(43)ぴっかぴか

 

~ユノ~

 

俺はいわゆる、情事の後の腕枕をしていた。

 

ここはチャンミンの住まいであり、ラブホの一室ではないが、元ラブホであるため、まるでラブホでアレした後、事後の余韻に浸る2人のように見える。

 

俺は今夜、脱・童貞を果たした。

 

初めてを捧げた相手は、なんと男。

 

2日前の俺だったらとてもとても想像できやしない、範疇を大きく外れた出来事。

 

しわくちゃのシーツに手を滑らせると、ねばついたものが指を汚す。

 

俺たちの全身を光らせているものは汗だけじゃなく、アナル専用ローションだったりする。

 

後でシャワーを浴びよう。

 

それにしても暑い。

 

ヘッドボードの温度調整のつまみを、手探りでひねった。

 

「......」

 

鼻先にくるんとした毛先が触れてくすぐったい。

 

視線を斜め下に傾けると、彫りが深いせいで眉骨の下からのぞく長いまつ毛と鼻先しか目にすることができない。

 

もっと顔を寄せてみれば、素晴らしく可愛らしいお顔を拝見できるのだが...。

 

距離の取り方がいちいち近いチャンミンに辟易としていたくせに、一度身体を重ねてしまった以降、その抵抗感が消えうせた。

 

俺はチンコを見せることもそうだが、物理的な距離を詰められることに抵抗があったのかもしれない、と自己分析。

 

長身痩躯の身体を横たえ、チャンミンの弛緩したチンコが頭を垂れている。

 

俺は自身のチンコに目をやった。

 

同様にしぼんでいる。

 

「......」

 

俺はもう童貞ではない!!!

 

もっと喜ばしい事実がある。

 

俺は『初めて』をこの男に捧げた。

 

これは『恋』なのだろうか。

 

身体から始まる恋。

 

2日前の俺だったら、反吐が出そうに軽蔑に価する関係性。

 

俺の気持ちは、というと『悪くない』だ。

 

悪くないどころか、『すげぇ、よかった』

 

人生初めてのHは...最高だった。

 

腰が溶けるかと思った。

 

慰めと生身の身体とでは雲泥の差。

 

特にフェラチオがヤバかった。

 

俺のチンコを咥え、上目遣いで「どう?」って...たまんねぇ。

 

思い出してきたら、俺の股間が充血してきた。

 

(2回目...いっちゃう?)

 

大事な人は、優しく扱ってあげたい。

 

俺がリードして、そいつに最初から最後まで気持ちよくなってもらいたい...一応、これが理想だった。

 

実際は、俺の方がマグロになっていた(恥ずかしい!)

 

イク瞬間、俺は野獣のような声をあげていた。

 

体位は騎乗位一本。

 

チャンミンの下で俺はただただ腰を動かし、弾ける快感に我を失ってしまった。

 

初回はこんなものだ。

 

2回目からは、もっと余裕をもったHにしよう。

 

身体を繋げたからこそ、心の結びつきがより高まりそうだ。

 

心が繋がってゆくにつれ、Hの充実度も高まろそうだ。

 

触らなくても分かる、俺のチンコはフル充電完了。

 

 

チャンミンちに向かう道中、ある考えがずっと引っかかっていた。

 

「男遊びが激しくて尻の穴が緩い奴」と、前カレがチャンミンのことを称していた。

 

チャンミンもそれを否定していなかった。

 

本来なら、深くかかわり合いたくない類の人種。

 

ふわふわの銀髪頭にぴっちぴちのズボンを穿き、胸元をはだけていた。

 

出会って以来、俺を求めていた(最初のうちは全然、気付いていなかったのだけれど)

 

それが下衆な動機だったとしても、この男は悪い奴には全然見えない。

 

過去に何十人もの男たちに抱かれてきたらしいし、元カレだか前カレだかに恨みを買っているらしいし...つまり、オトコ関係にだらしのない奴なんだけど、

 

無邪気というか。

 

彼のお上品で綺麗な顔がそう思わせているのかもしれないがな...うん。

 

そこで俺は考えをあらためた。

 

『そういうヤツ』だったこそ、俺と出会ったのだ。

 

 

俺の上でなまめかしく腰を動かすチャンミンを眺めていたかったのに、次々と押し寄せてくる快感の大波にさらわれた挙句、理性のストッパーが外れてしまった。

 

こいつが男だってことを忘れた。

 

性別など一切無視、ひとりの人間とぶつかりあっていた。

 

穴の正体にこだわる必要はなかった。

 

きゅうっと締め付けられて、温かくて、ぬめぬめしていて...。

 

堪らなさ過ぎて、叩きつけるように腰を激しく動かしてしまった。

 

(...しまった!)

