(29)奥さま手帖

 

<6月某日>

 

梅しごとの日

H回数:2,034回

(禁欲生活そろそろ限界)

今日はユノの休日で、せっかくだから僕も執筆を休みにする。

 

 

朝一で、昨日ユノが貰ってきた青梅の処理にとりかかる。

休日なのに、ユノは早起き。

ユノと相談の上、梅酒と梅シロップを半々に作ることにした。

 

 

1,梅を洗う

中庭にタイル貼りの古いシンクがある。

(とても便利)

1粒1粒、梅を洗う。

 

 

2.あく抜きをする

たらいに張った水に浸ける。

細かな泡が水面へと上がってきて、ぷちぷち小さくはぜる音がする。

ずーっと眺めていられる。

 

 

3.ユノと買い物に出かける。

梅しごとの特設コーナーで、氷砂糖とホワイトリカーを買う。

・氷砂糖・・・3kg

・三温糖・・・1kg

・ホワイトリカー・・・1.8リットルを2本

 

ユノが荷物のほとんどを持ってくれる。

ついでに郵便物をポスト投函する。

(お気に入りのBLコミックスの初版本特典である、「描きおろしイラスト・コースター応募者全員プレゼント」に応募する)

 

4.梅の水気をとり、ヘタを取りのぞく

ユノ担当

縁側にあぐらをかき、背中を丸めてちまちまと作業する後ろ姿が可愛い。

5.保存瓶の煮沸消毒

僕担当。

大鍋とヤカンでお湯をたっぷり沸かす。

 

 

6.青梅と氷砂糖を交互に瓶に詰めてゆく

・梅酒用・・・青梅1kgに対して氷砂糖1kgと700gの2種類

・梅シロップ用・・・青梅1kgに対して氷砂糖1kgと三温糖1kgの2種類

 

ガラス瓶は4個。

ユノ、青梅をひとつぶ摘まんで、しみじみともの思いにふけっている。

 

ユノ

「俺たちのタマのサイズは、これくらいなんだろうか?」

何を言い出すと思ったら、アレのサイズのことだった。

 

「梅酒を漬けようって時に、タマの話題を出さないでよ」

 

ユノ

「すまん」

 

「どうしたの?」

 

ユノ

「いや...別に」

 

 

7.焼酎を注ぐ

梅酒にする分に、焼酎を注ぐ。

 

 

4個のガラス瓶を、台所の戸棚の下に仕舞う。

この戸棚には10年物の梅酒がある。

主婦雑誌で梅仕事を紹介する記事を読んで、漬けてみたいと思った。

ユノに電話をして、仕事帰りに梅を買ってくるよう頼んだ。

漬けた日付のラベルを貼って、寝かしておいた。

1年後、次の梅しごとシーズンがやってきて、2度目の梅酒を漬けた。

その1年後、3度目の梅しごとをした。

出来上がった梅酒や梅ジュースは、1年を待たずに飲んでしまうけれど、初めて漬けたものだけは手をつけずに保存している。

結婚20年を迎えた年に飲もうと、計画している。

あと5年だ。

5年なんてあっという間だろうな。