(20)Hug

 

 

 

汗をかいたから気持ち悪い、絶対にお風呂に入ると言い張るユノだった。

 

四つん這いで風呂場に向かうユノの後を追いかけながら、チャンミンはため息をついた。

 

(今夜もチャンミンを抱くんだから!

汗臭いから、きれいにさっぱりしないといけないんだ。

何が何でも絶対に!)

 

(この子は、いったん決めたら絶対に譲らないからな)

 

脱衣所の床に座って、ユノが入浴を終えるのを待っていた。

 

「湯船には入っちゃ駄目だからね。

腰を痛めてるんだから、身体を温めない方がいいんだからね」

 

「そんなに俺のことが心配なら、チャンミンも一緒に入ろうよ。

チャンミンせんせー!

俺の身体を洗ってください。

腰が痛くて、頭が洗えません」

 

「嘘つかないの!」

 

「......」

 

風呂場から聞こえていた水音がぱたりと消えて、チャンミンは慌てた。

 

「ユノ!

大丈夫?」

 

風呂場に飛び込むと頭をシャンプーの泡一杯にさせたユノが、わざとらしく驚いた顔をした。

 

「今夜はチャンミンが『覗き見』?

そんなに俺の裸が見たかったんだ?」

 

目を半月型にさせて、ニヤニヤ笑っている。

 

「馬鹿!

ユノの馬鹿!」

 

風呂場から出ようとするチャンミンの足首に、ユノの手がにゅっと伸びた。

 

「危ない!

転ぶだろ!」

 

「頭を洗ってくださーい」

 

「仕方ないなぁ」

 

チャンミンはデニムパンツの裾とシャツの袖をまくると、ユノの泡いっぱいの髪に両手を滑らせた。

 

(きれいな頭の形をしているなぁ。

小さな頭だ)

 

マッサージするように丁寧に、適度な力で指の腹を使って、ユノの髪を洗う。

 

「気持ちいい」

 

がっちりとした肩と広い背中、チャンミンはユノの裸にどぎまぎしていた。

 

「かゆいところはないですかぁ?」

 

美容師の真似をして、チャンミンはふざけて言う。

 

「そうだねぇ、耳の後ろが少し」

 

「かしこまりました。

他にございませんかぁ?」

 

「そうですねぇ...ここが少し」

 

「?」

 

「ここが痒い」

 

「......」

 

「馬鹿馬鹿馬鹿!」

 

チャンミンは洗面器いっぱいお湯を汲むと、高い位置からユノに浴びせかけた。

 

「ひゃあっ!」

 

ごしごしと顔をこすってから、そのまま髪をかき上げたせいで、オールバックになったユノ。

 

(...、カッコいいんですけど!)

 

「チャンミン...どうした?」

 

ユノは絶句しているチャンミンに声をかけた。

 

「チャンミーン!!」

 

「!!!」

 

(母さん!)

 

「チャンミーン!

パイナップル切ったから、おいでー!

ユノ君も呼んでおいでー!」

 

(どうしよう、どうしよう!

ユノと一緒にお風呂に入っているなんて、バレるわけにはいかない!)

 

目を白黒させているチャンミンの姿に、ユノはくすりと笑うと、

 

「チャンミンはおトイレでーす!

後で、俺から伝えておきまーす」

 

廊下に向かって大声でセイコに伝えた。

 

「ふう」

 

(焦った)

 

ユノとチャンミンは顔を見合わせて、苦笑したのであった。

 

「のぼせる前に、お風呂を出ようか?

昨日みたいになりたくないだろう?」

 

怒って、焦って、安堵して、それから舌をちょっと出して笑って。

 

百面相のチャンミンがあまりにも可愛くて、

 

「好き」

 

そう言ってユノは、チャンミンのうなじを引き寄せてキスをした。

 

 

 


 

 

「ひゃぁっ!

冷たい!」

 

「もう1枚、貼ろうか?」

 

「そうだねぇ、お尻の上あたりに2枚貼って」

 

「おっけー」

 

うつ伏せになったユノは、チャンミンに湿布を貼ってもらっていた。

 

下げたパンツから、お尻が少しだけ見えている。

 

(小さなお尻...可愛い)

 

と、いたずら心が湧いてきたチャンミンは、ユノのお尻の割れ目を指でくすぐる。

 

「ひゃあっ!

くすぐったい!」

 

(いつも、僕の方がからかわれているばっかりだから、たまにはね)

 

くすくす笑いながら、ユノのパンツを引き上げた。

 

「はい。

これくらいでいいでしょう」

 

「はぁ...。

薬効成分が染みわたるのが、よくわかる」

 

「仰向けで寝られる?

座布団をあてがってあげようか?」

 

「うん、お願い。

それにしても、幸せだなぁ。

3日目にして、やっとでチャンミンの隣で寝られる」

 

四つん這いでしか移動できないユノは、今夜は広間で就寝することになってしまった。

 

ユノを案じたチャンミンは、自室から運んできた布団をユノの隣に敷いた。

 

「疲れたでしょ?

お疲れ様」

 

チャンミンはユノの頭を撫ぜると、常夜灯を残して照明を消した。

 

明日片付ければよいとのことで、広間のテーブルにはラップをかけられた大皿料理が並んだままだ。

 

「何か欲しいものがあったら、遠慮なく言うんだよ?

