくると焦らすように滑らしたのち、ゆっくりと時間をかけて埋めていく。
性急に突っ込んでくるX氏とは、天と地ほどの開きがある。
義兄さんの行為には愛がこもっている。
僕の反応を見ながらじわりと攻める時もあれば、とんでもなく恥ずかしい恰好をさせて、恥ずかしがる僕を見て愉しむ時もある。
今日の義兄さんは、いつもとちょっと違った。
優しいのだけれど、荒々しいのだ。
仰向けになった僕の両脚は、左右に大きく開かれた。
「...やだ...恥ずかしい...」
僕のボトムスはとうの前に脱がされてしまっていた。
上はトレーナーを着たままだったから、滑稽で恥ずかしくてたまらない。
それなのに、義兄さんは着衣のまま、前を出しただけだ。
僕ばかり、ずるいよ。
腰の下にクッションをあてがわれ、もっと高く腰を突き上げた姿勢にさせられた。
「...やっ...これ、恥ずかしい...やだ」
僕の「止めて」なんて、義兄さんは本気にしない。
「ホントにいや?」
「......」
義兄さんは僕の両膝をマットレスにつくまで押し下げた。
「やだ...義兄さん...や...」
ずんと衝撃の後、強烈な痺れが脳天を貫いた。
真っ直ぐ奥深く突かれるその体位は、強烈過ぎる快感を与えてくれて、たちまち僕はとりこになった。
僕の恥ずかしい場所が義兄さんに全部、見られている。
途中でわけがわからなくなってしまい、おかしな声を出しっぱなしだった。
パクパクさせた僕の口を、義兄さんは斜めに塞ぐ。
「んっ...やっ、やっ...ああぁっ...ああ!」
義兄さんの口の中で、僕は止められない喘ぎを漏らし続け、首を振って彼の唇から逃れた。
無理な姿勢で腰が痛かったのも、すぐに気にならなくなった。
「んっ..んーっ、んぐっ...んんーっ!」
義兄さんの息がいつも以上に荒く熱い。
ふうふう言ってる。
いつもと違う環境と、僕の恥ずかしい恰好に興奮しているのかな。
僕の足首を持って、上下前後と奥までぐいぐいと突き刺す。
「やっ、いやっ...壊れる!
壊れる...やっ、やっ!」
静かな部屋にクチクチと嫌らしい音。
「んーっ、んんーっ...んんっ、んーっ」
下腹から容赦なく弾ける快感を、手探りでつかんだ枕を噛んで逃したのだった。
アトリエのソファで慌ただしく抱き合う時とは違う。
今だって制限時間30分で、時間に余裕があるわけじゃない。
僕だけ2度も達していて、放ったもので胸を汚した。
再び後ろから突かれる。
ぐりぐりと、あの辺りばかり攻められる。
良すぎて苦しい。
口は開きっぱなしで、唾液をダラダラと垂れ流していた。
最後にひっくり返されて、義兄さんの上にまたがった。
その時には、恍惚と快感を貪欲に追い求めて、自ら腰を振っていた。
真下から突き上げられる。
弓なりにのけぞる。
おかしくなる!
おかしくなっちゃう!!
もっともっと突き上げられて、僕の身体が大きく跳ね上がる。
「あー、ああー、あっ...あああぁぁぁぁ!!!」
視界が真っ白になった瞬間。
喘ぎ声の大きさに慌てた義兄さんは、僕の口を塞いだのだった。
もちろん唇で。
初めてベッドの上で抱かれて、僕は幸せいっぱいで涙をこぼした。
鼻水も出てきて、ひどい顔をしていたと思う。
そのどろどろを、義兄さんの大きな親指で優しく拭われた。
「好きだよ」
義兄さんは僕の耳元で囁き、僕はこくりと頷いた。
「僕も...好きです」
義兄さんは微笑する。
艶やかな天使の顔で。
目尻から頬へつつっと滴り落ちた涙を、義兄さんはぺろりと舐めてくれた。
とても素敵だった。
(つづく)
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