「んふっ...」
チャンミンは椅子に腰かけていて、俺に頭を引き寄せられ身を乗り出した姿勢。
俺は立て膝ついたままで、キスし続けるには無理な姿勢だった。
「んんっ...ふ...」
宿泊棟のここは宴会場から程遠く、どんちゃん騒ぎも届かない。
ぺちゃぺちゃと俺たちがたてる唾液の音が、興奮度を加速させる。
蛍光灯の灯りですみずみまで明るく、アルコールと興奮でチャンミンの肌が上気している。
俺はチャンミンの片衿をつかむと、ぐいっと肩下まで引き落とした。
チャンミンの肩と胸が露わになった。
「...ん、恥ずかし...」
クロスした両手で隠された男の胸。
男のごつい身体でも、その気で見るとなかなか色っぽい。
膨らみのない胸を手の全体で、女性の胸を扱うように揉んだ。
「あ...はっ...」
男の声なのに、甘くかすれた色っぽい声...。
俺の口の中で、チャンミンの舌の力が緩んだ。
固く丸まった突起を、指の腹で転がすと、「ひゃん」と小さく叫ぶからキスが中断してしまう。
唇を重ねなおして、お次は摘まんだ上で優しいタッチでこすり合わせた。
「あ、あああ...あ」
大雪の中、チャンミンと社用車の中に閉じ込められた事件を思い出した。
びくびくと身体を震わすチャンミンが面白くて、執拗に胸先を愛撫したっけな。
(パトロールに捕まって飛ばされた)
へえぇ...男の乳首も勃つんだ、と感動した覚えがある。
「あ、ああ、あ...ん」
面白キャラなのに、エロのスイッチが入ると、こうも色っぽい声を出せるとは!
チャンミンの全神経は乳首にいってしまっているようで、キスの方がお留守になっている。
首筋へと唇を落としてゆき、舌先で鎖骨をたどる。
体温が高い胸元は(胸毛はない)...チャンミンの匂いが濃い。
もっといじって欲しいと主張する小粒は俺がつまんでいる。
乳首を舐めるつもりはなかったけど、浴衣+敷布団の組み合わせに頭が沸騰しかけていた。
押し付け合った前は、お互い共に張りつめている。
「男同士はどうだかなぁ」と、チャンミンとアレできる気がしていなかったのに、これは案外イケそうだ。
それが確認できただけでも、大収穫。
今回はここまでにしておこう。
おっ勃った状態で宴会場に戻るわけにはいかない。
「!」
俺の腰にチャンミンの逞しい腕が巻き付いた。
そして、俺の浴衣の帯をほどきにかかっている。
「待てっ...ここじゃ...」
チャンミンの肩を突っ張って逃れようとしたが、伊達に筋トレしていない。
「離せっ...
おい、実行委員なんだろ?
戻らないと!」
「ユンホさんのが...大事、です!
...んんっ
離してくださいよ!」
「誰か戻ってくるかもしれないぞ!」
「あ~も~!」
チャンミンから逃れたのはいいが、ほどけてしまった帯は彼が握りしめている。
「こういうことは...旅行から帰ってからにしよう、な?」
「う~ん...そうですけど」
「帯を返せ。
びしっとして戻らないとな」
「僕はもうちょっと、ステップアップしたかったです。
ユンホさんの、あそ、あ、あそ...こ、アソコを...お触りだけでも...!」
「!」
部屋の入り口ドアにドン、と何かぶつかる音がした。
「!」
「!」
誰か来た!?
(つづく)
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