『チャンミンが欲しい』とかの冗談は、駄目だからね」

 

「分かってるよ」

 

ユノは布団から手を出して、チャンミンの手を握る。

 

「チャンミン、ごめん」

 

「何が?」

 

ユノの謝罪の言葉は、「迷惑をかけてごめん」という意味だととらえたチャンミン。

 

「謝らなくていいよ。

重労働をお願いした僕こそ、ごめん」

 

と、あやすように繋いだ手を揺すった。

 

「違う。

俺が『ごめん』と言ったのは、今夜はチャンミンを抱けないことなんだ。

腰を動かせないんだ。

上下運動が無理なんだ。

あれ、前後運動かな?」

 

「はぁ?」

 

「今夜もチャンミンを抱くんだ」と息巻いていたユノだったが、腰に走る激痛にさすがに無理だと諦めた。

 

(残念無念。

泣きそう...)

 

「無理に決まってるじゃないか!」

 

「チャンミンは、我慢できるの?」

 

「出来るよ」

 

「どうして?

俺はめちゃくちゃ我慢してるんだ。

苦しいくらい。

30代って、ムラムラしないの?」

 

チャンミンはため息をついた。

 

(そうだよね、この子は若いから)

 

チャンミンはユノの方へ、寝返りをうった。

 

ユノはチャンミンの方をじっと見つめていた。

 

眉根を寄せて切なそうなユノの表情に、チャンミンはドキッとする。

 

「30代だってもちろん、ムラムラするよ。

男だからね。

でも、若い頃みたいに四六時中、そういうことばかり考えてるわけじゃないし、ムラムラの度合いも薄くなったかなぁ。

これは、僕の場合だし、他の30代がどれくらいムラムラしているかは分からないけどね」

 

「そういうものなんだ、ふうん...」

 

ユノはしばらく、天井でぽつんと光る黄色い常夜灯を見上げていたが、口を開いた。

 

「チャンミン...。

何か、お話しようか。

ゆっくり話もできなかったし」

 

「そうだね。

何を話そっか?」

 

「チャンミンの子供の頃の夢ってなんだった?」

 

「なんだろなぁ。

いろんなものになりたかったなぁ。

卒業文集を開くとね、毎年なりたいものが違ってて可笑しいんだ。

ユノは?」

 

「内緒。

秘密を抱えた男って、ミステリアスだろ?」

 

「ケチ」

 

ユノは、ふふふと笑う。

 

「チャンミンは、どれくらいの期間結婚してた?

あ!

言いたくなかったら、いいぞ?」

 

「うーん...」

 

(そうだよなぁ。

ユノは僕の彼氏だもの。

隠し事はよくないよなぁ)

 

「3年...くらいかな」

 

「...長いね」

 

(俺とチャンミンは、たったの7か月と12日。

3年だなんて...全然、負けてる...)

 

「ユノは前の彼女と...どれくらいだった?」

 

「えー、そこを聞く!?

うーんと...2年ちょっとかな。

チャンミンを好きになった時に、別れたよ」

 

「そっか...」

 

チャンミンの胸がチクりとした。

 

(そうだよね、こんなにカッコいい男の子がフリーでいるわけないよなぁ。

若くて(当然だけど)、可愛い子だったんだろうなぁ。

やだな、ちょっと悲しくなってきた)

 

 

(つづく)

 

 

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(18)Hug

 

 

(2回戦、出来なかった。

 

ペース配分がうまく出来なかった。

 

イクのが早過ぎた...と思う。

 

チャンミンをイカせられなかった。

 

俺ばっかりイッてしまった。

 

チャンミンを、気持ちよくさせたい。

 

もっと研究しないと!

 

(注:ユノのメイクラブ参考書は、AVが全てである)

 

ふふふ。

 

チャンミンの裸。

 

ふふふふ。

 

暗くてよく見えなかったから、次は明るいところでヤろうっと。

 

はぁ...それにしても、気持ちよかったなぁ...。

 

自分でやるのとは、次元の違う気持ちよさだったなぁ...。

 

ヤバイねぇ、アレは。

 

大好きな人とヤるのって、最高だ。

 

愛する人と一体になるって、幸せだ。

 

チャンミン...好きですー)

 

「ふふふ」

 

胸に抱きしめた掛布団に顔を埋めて、ニヤニヤ笑いを押し殺す。

 

(おっと!

俺のユノユノが、また元気になってきた。

ポジションをこう...直して...と、よし!)

 

ユノは階段辺りが無人であることを確認した後、きしむ階段にヒヤヒヤしながら階下へ降りて行った。

 

階段口で誰かと出くわすわけにはいかない。

 

無事に一階に下りると、近づく人の気配を察して慌てて手近な広間に隠れた。

 

(危なかった...)

 

広間を抜けて縁側の窓から外へ出ると、玄関に回る。

 

そして、さも外から帰ってきた風を装って、カラカラと玄関の引き戸を開けた。

 

「おじちゃん、いたー!」

 

「!」

 

まさに出かけようとしていたケンタたちと鉢合わせになった。

 

「チャンミン兄ちゃ~ん、おじちゃんいたよー」

 

「ユノったら!

どこに行ってたの?」

 

ケンタたちに呼ばれて、チャンミンは困りきった表情を作った。

 

「お散歩に行ってたんだ」

 

「散歩!?」

 

(もっと上手な登場の仕方をしてくれよ!)