 

チャンミンがずっと無言でぐったりしているのは、俺が乱暴過ぎたせいなのだ!

 

射精の後はお約束の賢者タイムに突入し、さっきのHを振り返ってみたりと自分のことしか考えていなかった

 

Hはなんと我を失わせるものなのか。

 

『運命』を連呼していた俺が、大切にしなければならない運命の人、『初めて』を捧げた人を二の次にしてはいけないだろう?

 

「大丈夫か?」

 

チャンミンの肩を揺さぶると むくっと頭を起こした

 

(涙目!)

 

「ひどいよ、ユノ...。

僕を殺す気?」

 

「すまん!」

 

俺は弾かれたように身体を起こし、土下座した。

 

「気持ち良すぎて、あんたのことを考えていなかった。

すまん!」

 

俺はもう一度頭を下げた。

 

「冗談だよ。

大袈裟な。

頭を上げて。

いたたた...」

 

チャンミンは顔をしかめ腰を押さえながら、そろりと起き上がる

 

「痛そうだな」

 

「痛いよ...。

どうしよう。

仕事できるかな」

とチャンミンはつぶやいた。

 

こいつの勤め先が老人ホームだったことを思い出した。

 

腰を痛めた状態で、じいさんばあさんを抱えるのは難しいだろう。

 

「ホントにすまん」

 

「たまにあることだから、心配しなくていいよ。

明日は休みだから」

 

過剰な心配をかけさせまいと、強がっているんじゃないかと、チャンミンの表情から本音を探る

 

「ユノのおちんちんが凄くってさ。

裂けるかと思ったよ」

 

チャンミンの下ネタに赤くなるどころか、「腰が立たなくなることが、『たまに』ある」のワードに引っかかってしまった。

 

軽い男だったからこそ、「運命の人」に相応しいなんて言っておきながら、早速のヤキモチかよ。

 

先が思いやられた。

 

「それよりか、僕こそ謝んなきゃ」

 

「なに?」

 

「ナマでやっちゃってゴメン」

 

「?」

 

チャンミンはつんつん、と俺の股間を指さした。

 

「いろいろあるからね、ゴム付けるのが常識なんだけど、余裕がなくってさ」

 

「そういえば...!」

 

「ゴメン。

だからシャワー浴びようか」

 

「おっけ」

 

チャンミンについてベッドを下りようとしたら、肩を押された。

 

「5分待って。

先に後処理だけさせて」

 

「後処理...」

 

「お尻のね!

ユノってホント、何も知らないんだね?」

 

呆れた風に言うチャンミンに、「俺にとってはどれもが初めてなんだよ」と俺はむくれた。

 

(ああ...。

唇を尖らせるとか、今までの俺じゃあり得ない。

チャンミンの癖が移ってしまったのかもしれない)

 

「ふふっ」

 

チャンミンの顔がすっと近づき、俺の唇をチュッと軽く吸った。

 

「そういうユノだからこそ、ユノがいいと思ったんだよ」

 

 

シャワー中、いちゃいちゃの末の第2ラウンドへとなだれ込むことなく、俺たちは作業的にシャワーを浴びた。

 

...多分、お互い気恥ずかしかったのかもしれない。

 

浴室が寝室より明るいせいで、互いの裸体を鮮明に見てしまえる。

 

さっきまで俺のチンコが挿っていたチャンミンの尻に目がゆかないよう、彼に背を向けて、ざぶざぶと股間を洗った。

 

 

シャワーを浴びてさっぱりした俺たちは、身の上話をすることにした。

 

話題は互いの職業について。

 

俺たちはまだお互いをよく知らない。

 

友人になりかけたところで深い関係を持ってしまったが、圧倒的に情報不足だ。

 

出身地や子供時代、家族構成、好きな色や嫌いな食べ物、それから初恋のこと。

 

知りたいことがいっぱいだ。

 

...俺はチャンミンと真剣に交際するつもりでいる。

 

(つづく)

 

