~ユノ~
「無茶苦茶に抱いて欲しい」
「どうしたどうした?」
今夜のチャンミンは乱れに乱れた。
チャンミンを『滅茶苦茶に』抱いたのは、俺がチェリーを捨てた日のみ。
あの日は余裕がなさ過ぎて、かつ気持ちが良すぎて、アホみたいに腰を振ってしまった。
俺は足を引きずりながら出勤したっけ。
以来、我を失うようなHはしないと、アホになりそうになるのを堪えていたんだ。
いかにチャンミンを満足させてやれるかを考えながらの拙い俺の技術じゃ、不足に思っているかもしれないと、自信を失いそうになっている。
・
俺たちは唇を重ね合わせたまま、服を脱ぎ捨てた。
ベッド下に転がっていたローションを、チャンミンの尻にぶっかけた。
チャンミンの腰を抱き、彼の穴をほぐした。
すぐに俺の指を受け入れたあたり、昨夜も自身でいじっていたのだろう。
「あんたってホント、エロが好きなんだな。
ほら。
すぐに2本も挿っちまった」
「ふん。
ユノこそ好きなくせに」
「俺はあんたとスルのが好きなだけ。
じゃなきゃ、男とするかよ」
「...オトコとする...かぁ。
ユノはやっぱりノンケのままなんだね」
「そこにこだわるんだ?
あんたのことが好きだから、ヤる相手が男だなんて気にしてないってこと」
スライドを大きくしたら、チャンミンは顔をゆがめた。
「俺がノンケかそうじゃないかは関係ない。
好きかどうかが大事なんだ。
あんただからいいんだよ」
俺は腰を動かしたままだ。
仰向けになったチャンミンは、局部が丸だしになるよう膝裏を支え開脚の姿勢でいた。
「ユノってプライドが高いよね。
『俺様に見合う奴はそうそういない。
俺様とヤるなら、心も人生も捧げる覚悟でいたまえ』って感じ?」
「ふん。
あんたの方こそ、斜に構えた気取り屋、キザ野郎。
ホントの恋も知らないナンパ野郎のくせに」
Hの最中、頭のネジが外れかかっている今ならば、素面だったらキレられるであろう暴言を吐いてもギリギリセーフ。
「知ってるさ。
ユノこそあるのかよ?」
俺を睨むチャンミンの眼に、怒りの炎を見つけてしまったかもしれない。
「その議論は止めにしよう。
今は気持ちよくなろう」
俺はチャンミンの両足首をつかむと、高々と掲げ、局部をむきだしにした。
「そうだよ。
ほらほら、疲れてきたんでしょ?」
互いの肌がぶつかりあう破裂音が部屋中に響く。
互いの睾丸がぺちぺちとぶつかりあう音は 女子相手では聞かれない特殊な音。
チャンミンのチンコは快感が増すほどに硬度を失ってゆき、そいつはだらしなく粘液を垂れ流しながら、下腹の上で揺れている。
のけぞった喉に噛みつくようなキス。
乳首は噛んでくれと言わんばかりにつんととがっている。
俺はチャンミンを膝の上に乗せ、鼻先に迫った乳首をつまんだりひねったりした。
「あ、ああ...っ」
チャンミンの喘ぎは甲高く掠れていて、もっと喘がせたくて彼の乳首に歯を当てた。
コリっと芯がある。
「ん...ふっ!」
既にチンコの根元まで挿入されていたけれど、チャンミンの腰を抱えて、ずん、と真下に引き落とした。
その先端が、チャンミンの奥の奥にあるカーブに引っかかり、苦痛を伴うほどの快感が弾けた。
「あああぁっ...ああああ!
死ぬ、死ぬ...!」
「いいじゃん、イケよ。
とっととイケよ」
「やだぁ!
ユノが先!」
チャンミンが両脚を踏ん張り、自ら腰を振り出したりなんかするから、脳に激震が走る。
「やめろっ!」
「やだね。
ユノ、いっちゃいな!」
「くそっ!」
力任せにチャンミンを四つん這いにさせ、深々と突き刺して激しく腰を振る。
同時にチャンミンのチンコを乱暴気味に扱いた。
「やめやめやめ!」
「イケよ。
あ、くそっ、締め付けんな!」
「もういいや、一緒に...イこ?」
俺はチャンミンの腰をつかみ直し、彼は両肩をマットレスに押し付けるように上半身を完全に伏せた。
「わかった、遊びは終わりだ」
チャンミンお気に入りのスポットばかりを狙い、ゴムが破れる勢いで腰を叩きつけた。
お互い頭のネジがすっとんでしまっているから、呻き声も喘ぎ声も忘れ、室内には粘っこい破裂音のみ響き渡っていた。
つけっぱなしのピンク照明のおかげで、結合部分がよく見える。
チャンミンの両手首をつかみ、ラストスパートをかけた。
今日のプレイは、先にイッた方が負けルールだった。
ラブホテル仕様のチャンミンの部屋は、ボリューム大きめでも多少許される。
「ああああああああああ!」
俺もチャンミンも多分、白目を剥いている。
...チャンミンとのHは、毎度死にそうになる。
(つづく)