 

ラップをかけた大皿を持ったヒトミもやってきた。

 

「公民館にこれを持っていくからね。

山菜の天ぷら。

ユノ君行くわよ、車に乗って」

 

「はい!」

 

「おじちゃん、裸足だよ」

 

「!」

 

「お兄さんはね、足の裏を鍛えているんだってさ。

だから裸足なんだ」

 

チャンミンは、苦し紛れにフォローする。

 

「時間がないから...車に乗った乗った!」

 

「うん」

 

時間がないためユノは、Tシャツとハーフパンツという寝間着姿のままで出かけることとなった。

 

はねた後ろ髪や、ハーフパンツから突き出した細い脚といった、大きく育ち過ぎた子供感いっぱいのユノからは、先ほどまでの艶っぽい雰囲気は一切感じられない。

 

(あんな彼と、僕は裸で抱き合ってたのか)

 

両手で口を覆って、心の中で「ひゃー」っと叫び声をあげる。

 

(そうだ!

僕たちったら、とうとう『いたしちゃった』んだ!

こんなに緊張したエッチはなかったかも。

ユノったら、必死で可愛いんだもの。

でもなぁ...あそこまで『獣』になるとは...ちょっと怖かったな)

 

などなど思いながら、ユノの後ろ姿を追っていると...。

 

(ユノったら、Tシャツが前後ろ反対...)

 

あちゃーと額に手を当て、深いため息をついたのだった。

 

 

 


 

 

 

外は夜明け前で暗く、公民館から煌々と窓から灯りがこぼれていた。

 

ユノたちが到着した時には、ほぼ全員の着替えは終了し、長い一日に備えて皆早い朝食をとっていた。

 

神官装束、龍と鳳凰を染めぬいた着物の闘鶏楽(円盤状の鐘を叩く)、警護の裃姿。

 

ひょっとこ役はあぐらをかき、鬼役からコップ酒を飲まされている。

(ひょっとこ役は、泥酔した状態で御旅行列するため、出発前に飲酒をする習わしなのです)

 

巫女装束の女の子たちは、赤い口紅が落ちないよう、お菓子を小さな口でかじっている。

 

「おせぇぞ!」

 

深緑の股引きと藍色腹掛けに着替えた獅子役のテツは、ぬっと現れたユノたちを怒鳴りつける。

 

「とっとと着がえろ!」

 

「すみません!」

 

「乳繰り合ってたんじゃねんだろうな?」

 

「はあ、そんなところです...」

 

「ユノ!?」

 

しれっと認めるユノにチャンミンは当然、焦る。

 

「馬鹿たれ!」

 

頭をかきかき照れるユノの頭を、テツははたく。

 

「正直に認める奴があるかってんだ!

祭り前日に何やってんだ、全く」

 

(ユノの馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿!)

 

ユノたちを待ち構えていた4人の女性たちの助けを借りて、2人の衣装替えが始まった。

 

「お兄さん、背が高いね。

チャンミン君と同じくらい?」

 

「はい、そうなんです」

 

「何センチあるの?

この肌襦袢を着てね」

 

「はい。

えーっと、183か4あります」

 

「へぇぇ。

うちの息子に分けてやりたいねぇ」

 

ユノは着ていたTシャツを脱いだ。

 

次いで隣のチャンミンも、トレーナーを脱ぐ。

 

「バレー選手か何かなの?」

 

「いえ、違います」とユノは答えた。

 

小袖を羽織らせようとした女性の視線が、チャンミンの腹から胸へと移動したのち固定した。

 

「?」

 

「!!」

 

(チャンミン!?)

 

「ん?」

 

チャンミンはフリーズしている5人に気付き、彼らの視線が自分に向けられていることに、首を傾げたのだった。

 

(え!?

僕?

僕がどうした?)

 

自身の胸を見下ろしてぎょっとする。

 

 

「!!!!!!」

 

 

(ユノーーー!

いつの間に!)

 

 

チャンミンの胸には、赤い花びらがいくつも散っていたのだ。

 

焦ったチャンミンは、両腕をまわして隠そうとしたが、背後にいた女性に腕をぴしゃりと叩かれた。

 

「手が邪魔だよ。

細い腰だねぇ。

このタオルを押さえてて」

 

「は、はい...」

 

着付けの女性が、何でもなかったかのように話を続けるから、余計に恥ずかしい。

 

(最近の子ったら、スゴイのね。

うちの旦那も若いうちは、激しかったわ。※おばさまの心の声)

 

(ユノの馬鹿!)

 

チャンミンの顔も首も耳も真っ赤だ。

 

隣のユノも、さすがに恥ずかしくて俯いてしまう。

 

(俺たちが何をしていたかバレバレだ。

恥ずかしー!)

 

 

(ユノの馬鹿馬鹿馬鹿!

 

こんなに大量のキスマーク!

 

全然気づかなかったよ!

 

愛の証を刻みたいのは分かるけど、

 

僕のことが大好きだってことは分かるけど、

 

僕があまりに美味しそうだったのは分かるけど、

 

どうりで、あちこち吸われてるなぁ、って思ったよ)

 

 

(キスマークって...えっちだなぁ。

 

チャンミンも悪いんだぞ。

 

可愛い声を出すんだから。

 

止められなくても仕方がない。

 

だから、俺は悪くないのだ!)

 

 

チャンミンの腰回りはバスタオルをあてがわれ、さらしで固定された。

 

「差袴を履いて」

 

「はい」

 

ピンクな妄想で頭がいっぱいのユノをよそに、女性たちの熟練の腕により着々と仕上がっていく。

 

 

(今夜はもっときわどいところに付けてあげようっと。

 

やっぱり...あの辺りだよなぁ。

 

付け根のとこ...えっち。

 

おっとっと、気を付けないと!