BL小説TOP「僕らのHeaven's Day」

(42)ぴっかぴか(エロ)

 

「...チャン...ミン?」

 

ユノは目を丸くして、腰の上にまたがった僕を見上げている。

 

攻め側の自分が上になると思い込んでいたのだろう。

 

きっとユノは焦りと快感のあまり、がむしゃらに腰を動かしそうで、正常位やバックだと受け側の僕が怪我をしそうだった。

 

騎乗位は力のコントロールができる。

 

挿入を果たすまでは、僕のおちんちんに意識を持ってゆかせない作戦だ。

 

途中で我に返られたら困る。

 

一度挿ってしまえば快感のあまり、容れものが何なのかどうでもよくなるだろうから。

 

僕はユノに微笑むと、浴室から持ってきたオイルをお尻に塗りたくった。

 

勃起した僕のおちんちんへユノの視線が向かないよう、ユノの顎をつかんで、ちょっと乱暴気味なキスをした。

 

唇を割り、舌と舌とをからませ合った。

 

緊張の真っただ中のユノの舌はあたふたしているし、口内は乾いているから、僕は期待で溢れきった唾液を分け与えた。

 

舌と唇がたてる音はすぐに水っぽいものへと変わり、この音に興奮かきたてられた ユノのおちんちんがさっきから僕のお尻につんつん当たっている。

 

後ろ手にユノのおちんちんに手を添えて、僕のお尻の穴にあてがった。

 

穴の周囲をおちんちんの頭でくるくるさせ、オイルを塗り広げた。

 

「...んっ...」

 

僕の両腿の下で、ユノの腰骨が鋭く揺れた。

 

(そうでしょうね。

これだけでも十分、気持ちいいでしょうね)

 

それから、ゆっくりと腰を落としていった。

 

ユノの『初めて』を今、いただきます。

 

入念にほぐしておいたおかげで、僕のお尻は容易にユノのおちんちんを受け入れた。

 

僕は天を仰ぎ、息を吸って吐いた。

 

いくらH大好きでヤリまくっているとはいえ、すんなりと挿入できるわけない。

 

(う~ん、おかしいな...スムーズにいかない)

 

今回は特に。

 

...緊張しているんだ。

 

僕はお尻を左右に割って、穴を露出させた。

 

息を吸って吐いて、じわじわとユノのおちんちんを呑み込んでゆく...。

 

僕の内壁はみちみちと押し広げられてゆく。

 

(う...ちょっと...苦しいかも)

 

根元までの挿入はちょっと難しそうだった。

 

「...っ...ぐっ...」

 

ユノはぎゅっと目をつむっている。

 

おちんちんが圧迫されて、快感よりも痛みの方が勝っているのだと思う。

 

しょうがない、初めて挿入する箇所がお尻なんだから。

 

意味深いH 遊びではないH ノンケでチェリー男子相手 慣れてるはずの僕も緊張しているし、そして何より立派過ぎるユノのブツ。

 

今まで通りにはいかなさそうなH.

 

僕側の限界まで挿入したのち、腰を1往復上下させてみた。

 

「...んっ...かはっ!」

 

ユノはボリューム高く呻いた。

 

もう1往復、腰を動かしてみた。

 

ユノの腰がビクビクンと跳ねた。

 

「ヤバっ...それっ!」

 

止めて欲しいのか、催促しているのか、ユノは僕の腰をガシッとつかんだ。

 

自分でするのとは格段に違う感覚に、目ん玉ぶっ飛びそうになってるんじゃないかな?

 

「苦しい?」

 

「う...ん...大丈夫...だ」

 

「すぐに気持ちよくなるよ」

 

「いや...。

十分、気持ちいい」

 

「よかった」

 

僕の方はと言えば、我を失う程の快楽を味えるかどうかは求めていない。

 

だって、最高のHをユノに求めるのは無理な話。

 

今夜の僕の使命はユノに気持ちよくなって貰うこと、これに尽きる。

 

自分の快楽は二の次だ。

 

「あったかいな」

 

「そうだよ。

ユノのおちんちんは、僕の身体の中に入っているんだもの」

 

「そう...だな」

 

「どう?」

 

「やべぇな、これ。

鬼ヤバイ」

 

「まだ動かないでね。

慣らすから」

 

僕は両膝を広げたしゃがみ姿勢になり、ユノの両肩についた手で身体を支えた。

 

それから、腰を小刻みに上下させた。

 

ユノは顔を背け、眉間にしわを寄せて唇を噛んでいる。

 

まるで僕が攻めているかのような眺めだ。

 

僕は腰をぐるりと回転させた。

 

(でっかい...)

