(41)ぴっかぴか(エロ)

 

~チャンミン~

 

(電気、点けっぱなしだった)

 

湯船に仕掛けられたライトが、無人の浴室を侘しく妖しく照らしている。

 

(そっか...ユノを追いかけていったままだったから)

 

僕は湯船のお湯を抜きながら、僕は後ろの処理に取り掛かった

このひと手間が毎回面倒で、「女の子っていいなぁ」と羨ましく思う(かと言って、女の子になりたいわけではない)

ベッドで待機するように言ったのに、ユノはお風呂のドアの向こうに立って、僕の用意を待ち構えている。

落ち着かなくて、「もうすぐ終わるからさ、あっち行っててよ」とユノを追い払った。

 

「お、おう。

わかった」

 

どもってしまっているあたり、ユノも緊張しているようだ。

僕は目をつむり、ユノのおちんちんの形と味を思い出してみた。

 

(我慢汁のあの味...)

 

大きくてぶっといものが喉の奥を突いて、えずきそうになったのを堪えた感覚も思い出してみた。

 

(期待以上のおちんちんだった...!)

 

ノンケの男とのHは気を遣う。

Hの最中、おちんちんが生えている者と抱き合っているのだと我に返らせてはいけない。

 

①暗闇でヤる。

 

②前戯で何度もイカせ、ひーひー言わせて我を失わせる。

 

③全身をまさぐる彼の手が股間に伸びないように誘導する。

 

④おちんちんを見せない。

 

そのためには、大きめのTシャツの裾でおちんちんを隠した状態で、男の上にまたがる。

 

⑤「汚い」と思わせない、見せない。

 

アナルに抵抗ある人も多いと思うから、とにかくお尻は綺麗にしておく。

(イケナイところにイケナイことをしていることに興奮するタイプは別として)

わずかであっても、初体験者がどん引いてしまう要因は取り除くべきなのだ。

特にユノはデリケートだろうから。

ふと、『どうして僕は、こんなに気を配っているのだろう?』と、手が止まった。

ユノの熱い告白なんて無視して、さっさとヤッてしまえばいいのに。

前処理なんて、その場の雰囲気次第で省略する時だってあるのに。

ユノがチェリーだとか、ノンケだとか、運命とかなんとかごちゃごちゃ言ってるけど、無視しちゃえばいのに。

曖昧な気持ちで今からユノに抱かれるのは良くない気がして、自分の感情の分析を行っていた。

ほらほら、こうやって本音を探っているところが、いつもの僕じゃないんだよ。

ユノとヤリたい。

でも、僕の征服欲と性欲の他に、いつもとは違う何かがあった。

胸の奥で熱くこみ上げる何かが...!

ユノを目一杯誘った挙句、彼の何かを刺激してしまった。

その何かとは、彼の恋愛センサー。

僕はぶんぶん頭を振った。

 

(ダメダメ!)

 

タクシー運転手が言った通り、僕はどうしようもないクズなんだ。

欲しがったのは君の身体だけで、ユノの気持ちに真っ向から受け止める覚悟はないんだよ。

僕に真剣にならない方がいいよ。

男たちに好意を持たれることは慣れているし、僕の言動は彼らに好かれることを前提にしている。

 

(今なら間に合う)

 

今夜、Hをしたら用済みとばかりにバイバイする、そうしよう!

運命を信じている男は重すぎる。

いい身体を拝ませてもらったからマシとしよう、そう思おう!(チェリーの未熟な技が、性的に僕を満足させられるはずがないからさ)

でも...ユノ相手にそんなことできないよ...だって、「友達になりたい」の言葉は本心だもの。

 

「......」

 

こんな最低な男が、ユノの大切なチェリーを奪ってしまっていいのかな。

いい加減な僕に預けちゃだめだよ。

...ダメだよ、無責任なことをしたら。

 

「運命だ」なんて言われてドン引きしたよ。

「運命」の言葉自体は初めてじゃない。

僕の身体が欲しいあまり、口説き文句のひとつとして囁く男たちは何人かいたから。

ユノの場合、彼らの言葉とはわけが違う。

ユノはマジだ。

 

「はあ...」

 

僕の気持ちはあっち行ったりこっち行ったりと定まらない。

 

 

2本の指を広げてお尻の穴を拡張させ、その隙間にぬるま湯を注ぎこむ。

排出させたら再び注ぎ込む、を何度か繰り返した。

慣れた作業だから、考え事をしながらでもサクサクと進む。

初体験の男のヤル気をしぼませないよう、いつも以上に念入りに中を濯いだ。

しょぼくれてきたおちんちんをしごいて復活させた。

僕のが勃っていようがいまいが、ユノとのHに支障はないのだけど。

ユノのおちんちんが勃起しているかどうかが、重要なのだ。

 

 

初めての男...『初めて』とは男同士の行為が『初めて』という意味じゃなくて、ユノの場合、正真正銘の『初めて』

ユノは巨大ベッドに腰掛けて、僕の戻りを待っていた。

ユノは下着1枚で僕を待っていた。

下着の中央部分は、ボリュームダウン気味だった。

僕の部屋はラブホの1室そのものなので、室内を全面明るく照らす照明はなく、浴室同様、ネオンカラーの間接照明だけだ。

 

「お待たせ」

 

僕に気付いたユノが頭を上げるや否や、僕はつかつかと彼の側へ突進した。

そしてユノを仰向けに押し倒し、すかさず跨った。

さっきとは上下が逆になっている。

...前処理をしながら考えてみたけれど、結局答えは見つけられなかった。

いいや、ヤッた後で考えよう。

今はHをすることに集中しよう。

さあ、僕がリードする番だ。

 

 

(つづく)