 

また俺のユノユノが目覚めてしまう...)

 

「はい、出来たよ」

 

最後に狩衣の上下を袴に差し込んで、ユノの浄衣姿が完成した。

 

槍持ちのチャンミンは、裃姿だった。

 

(うっ...チャンミン、カッコいい)

 

「雪駄で鼻緒ずれするから、あっちで絆創膏を貼っておいで」

 

「ほぉぉ」と息をのむ声が聞こえ周囲を見渡すと、部屋のあちこちの者たちがユノとチャンミンに注目している。

 

(どこか...変?)

 

チャンミンが連れてきたよそ者ということで、ひそかに町民たちの注目を浴びていたユノだった。

 

ユノは細身の高身長、加えて端正な顔立ちをしている。

 

チャンミンも同様だ。

 

古典絵巻から抜け出たような美青年に仕上がって、遠巻きに観察していた面々は驚いたのも無理はなかった。

 

(そんなに変?)

 

居心地の悪くなったユノは、折り畳みテーブルの上に並んだ稲荷寿司を紙皿に5個ばかり載せて、テツの横に座った。

 

チャンミンは居たたまれなくなって、真っ赤な顔をして部屋を飛び出していってしまった。

 

 

 

(つづく)

 

 

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(17)Hug

 

 

「好き...」

 

(チャンミン、可愛い!)

 

「気持ちいい?」

 

チャンミンは頷く。

 

(気持ちいいかどうかは、さておき、一生懸命なユノは、確かに可愛い!

甘えん坊の可愛いあの子が、『男』に豹変してるところにやられちゃう...かも)

 

「僕も...好き」

 

(おー!

そんな可愛いこと言わないで。

感動しちゃうだろ)

 

ユノは全身汗だくで、額から首から汗がポタポタとチャンミンの上に落ちる。

 

(わ...。

汗かき過ぎだろ!?)

 

(ん?

ん?

んー!?

ヤバイ。

ダムが決壊しそう...かも...!

 

3億匹のユノが噴出しそう...です...!)

 

「チャ、チャンミン!」

 

「?」

 

(わー!

俺のを締め付けないで!

 

駄目!

 

そんなに刺激しないで!

 

ヤバい!

 

あうっ!

 

ヤバい!

 

大変だ!

 

お、俺のが...噴出しそうです...!)

 

「イキ...そう...」

 

「えっ!?

もう!?」

 

「!!!」

 

(しまったー!

言っちゃいけない一言だった!!

1分もたっていないんじゃない!?

早○でも、初めてだから仕方ないよね。

あんなに激しく動いてたんだもの)

 

「ごめ...ん。

我慢でき...ない...」

 

(だってチャンミン、気持ちいいんだもの。

チャンミンが好きすぎて、もうイキそうなんだ。

早くてごめん!

昨日のうちに、一発出しておけばよかった!)

 

「チャンミン!」

 

ユノは顔をゆがめてチャンミンに囁く。

 

「1回...出して、いい?

2回戦で...頑張る...」

 

「いいよ。

出していいよ」

 

(仕方ないよね。

初めてだから、コントロールきかないんだよね)

 

(チャンミン...気持ちがいい)

 

ユノのピストン運動が激しくなる。

 

「好きっ

好きっ

好きぃっ...はうっっ!!!!」

 

「はあ~~~~」

 

ユノは、グタッと仰向けのチャンミンの上に崩れ落ちた。

 

「はあはあはあはあはあはあ...」

 

チャンミンの肩に頬をつけ、荒々しく呼吸するユノの頭を、チャンミンは抱きしめる。

 

どくどくという首筋の血管も、燃えるように火照った肌も、汗の匂いも、チャンミンをくらくらさせた。

 

(この子ったら、

幼い言動と、甘えん坊な性格で、れっきとした大人の男だってことを、ついつい忘れちゃうんだけど。

今夜は、ちゃんと『男』を感じたよ。

いろいろと残念なところはあったけど、あんなに何度も「好き」って言うんだから。

感動しちゃうだろ)

 

「早くて...ごめん。

チャンミン...はあはあ。

うまく出来なくて...はあはあ。

...ごめん」

 

「ううん」

 

チャンミンは汗に濡れたユノの前髪をかき上げてやった。

 

「すごく、よかったよ」

 

「ホント!?」

 

ユノはパッと、チャンミンの肩から顔を上げた。

 

ユノの目がキラキラ輝いているのは、暗闇の中でもチャンミンにはわかった。

 

チャンミンは、ユノの頭をギュッと抱きしめる。

 

(可愛い、ユノが可愛い)

 

息が整うと、ユノはチャンミンの上からむくりと起き上がった。

 

ユノはチャンミンの中からそろりと引き抜いて、外したものを目線にかかげる。

 

(よく見えない)

 

外灯がとどく窓まで移動して、まじまじとそれを見る。

 

「ユノ!!」

 

(この子ったら、何やってるんだ!!)

 

「意外にちょっとしか、出ないものなんだね...」

 

「!!」

 

(ちょっとどころじゃないよ!

なんて量なんだ!)

 

「2日ぶりだったから、少ないなぁ」

 

(はあ!?

ふ、2日ぶりで「その量」!?

(生産能力凄まじい...

多過ぎだよ!)

 

ユノはふふんと笑うと、チャンミンにタックルして押し倒した。

 

「ユノ!?」

 

「チャンミン!