 

自分も気持ちよくなりたいな、と余裕が出てきた。

 

ユノのおちんちんの先っぽが、僕のいいところを捉えられるよう、上下運動の軸をずらしてみた。

 

「あ...っ、はっ...!」

 

腰が砕けそうだ。

 

僕はここを刺激されるのが好きなんだ。

 

もっと快感を追加したくなって、自身のおちんちんを扱き始めた。

 

直後、ずん、と下から突き上げられた。

 

「ぐっ!!!」

 

僕のゆるゆるとした動きをじれったく思ったのだろう。

 

「待って待って!」

 

腰を落としユノの動きを制御しようとしたけれど、無理だった。

 

大人しく僕にされるがままだったユノが、獣へと変身した。

 

僕の腰をつかんで上下に、自身の腰もガツガツと上下に

 

「ゆっくり!」

 

僕の制止の声など、ユノの耳には届いていないようだ。

 

「待ってよ~!」

 

がむしゃらに揺すられて、僕はぱっぱらぱーになった。

 

突き立てられるごとに、意識が飛びそうになる。

 

「あう」とか「おう」とか変な言葉しか出てこない。

 

同時に、激痛も走る。

 

「痛い」の言葉はぐっと我慢した。

 

純朴な青年が荒々しいオオカミになった姿に萌えた。

 

(ああ、僕こそヤバイ。

ハマりそうだ)

 

マットレスのスプリング(何百組ものカップルのHを受け止めてきたせいで、やや疲れ気味で)がぎっしぎし弾んでいる。

 

僕はユノの身に伏せ、彼の首にかじりついた。

 

ユノの動きに身をゆだねた。

 

穴を犯して欲しい

 

明日、腰が立たなくなっても構わないから滅茶苦茶に抱いて欲しい。

 

(つづく)

 

BL小説TOP「僕らのHeaven's Day」

(41)ぴっかぴか(エロ)

 

~チャンミン~

 

(電気、点けっぱなしだった)

 

湯船に仕掛けられたライトが、無人の浴室を侘しく妖しく照らしている。

 

(そっか...ユノを追いかけていったままだったから)

 

僕は湯船のお湯を抜きながら、僕は後ろの処理に取り掛かった。

 

このひと手間が毎回面倒で、「女の子っていいなぁ」と羨ましく思う(かと言って、女の子になりたいわけではない)

 

ベッドで待機するように言ったのに、ユノはお風呂のドアの向こうに立って、僕の用意を待ち構えている。

 

落ち着かなくて、「もうすぐ終わるからさ、あっち行っててよ」とユノを追い払った。

 

「お、おう。

わかった」

 

どもってしまっているあたり、ユノも緊張しているようだ。

 

僕は目をつむり、ユノのおちんちんの形と味を思い出してみた。

 

(我慢汁のあの味...)

 

大きくてぶっといものが喉の奥を突いて、えずきそうになったのを堪えた感覚も思い出してみた。

 

(期待以上のおちんちんだった...!)

 

ノンケの男とのHは気を遣う。

 

Hの最中、おちんちんが生えている者と抱き合っているのだと我に返らせてはいけない。

 

①暗闇でヤる。

 

②前戯で何度もイカせ、ひーひー言わせて我を失わせる。

 

③全身をまさぐる彼の手が股間に伸びないように誘導する。

 

④おちんちんを見せない。

 

そのためには、大きめのTシャツの裾でおちんちんを隠した状態で、男の上にまたがる。

 

⑤「汚い」と思わせない、見せない。

 

アナルに抵抗ある人も多いと思うから、とにかくお尻は綺麗にしておく。

(イケナイところにイケナイことをしていることに興奮するタイプは別として)

 

わずかであっても、初体験者がどん引いてしまう要因は取り除くべきなのだ。

 

特にユノはデリケートだろうから。

 

ふと、『どうして僕は、こんなに気を配っているのだろう?』と、手が止まった。

 

ユノの熱い告白なんて無視して、さっさとヤッてしまえばいいのに。

 

前処理なんて、その場の雰囲気次第で省略する時だってあるのに。

 

ユノがチェリーだとか、ノンケだとか、運命とかなんとかごちゃごちゃ言ってるけど、無視しちゃえばいのに。

 

曖昧な気持ちで今からユノに抱かれるのは良くない気がして、自分の感情の分析を行っていた。

 

ほらほら、こうやって本音を探っているところが、いつもの僕じゃないんだよ。

 

ユノとヤリたい。

 

でも、僕の征服欲と性欲の他に、いつもとは違う何かがあった。

 

胸の奥で熱くこみ上げる何かが...!