お待たせ」

 

「へ?」

 

ユノはチャンミンの額にキスした。

 

「やだなぁ、2回戦」

 

「もう!?」

 

「うん!

準備OK!」

 

「チャンミン、未だイッてないだろ?

次は俺がイかせてあげるからな」

 

「待って!」

 

「待てない」

 

「僕を少しだけ、休ませて」

 

「えー」

 

ユノは頬を膨らませる。

 

「ちょっとだけ、ね?」

 

「仕方ないなぁ。

ぎゅー」

 

「痛い痛い!」

 

「チャンミン、大好き」

 

「僕もユノが、大好き」

 

「お尻...大丈夫?」

 

「んー...大丈夫だよ」

 

(ユノが激しすぎて、あそこがちょっとひりひりする...とは言いにくい)

 

 

「...そろそろ...いい?」

 

「まーだ」

 

 

「まだ、駄目?」

 

「まだ」

 

 

「もういいだろ?」

 

「うーん...(仕方ないなぁ)いいよ」

 

若いって...素晴らしい。

 

 


 

 

(チャンミン...)

 

(ユノ...)

 

カーテンの隙間から差し込む外灯の弱い光に、2人の男のシルエットが浮かぶ。

 

横たわった男の上に、もうひとりの男がのしかかる...。

 

「お母さーん!」

「おじちゃんがいないよ!」

 

「!!!!」

「!!!!」

 

「トイレじゃないの?」

「トイレにもいないんだ!」

「どうしよう...。

お義父さんたちはもう、公民館へ行っちゃったのよ」

 

「おじちゃーん!」

「おじちゃーん!

お祭りだよー!」

 

「!」

「!」

 

階下から聞こえるのは、甥っ子ケンタとソウタ、兄嫁ヒトミの声。

 

スマホを確認すると...3時半!

 

はじかれるように2人は離れた。

 

「大変!」

「祭り!」

 

ここに来た本来の目的を、すっかり見失っていた2人だった。

 

御旅(おたび)行列の出発は午前6時。

 

公民館では衣装の着付けが、既に始まっているはずだ。

 

子供部屋で寝ているはずのユノの布団が空で、家の者が捜していた。

 

「大変だ!」

 

電気のスイッチを入れると、あまりのまぶしさに目がくらむ。

 

「!!」

「!!」

 

それから全裸なのに気付いて、しゃがみこんだ。

 

露わになった室内のすべてが生々しい光景だ。

 

脱ぎ散らかされたパジャマ、Tシャツ、部屋の隅に放り投げられた下着。

 

床にひきずり下ろされた掛布団。

 

封の開いた蛍光グリーンの小袋がいくつかと、使用済みのくたっとしたものも。

 

(ううっ...エロい光景だ)

 

「チャンミ~ン!」

 

母セイコが階段下からチャンミンを呼んでいる。

 

「何―?」

 

ふすまから顔だけを出して、チャンミンは応じる。

 

「ユノ君、いないんだけどー?」

 

「えー?

こっちにはいないよー!」

 

「!?」

 

「チャンミン!」

 

(どうしてそこで嘘つくんだ!

事態が面倒になっちゃうって分からないのか)

 

ぶすっと膨れるユノ。

 

「早く、服を着て!」

 

「無理!」

 

ユノは、ブンブンと首を振っている。

 

「どうして!?」

 

チャンミンはユノが指さすところを見ると、

 

「!!」

 

「(元気な状態じゃ)外せない!」

 

(こんな状況なのに、どうして元気いっぱいなんだよ)

 

「ほら、端をくるくるってして...」

 

「いででっ!」

 

「ごめんね。

あと少し...取れた!」

 

「最後までヤろうよ。

途中でお終いは、生き地獄だ。

身体に悪い。

俺に5分頂戴!」

 

「馬鹿!

出来るわけないしょうが!

早く!

早く、服を着て!」

 

「ちぇっ、ちぇっ、ちぇっ!」

 

仏頂面のユノは、脱ぎ散らかしたTシャツを拾うと渋々袖を通す。

 

頬を膨らませた顔が、ドングリを頬袋いっぱいに詰め込んだリスのようで、可愛らしいと思うチャンミン。

 

(いつものユノに戻った)

 

「続きは『今夜』に、ね?」

 

「おー!」

 

ユノはまたたく間に機嫌を直す。

 

「俺はチャンミンの部屋にいないってことになってるんだろ?

『ユノ君は僕の部屋にいまーす』って、認めればよかったのに...」

 

「そんなこと言えるわけないじゃないか!

何やってたか、バレバレじゃないか!」

 

「『何』をやってたんでしょうねぇ、俺たちは?

ふふふ」

 

「ユノの馬鹿!」

 

真っ赤になったチャンミンは、パジャマのボタンを一番上まできっちり留める。

 

「僕が皆を引き付けておくから、見つからないように、ね?

さっさと下に降りて来るんだよ」

 

「はいはい、分かりました。

...あれ?

俺のパンツはどこかな...?

『チャンミン先生が脱がした』俺のパンツは、どこかな?」

 

「ここ!」

 

チャンミンは、床に敷いた掛布団の下から、ユノのボクサーパンツを見つけると、彼に投げて寄こした。

 

「ユノ~!

どこにいる~?」

 

と大声で階下に声をかけながら、部屋を出て行ってしまった。

 

後に残されたユノは、ふうっと大きくため息をついた。

 

 

(つづく)

(16)Hug

 

「......」

「......」

 

(わー!

こらっ、こらっ!

俺のモンスターの戦力が消失しかけてる)

 

(大変!

この子意外にナイーブだから、ここで自信喪失されたらいけない)

 

「一回、(ゴム)外そうか?」

 

「...うん...(しゅん)」

 

 

ユノとチャンミンは、互いに腕を絡め合うと、ねっとりとしたキスを始めた。

 

「どう?」

 

「まだ...みたい」

 

ユノはチャンミンのアソコに手を這わせ、チャンミンもユノのアソコに手を伸ばす。

 

(お!

いい感じだ!

...元気が出てきた!)

 

(そろそろ...かな?

マジか...!

さっきより、大きいんですけど...)

 

 

そんなこんなで、仕切り直しがスタート。

 

ユノとチャンミンは熱い視線を交わす。

 

「挿れるね」

 

「うん」

 

(緊張する!)

 

「やっと、この時が来たね」

 

「うん」

 

(いざ『挿入』!)

 

ユノは片手を添えてあてがうと、ゆっくりと...。

 

(キ、キツッ...!!

こんな狭いとこに...!)

 

「んん...んん...ん...」

 

(ヤベー!!!

スゲー気持ちがいいんですけど!!!)

 

(え!

えっ!

ちょっ、ちょっと待って

ユノ、ストップ!)

 

ユノが奥まで突入する前に...

 

「え!?

痛い?」

 

チャンミンの両手で腰を押し戻されたことに、ユノは不安になる。

 

「違う...」

 

(また何か間違えた...のかな?)

 

「痛い?」

 

チャンミンは首を振ると、ユノの耳元でささやいた。

 

「ユノの...大き過ぎて...苦しい...」

 

「!!!!」

 

「そんなに大きい?」

 

「うん」

 

「俺のが立派過ぎるってこと?」

 

チャンミンが頷く。

 

「大き過ぎて苦しい?」

 

チャンミンは頷く。

 

(僕の中が、ユノのでぎゅうぎゅうにいっぱいなんだ)

 

「痛かった?」

 

チャンミンは首を振る。

 

「そうか...大きいか...」

 

(胸アツ)

 

「こんなに大きい人、初めて?」

 

(嬉しくて何度も聞いちゃう)

 

「しつこい!」

 

「止めようか?」

 

(なーんて言って、俺は止めないんだけどね)

 

「馬鹿っ!」

 

「うふふふ」

 

(勇気100倍、ヤル気1000倍!精力10,000倍!)

 

「ユノ、ゆっくり...お願い」

 

ユノは頷く。

 

「チャンミン...大好き」

 

(いざ!)

 

ゆっくりとチャンミンの中へ腰を埋めた。

 

(気持ちいいーーーー!)

 

強烈な快感に、ユノの背中が震えた。

 

(やった!

やった!)

 

ユノの脳裏に、巨大なくす玉が華々しく割られ、紙吹雪と共に『祝・チェリー卒業』の垂れ幕が垂れ下がるイメージが浮かんだ。

 

(チャンミン!

やっと、やっと!

俺たちは一つになれた!)

 

「うっうっうっ...」

 

(ユノ...泣いてるの?)

 

「嬉しい...。

チャンミン、好き」

 

チャンミンは、自分の真上に迫ったユノの頬を撫ぜた。

 

「僕も、ユノが好き」

 

「俺の夢が叶った」

 

「大げさだなぁ」

 

チャンミンは、ユノの頭をくしゃくしゃにした。

 

2人はキスをしながら、しばらく繋がった状態を楽しむ。

 

「うーん...」

 

(チャンミンの中...あったかい)

 

ユノは目をこすり、「よし」と小さく頷くと、チャンミンの両脇についた両手に力を込めた。

 

「チャンミン...」

 

「うん」

 

「動かすね」

 

(チョンユンホ、行きます!)

 

「ゆっくり、ね」

 

(俺の『ピストン運動』で、チャンミンを昇天させるからな!

でも...暗くて「繋がったところ」が見えないのが残念だ)

 

ぎし。

 

「!」

「!」

 

ぎしぎし。

 

ユノが動くたび、ベッドのスプリングがきしむ。

 

ぎしぎしぎし。

 

(音が気になって...集中できない!)

 

(父さんたちに、聞かれちゃう!)

 

「場所を移動しようか?」

 

「そ、そうだね」

 

ユノはチャンミンの中から引き抜くと、彼の手を引いてベッドから床へ降りかけたが、

 

(これじゃあ、チャンミンの背中が痛いよな)

 

掛布団を床に広げた上に、2人で寝転がった。

 

「チャンミン、好き」

 

(では、『挿入』のし直しです)

 

「んっ」

 

(やべーーー!

気持ちいいーーー!)

 

あまりの快感に、余裕がなくなったユノ。

 

(今、俺は!

チャンミンとアレしてるんだ!

チャンミンとアレ!

俺は今、チャンミンとアレしてるんだーーー!)

 

(注)熱くて大変申し訳ありません。

ユノは感動と快感に溺れるあまり、我を忘れています。

 

「はあはあ」

 

(ユ、ユノ!

は、激しすぎ!)

 

「はあはあ」

 

「待って...!」

 

(『可愛いユノ』が獣になっちゃって、

ちょっと...怖い...かも...)

 

ユノは汗だくだ。

 

「な、何?

はあはあ」

 

(深突き過ぎて...苦しい。

激しければいいってものじゃないんだけどな...。

そんなこと、今のユノには言えない...)