 

ユノを目一杯誘った挙句、彼の何かを刺激してしまった。

 

その何かとは、彼の恋愛センサー。

 

僕はぶんぶん頭を振った。

 

(ダメダメ!)

 

タクシー運転手が言った通り、僕はどうしようもないクズなんだ。

 

欲しがったのは君の身体だけで、ユノの気持ちに真っ向から受け止める覚悟はないんだよ。

 

僕に真剣にならない方がいいよ。

 

男たちに好意を持たれることは慣れているし、僕の言動は彼らに好かれることを前提にしている。

 

(今なら間に合う)

 

今夜、Hをしたら用済みとばかりにバイバイする、そうしよう!

 

運命を信じている男は重すぎる。

 

いい身体を拝ませてもらったからマシとしよう、そう思おう!(チェリーの未熟な技が、性的に僕を満足させられるはずがないからさ)

 

でも...ユノ相手にそんなことできないよ...だって、「友達になりたい」の言葉は本心だもの。

 

「......」

 

こんな最低な男が、ユノの大切なチェリーを奪ってしまっていいのかな。

 

いい加減な僕に預けちゃだめだよ。

 

...ダメだよ、無責任なことをしたら。

 

「運命だ」なんて言われてドン引きしたよ。

 

「運命」の言葉自体は初めてじゃない。

 

僕の身体が欲しいあまり、口説き文句のひとつとして囁く男たちは何人かいたから。

 

ユノの場合、彼らの言葉とはわけが違う。

 

ユノはマジだ。

 

「はあ...」

 

僕の気持ちはあっち行ったりこっち行ったりと定まらない。

 

 

2本の指を広げてお尻の穴を拡張させ、その隙間にぬるま湯を注ぎこむ。

 

排出させたら再び注ぎ込む、を何度か繰り返した。

 

慣れた作業だから、考え事をしながらでもサクサクと進む。

 

初体験の男のヤル気をしぼませないよう、いつも以上に念入りに中を濯いだ。

 

しょぼくれてきたおちんちんをしごいて復活させた。

 

僕のが勃っていようがいまいが、ユノとのHに支障はないのだけど。

 

ユノのおちんちんが勃起しているかどうかが、重要なのだ。

 

 

初めての男...『初めて』とは男同士の行為が『初めて』という意味じゃなくて、ユノの場合、正真正銘の『初めて』

 

ユノは巨大ベッドに腰掛けて、僕の戻りを待っていた。

 

ユノは下着1枚で僕を待っていた。

 

下着の中央部分は、ボリュームダウン気味だった。

 

僕の部屋はラブホの1室そのものなので、室内を全面明るく照らす照明はなく、浴室同様、ネオンカラーの間接照明だけだ。

 

「お待たせ」

 

僕に気付いたユノが頭を上げるや否や、僕はつかつかと彼の側へ突進した。

 

そしてユノを仰向けに押し倒し、すかさず跨った。

 

さっきとは上下が逆になっている。

 

...前処理をしながら考えてみたけれど、結局答えは見つけられなかった。

 

いいや、ヤッた後で考えよう。

 

今はHをすることに集中しよう。

 

さあ、僕がリードする番だ。

 

(つづく)

 

BL小説TOP「僕らのHeaven's Day」

(40)ぴっかぴか(エロ)

 

~ユノ~

 

なんて眺めだ。

 

俺は今、男にチンコを吸われている。

 

快感に浸るより先に、俺の真下で繰り広げられている光景に圧倒されていた。

 

童貞を捨てる初体験でいきなりフェラチオとは刺激が強すぎる。

 

チャンミンは膝を立てた俺の大股の間にうずくまり、一心に俺のチンコを吸っている。

 

何度も咥え直されるうち、俺の下着はチャンミンの唾液で濡れていった。

 

「...おっふ...」

 

チンコの先を甘噛みされ、俺は呻いた。

 

「どう?」

 

呼ばれて股間を見下ろすと、チンコを頬張ったままのチャンミンと眼が合った。

 

濡れてつやを増した前髪は、ウエーブを描いてチャンミンの目尻を隠している。

 

綺麗だ、と純粋に思った。

 

自然と手が伸び、チャンミンの前髪を後ろへと撫でつけた。

 

俺のチンコの根元を握ったチャンミンは上目遣いで、「気持ちいい?」と訊いた。

 

(気持ちいいに決まってるだろ)

 

こくん、と頷く俺に、チャンミンは満足そうににやりと笑った。

 

そのエロい笑みにドキッとする間もなく、突如チャンミンは頭を上下に動かし始めた。

 

「おっ...ふっ」

 

チャンミンは空いた方の手で、びくびくひくつく俺の下腹を撫ぜ始めた。

 

俺のアソコの毛をさわさわと逆立てる。

 

チャンミンはチンコを舐めながら、俺のアソコの毛の色をじっくりと観察している。

 

俺は生まれつき体毛の色素が薄い。

 

(頭髪が金髪なのは仕方がないが、腕やスネの毛が日に当たるときらきら透けることと、アソコの毛が小麦色なところが羞恥ポイントだ。

パンツを脱がなければならないような学校行事や、サークル活動が苦痛でたまらなかった)

 

勃起したチンコを見られてしまったトラウマと、黄金のアソコの毛が相まって、女の子の前で服を脱ぐことに大きな抵抗がある。

 

会ってすぐに全身をさらけ出していたチャンミンが相手ならば、どんな姿であろうと受け入れてくれるような気がする(だって、俺のアソコの毛をしつこいほどに見たがった)

 

しゅっしゅとチンコを扱く音と俺の荒々しい吐息。

 

チャンミンは無言だ。

 

「...はっ...あぁ...うっ、うっ...」

 

俺のチンコの先からとめどなく溢れる先走りを指でからめとり、これ見よがしに糸をひくそれを舌で舐めとってみせる。

 

すげぇ気持ちいい。

 

フェラチオ、やべぇ。

 

マジでやべぇ。

 

上下運動と共に揺れる、チャンミンの尻の割れ目に視線が吸い寄せられる。

 

(あそこに、俺のチンコが...!)

 

俺の欲求などお見通しとばかりに、チャンミンは尻をくねらせ出した。

 

チンコを喉奥まで飲み込む時など、目一杯尻を突き出している。

 

でも、肝心の穴は俺からは見えないところが憎い。

 

艶めかしい細い腰を両手でつかみたい衝動が増してきた。

 

(やば...)

 

...生地ごしがじれったい。

 

もっともっと。

 

「生がいい...。

脱いでいいか?」

 

俺はチャンミンの返事も待たず、下着の前を寛げた。

 

「ふふ。

我慢してたんだね」

 

びょん、と勢いよく飛び出したチンコをチャンミンはすかさず咥えた。

 

俺のチンコってこんなにデカかったっけ?

 

オナる時の見慣れたサイズとは比べ物にならない。

 

チャンミンにいたぶられたチンコは血色がよく、自分でも驚くほど怒張していた。

 

運命の相手を前にした俺のチンコは、期待に応えてくれようとしているのだ。

 

「やべ...きも...ちっ...」

 

温かい粘膜にダイレクトに包み込まれ、凄まじい快感の波が俺を幾度も襲う。

 

チャンミンは俺と目を合わせたまま、うまそうに俺のチンコを味わっている。

 

すげぇなチャンミン、男のチンコを舐めるのに抵抗はないんだな。

 

俺もチャンミンが相手ならば、いくらでも捧げられるぞ。

 

やっぱ、これくらいの接触を許し合えている時点で、俺たちの仲は深いものになることは確実。

 

チャンミンの頬袋が俺のチンコの形に押し上げられている。

 

(えっろ...)

 

その卑猥な光景に煽られて、いい加減腰を揺らしたくなってきた。

 

優しく扱いたいのに、チャンミンの頭を押さえつけてしまう

 

(乱暴にしたらいけない。

欲望まみれに彼を扱ったらいけない!)