 

「あ、あのね...」

 

「はあはあ、チャンミン...。

はあはあ、気持ちいい?」

 

(気持ちいけどさ。

そんなに突かれたら、壊れそう)

 

「もうちょっと...ゆっくり」

 

「ごめん!

はあはあ。

痛かった?」

 

「落ち着いて」

 

(しまった!

気持ちよ過ぎて、がむしゃらに動いてしまった。

チャンミンを壊すところだった)

 

ユノは腰のスライドを緩めたが、それはそれで気持ちよくて、結局は無我夢中になってしまうのだった。

 

(気持ちいい!

ぬるぬるしてる!

気持ちよ過ぎ!!

音がえっち!

チャンミン、大好き!)

 

(だから、ユノ!

そんなにグイグイ突いちゃダメだって!)

 

チャンミンは声を出さないよう、丸めたパジャマで口を押えていた。

そんな姿もユノを煽る。

 

(チャンミンったら、喘ぎ声を我慢してるんだね。

可愛い)

 

「気持ちいい?」

 

チャンミンはうんうんと頷く。

 

(ユノの『野獣』っぷりに、ちょっと引いてるかも...。

初めてだから仕方ないよね。

一生懸命なんだもの)

 

「よかった...」

 

(チャンミンの喘ぎ声が聴きたい)

 

ユノはチャンミンから抜けるぎりぎりまで腰を引くと、力いっぱい押し込む。

「ひっ」とチャンミンが息をのむ姿が、ユノの『獣』を刺激する。

 

(おー!

チャンミンは、こういうのが好きなんだ。

了解)

 

(ダメダメ!

激しすぎるってば!)

 

(注)ユノの勘違いを温かい目で見守っていただきたい。

チャンミンを愛しているが故、彼なりに必死なのである。

 

(ちょっと...痛い...かも...!)

 

チャンミンはユノの腰に手をかけ、押しとどめようとするが、野獣と化したユノのピストン運動を制止できるはずもない。

 

(チャンミン、好き)

(ユノが...怖い!)

 

 

(つづく)

 

(15)Hug

 

 

 

「......」

 

(チャンミン!

 

なぜ黙ってる!?

 

...ま、まさか!

 

俺のがあまりにも小さくてショックを受けてるとか...!

 

『ユノったら、身体も態度も大きいのに、肝心なところは小さいんだ』って!

 

そうだよなぁ。

 

チャンミンは何本も目にしてきたんだから。

 

人並みだと思ってたんだけどな...。

 

自信なくしそうだ。

 

俺のをそんなに見ないでよ)

 

「......」

 

(ええい!

押し倒しちゃえ!)

 

「わっ!」

 

(無駄な肉がついていないんだな。

息が荒い...チャンミン先生、興奮してる)

 

(ユノが『男の眼』をしてる!

ドキドキする!)

 

(ここは気持ちいい...かな?)

 

「はぁぁ」

(※チャンミン)

 

(おー!

気持ちいいんだな?

じゃあ、この辺は?)

 

「んんん...」

(※チャンミン)

 

「...おふぅ!」

(※ユノ)

 

(駄目...チャンミン...。

う...気持ち良すぎ...。

誰かにしごかれるのなんて、初めてだから...)

 

「う...ふぅん」

(※ユノ)

 

(どこをどうすればいいか、全然わかんねぇ。

俺もしごいてやればいいのかな...。

うーん、チャンミンは乳首が弱いみたいだから...。

これはどうだ?)

 

「あん」

(※チャンミン)

 

(ユノ!

変な声が出ちゃったじゃないか!

それも女の子みたいな声が出ちゃったじゃないか!)

 

「あ、あん!」

(※チャンミン)

 

(チャンミン、可愛い!)

 

「ひゃっ!」

(※チャンミン)

 

(乳首ばっかり攻めないで!)

 

「...ひ...あ...」

「はあはあはあはあ」

 

(チャンミン...大好き)

 

(すごい!

ユノの腹筋がすごいんですけど!

ジムにでも通ってるのかな?

こんなにカッコいい子が、『チェリー』だったとは、驚きだ!

今までの彼女とは、どうしてたんだろう?)

 

「ひゃん」

(※チャンミン)

 

(ユノ!

おへそを触らないで!)

 

「くすぐったい」

 

(おー。

チャンミンって、へそに毛が生えてるんだ。

可愛い顔してるのに、意外だ。

それにここも...毛深い...密林だ...!)

 

「ひっ」

(※チャンミン)

 

(また変な声が出ちゃったよ。

ん?

ユノ?

焦らしてるの?

もうちょっと、横。

そうそう...あれ?

違う!

もうちょっと上)

 

「...はあはあ」

 

(やっぱり焦らしてるね。

ユノったら、僕の反応を楽しんでるな...と思ったら)

 

「はぁん!」

(※チャンミン)

 

(チャンミン...いちいち反応しちゃって、可愛いんだから!

ここはどうだ?)

 

「うふん」

(※チャンミン)

 

(また変な声が出ちゃった。

声を抑えられない!

僕だってすごいんだから。

ここをこうして...こうやると)

 

「はぅ...!」

(※ユノ)

 

(チャンミンがエロい!

ぞくぞくする...。

もうちょっと、下。

もうちょっと下をキスしてくれたら、俺は嬉しい)

 

「......」

「......」

 

二人の動きがぴたり、と止まった。

 

仰向けになったユノの上に、チャンミンが馬乗りになっている。

 

2人はそれぞれに、迷いと疑問が生じたのだ。

 

 

(待て。

 

俺はどっち側なんだ?