 

そう自制しようとしているのだが...。

 

運命の人物との出逢いに感激、人生のターニングポイントを目前にした緊張感...そして、本能由来のどエロい欲求。

 

心も身体もスケベ心に支配されてしまって、実際のところ感動にじわる余裕はゼロだった。

 

隅々まで舐め尽くされて、頭の芯が痺れてきた。

 

チャンミンにチンコをゆだねるだけでは済まなくなってきた。

 

「もう...我慢できない

挿れていい?」

 

「だ~め」

 

チャンミンは俺のチンコからちゅぽん、と口を離すと、唾液で濡れた唇を手の甲で拭った。

 

「...え?」

 

俺は服を着たままで、下着の合わせから力みなぎるチンコが頭を出している。

 

「...終わり?」

 

ここで『ヤル気』のゲージが高止まりになった。

 

ここでお預けを食らったりしたら、新たなトラウマを抱えそうだった。

 

煽られてその気にさせられた挙句、寸止めされて...この遊ばれている感が、Hに関してセンシティブな俺のプライドが再び傷ついてしまいそうだった。

 

「ユノは知らないと思うけど、したいと思った時にHできないんだよね」

 

「?」

 

「ちょっと待ってて。

前処理してくる」

 

チャンミンはベッドから飛び降りると、浴室の方へと走っていってしまった。

 

「チャンミン!」

 

後を追いかけたら、俺の目前でぴしゃりとドアが閉まった。

 

「チャンミン!」

 

「来ないで。

ひとりでやりたいから...」

 

「何を?」

 

俺はてっきり、チャンミンはH前に1発抜きたいのだと思ってしまった。

 

「こういうの、ユノに見せるのはまだ早いと思うんだ」

 

ドアの向こうからシャワーの音がする。

 

「おちんちんは勃たせたままでいてよ!

分かった?

こういう時、女の子っていいよねぇ」

 

俺はなるほど、と思った。

 

(つづく)

 

BL小説TOP「僕らのHeaven's Day」

(39)ぴっかぴか

 

~ユノ~

 

ぐだぐだと渋るチャンミンにしびれを切らし、俺の方からキスを仕掛けることにした。

 

さすがチャンミンは恋の達人。

 

ぐいぐい攻めて、相手がその気になりかけたら引いてみせるといった、駆け引きを楽しんでいるようなのだ。

 

今度は俺が攻める番なんだろ?

 

チャンミンが運命の相手だと悟ってみると、この2日間の出来事の全てに意味があると 思われた。

 

真の恋人を探していた2人。

 

俺の下敷きになったチャンミンが、ぴかぴかに輝いて見える。

 

男の眼にしては長いまつ毛だとか、女の子のように可愛らしい。

 

なんだかもう、全身がゾクゾクしてしまう。

 

2日前の俺は、まさか2日後にこんなことになってるとは、露ほどにも想像できなかっただろう。

 

俺は童貞だけど、キスくらいしたことはある。

 

付き合ってきた女の子とのスキンシップは最大でキス止まり...でもないか、胸を触らせてもらったことがある。

 

それ以上、となると、這わせかけた手が止まってしまったっけ。

 

「俺はこの子とヤッてしまっていいのか?」と。

 

ところが今の俺には、ヤッてしまってもOKサインが出ている。

 

唇は柔らかい。

 

俺なりのテクを総動員だ。

 

(あ...。

俺、男とキスしてる。

女の子とするキスと全然変わんないじゃん)

 

男が相手だと 多少強引でも構わないだろうと、押し付けた唇の柔らかさ 唇を食んで柔らかさを楽しむより もっと深いところまで 舌を侵入させたい

 

貪るようなキス。

 

(やべぇ...興奮する)

 

「ん、ん~!」

 

挟み込む太ももに体重をかけ、魚のようにびちびち身体をくねらすチャンミンの動きを封じた。

 

ねじ込んだ舌をチャンミンの口内で、ぬめぬめとかき混ぜているうち、彼の顎のこわばりがふっと解けた。

 

俺の舌から逃げ回っていたのに一転、ぐいぐいと攻め側にまわった。

 

上顎を舐められると、ぞくりと膝の力が抜けそうになる。

 

さすが恋愛の達人。

 

キスが上手い。

 

気付けば、互いのうなじを己の方へ引きつけ合い、逞しく成長した股間を擦り付け合っていた。

 

チャンミンから唇を離し、重なり合った股間を見下ろすと、俺のスウェットパンツに勃起したものがくっきりと浮かび上がっている。

 

最初は嫌がっていたチャンミンのちんこも立派になっていた。

 

チャンミンの先走りが付着したせいで、俺のスウェットパンツの一か所が濃いグレーに変色している。

 

(やった!

できるじゃん。

チャンミンは男だけど、興奮できるじゃん)

 

嬉しくて、心の中でガッツポーズのこぶしを握っていた。

 

「......」

 

あらためて見ると、チャンミンの身体は艶めかしい。

 

痩せた貧弱な身体だからというわけではない。

 

全身つるつる脱毛済で、日々のお手入れを欠かしていないだろうすべすべもち肌をしているせいもあるが、全身からエロいフェロモンを醸し出している。

 

そのフェロモンに絡み取られあまたの男たちが、チャンミンを前にして組み敷きたくなるのも分からなくもない。

 

だからと言って俺は彼らのように乱暴なHはしたくない...したくとも、俺は経験値がゼロに等しい。

 

「ユノはHを神聖化し過ぎている」とチャンミンは言っていた。

 

「Hとはどろどろと汚いものだ」とも言っていた。

 

俺は自分のチンコを気持ち悪いと思われたくない。

 

俺のトラウマ、勃起したチンコを蔑む目で見た初恋の女の子。

 

でもチャンミンが相手ならば、お互い同じ突起物を所有しており、出すものも同じ者同士のだ。

 

心強い。

 

数秒の小休憩の後、俺はぐりりと股間を押し付けた。

 

「んっ...」

 

(なんつー声出してんだよ)

 

呻くチャンミンの声が甘く、切ない。

 

チャンミンはとろんとした目で俺を見上げていた。

 

ドキン、と心臓が鼓動を打つ。

 

「...ゆの」

 

「ごめん。

がっついちゃって」

 

「キス...うまいね」

 

「...あ、ありがと」

 

チャンミンの妖艶な微笑みに、俺が経験してきた女の子たちが、いかに子供っぽかったかを思い知らされた。

 

俺が今、相手にしているこいつは、やっぱり普通じゃない。

 

実は、『さすが玄人』と心の中でつぶやきかけて、慌ててその言葉を呑み込んだ。

 

とっさに出てしまったこの思いは、今後チャンミンと関わる上で、喉の奥にひっかかった小骨のような存在になりそうな気がした。

 

「ごめん、急に。

夢中だったから」

 

「ううん。

ねぇ、ユノ。

...ちょっと重いかな。

僕のおちんちんが潰されちゃう」

 

「ごめん!」

 

俺は慌ててチャンミンの上から飛び退いた。

 

(うっわ~、だせぇ、俺)

 

現実に引き戻された俺は、少しだけ怯みかけていた。

 

大量にかいた汗で、Tシャツが背中に張り付いてしまっていた。

 

「ふふ。

大丈夫だよ」

 

真っ裸のチャンミンはゆっくりと起き上がった。

 

「?」

 

チャンミンは猫のように腰をくねらせ、四つん這いで近づいてきた。

 

「......ねぇ」

 

俺の耳には「にゃあ」と聞こえた。

 

餌をねだる猫の鳴き声に聞こえた(猫を飼ったことはないが)

 

「ゆのって、美味しそう」

 

間接照明だけの部屋で、チャンミンの眼はギラギラと光っていた。

 

チャンミンにも本気モードのスイッチが入ったのだ。

 

「食われる!」と思った。

 

その気迫に負けそうになり、後ずさりしようにもヘッドボードに阻まれてしまっていた。

 

「ゆの」

 

「は、はい...」

 

先ほどまでの積極的な俺はどこへ行ってしまったのか。

 

追い詰められた俺は息を吸うことを忘れ、チャンミンの眼に射竦められていた。

 

ゆっくりゆっくり、チャンミンは近づいてくる。

 

期待と恐怖で心臓バックバク。

 

俺のチンコが今どうなっているのか分からない。

 

「!」

 

俺のもとにたどり着いたチャンミンは、俺のスウェットパンツに指をかけた。

 

「あっ!」

 

ひょいと、チャンミンの姿が消えた。

 

「はうっ...!」

 

瞬間、股間から背筋に電撃が走った。

 

じゅっ。

 

チャンミンの奴、下着ごと俺のチンコを吸い始めたのだ。

 

 

(つづく)

 

 

BL小説TOP「僕らのHeaven's Day」