 

暗黙の了解に従っていていいのか?

 

なんとなく、チャンミンってそっち側っぽいと、思い込んでいたけど実は違うのかな。

 

その時になれば、どっちがどっちなのか分かると思ってたから、敢えてチャンミンに質問したことはなかったからなぁ。

 

こんなことなら、あらかじめ確認しておけばよかった!

 

でも俺は、チャンミンに合わせるつもりでいるからな!

 

もし、俺がそっち側だったら...何も準備してきてないから...今夜は無理だ)

 

 

(どうしよう。

 

この感じだと、僕がこっち側なのかな。

 

なんとなく、ユノの方がこっち側だと思い込んでいたんだけどな。

 

困ったなぁ...その経験はないんだけどなぁ。

 

ユノ、困った顔してる。

 

ここは、僕がリードすべきなんだよね。

 

うん、そうしよう!)

 

 

チャンミンはユノの肩をつかむと、ごろんと身体の位置を入れかえた。

 

 

 

 

 

 

「チャンミン?

何してるの?」

 

「...んっ...待って...ん...」

 

(そっか!

チャンミンがやってることって...そういうことか!

...ということは、当初の予定でオーケーってことだね)

 

「俺にもやらせて?」

 

「え...?

いいっ...自分で...。

もうちょっと...待ってて」

 

「お願い。

触らせて?」

 

「そんなっ!

駄目だよ」

 

「お願い。

これを塗ればいいの?

...こう?」

 

「...んっ...うん...」

 

(すご...あったかい)

 

「こう?」

 

「うん...もっと動かしても...大丈夫」

 

「痛くない?」

 

「ううん」

 

(恐る恐るのユノが、可愛い)

 

「こう?」

 

「...うん」

 

「もうちょっと、入れてもいい?」

 

「痛っ」

 

「ごめん!」

 

(ユノったら一生懸命なんだから。

いろいろと残念だけど...。

初めてだから仕方ないよね)

 

(出し入れするだけじゃダメなのか。

おかしいなぁ。

AVでは、かなり激しくしてたのになぁ。

(注)ユノのメイクラブ指南書はAVが全てである。

それじゃあ、これは?)

 

「あぁん!」

(※チャンミン)

 

(ユノ、いいよ、そんな感じ)

 

(おー!

指をちょっと曲げるといいんだね。

こんな風に、かき回すようにして...)

 

「はぁん」

(※チャンミン)

 

(おー!

チャンミン、声がえっち。

興奮してきた)

 

「はあはあはあ」

 

(やだ...。

ユノのモノ...ますます大きくなってきた。

久しぶりだからなぁ。

...入るかな?)

 

「大きい...」

 

「!!!!」

 

(皆さん。

今の聞きました?

俺のが「大きい」って!

俄然、ヤル気が出てきたぞ!)

 

(ユノ!

手が留守になってる!

動かしてったら!)

 

(これくらい柔らかくなってきたら、いい感じかな?

チャンミンの中に挿れたい!

俺は早く挿れたくて仕方ないんだ。

挿れたい!

挿れて動かしたい!)

 

「ふうふうふうふう」

 

(ユノ...鼻息が荒い。

興奮してるんだ)

 

 

(待て待て。

 

ガツガツしちゃダメだ。

 

落ち着け―、チョンユンホ!

 

さて、そろそろアレを『装着』をせねば...。

 

しまった!

 

箱から出していなかった!

 

えっと、どこに置いたかな...)

 

「ズボンのポケットの中!」

 

(そうだった!)

 

ごそごそ。

 

 

(おー!

あった!

ん?

ん?)

 

ごそごそ。

 

(フィルムが剥がせない。

暗くて見えない)

 

ごそごそ。

 

「電気つけていい?」

 

「駄目!

僕に貸して」

 

(どうして準備しておかないんだよ。

肝心なところで抜けてるんだから。

でも、そんなユノが大好きなんだけどね)

 

 

(いざ、『装着』!

 

...と言いつつ、困ったな。

 

どっちが表なんだ?

 

こっち?

 

暗くて手元が見えない。

 

手が震える)

 

 

ごそごそ。

 

 

(よいしょっと。

 

いでっ!

 

いてててて!

 

食い込んで...。

 

こんな小さいものが、果たして入るのか?

 

もう1個...やり直し。

 

いででっ!

 

あーもー、もう1個で再チャレンジだ!)

 

 

「チャンミン!(助けて!)」

 

(僕に任せて!

よいしょ。

え...このサイズじゃ入らないのかな...)

 

(き、きつい...!

 

「生」でヤリたいところだけど、チャンミンの為に『装着』しないと...!

 

よしっ!

 

入った!

 

いざ『挿入』!

 

俺たちのめくるめく愛の営みが、これから始まるぞ!)

 

(久しぶりだから、入るかな...?)

 

「挿れるよ?」

 

「うん」

 

 

みし...。

 

 

「!!」

「!!」

 

 

床を踏みしめる軋み音に、ユノとチャンミンは一時停止する。

 

ふわぁぁとあくびの声。

 

(お父さん!)

 

「しー!」

「トイレが近いんだ」

 

チャンミンの部屋の前を通り過ぎてゆく足音に続いて、ブッとおならの音。

 

2人は吹き出すのをこらえる。

 

(マズイ...いい雰囲気だったのが...)

 

ユノはチャンミンの両膝を肩に担いだ状態で、固まってしまった。

 

(俺のユノユノが...!)

 

 

 

(つづく)

 

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