(6)恋人たちのゆーふぉりあ

 

 

~ユノ~

 

俺たちはかれこれ30分以上無言だった。

室内は静まり返り、チャンミンのばーさんが焼いたクッキーを齧る音と、身じろぎする衣擦れの音。

スクロールする指は止まらない。

チャンミンは傍らに置いたノートに、メモを取っている。

 

「どのサイトも似たようなことしか書いていないな。

必要な道具のことしか書いてないじゃん。

怪しい通販サイトに飛ばすばっかりでさ。

セクシーランジェリーとかさ」

 

「検索キーワードを変えてみたら?」

 

「例えば?」

 

「『アナル』『セックス』『やり方』だけじゃ駄目だからね」

 

「!!!」

 

「間に半角スペースを入れてね。

あと、除外ワードも入れておいた方がいいよ。

僕は心得について調べるから、ユノは必要なグッズをピックアップしておいてよ」

 

どうってことない風のチャンミンを、俺は新鮮な思いで見つめてしまうのだった。

 

「これはどう?」

 

チャンミンを手招きして、めぼしいサイトページを見せた。

 

「ネーミングがウケるよね?」

 

「へぇ...意外に安いんだね」

 

「これって...どうやって使うの?」

 

「最初だから、スタンダードなものでいいんじゃないの?」

 

「ネットで買ってもいいけど、自宅に届くんだろ?

チャンミンちじゃ具合が悪いよなぁ。

お届け先は俺んちにしよう」

 

「薬局に売ってるのじゃ駄目なのかなぁ?」

 

「どうなんだろう?

でもさ、ほら、ここを読んでみて。

『通常のローションだと乾きやすい』んだって。

やっぱ、ケツ用のじゃないと」

 

「お店の人に訊いたら、教えてくれないかな?

お尻用でしたら、こちらになります、って?」

 

「ば、馬鹿!

何言ってるんだよ!?」

 

「やっぱり、恥ずかしいよね」

 

こんなに肝っ玉が据わっているのに、前カノDちゃんとは本番ができなかっただなんて...。

ヤル気が失せたと言っていたから、ヤル気や度胸、テクニック以前の問題か...。

Dちゃんとは「したくなかった」とまで言っていた。

俺との蜜月のために、ここまで積極性を発揮してもらえて、実はとても嬉しかった。

実を言うと、俺の方は怖気付いていた。

なぜなら、熱を出してしまった子供時代の思い出がよみがえったからだ。

薬を飲んでも水を飲んでもげーげー吐いてしまったせいで、解熱の座薬を入れてもらったんだ。

 

「力を抜いて」と言われても緊張しているせいで、なかなか入っていかない。

 

押し込んだ薬が、スポンと押し出されてしまう。

その時の、強烈な違和感といったら!

アーモンドサイズでもあれなのに、その何倍ものサイズのものを、チャンミンは入れられるんだぞ。

痛いだろうし、気持ちが悪いだろう。

何も男同士に限らず、ひとつのプレイとして愛好者は多いらしいけど、俺は相手を気遣ってしまって、萎えてしまいそうだった。

 

「ゴムはユノが持ってるよね?

Aちゃんと付き合ってた時のやつ、まだあるでしょ?

僕も旅行前に買ったのがあるし」

 

俺たちは凄い。

性についてあけっぴろげに会話できてしまっている。

これは、相手がチャンミンだからこそなのか、他所様のカップルを見たことがないから、判断ができない。

なんてことない風を装って、緊張や照れを隠そうとしているのかもしれない。

なんせ俺たちはまだ20歳そこそこで、その辺の情報に疎い。

20年そこそこの経験であっても、少しばかり普通とズレている認識はある。

たまたまお互いが男だっただけで、別段身構える必要はない!

 

ない!

 

自分に言い聞かせている。

俺が唯一分かっていることとは、好きな奴がいれば裸になってがむしゃらに抱き合うことだけ。

俺はと言えば、せいぜい2人(正確には3人)の女の子との経験しかないし、チャンミンに限ってはそれすらない。

俺たちの頭ん中はただひとつ...ヤリたい。

これだけだ。

さっき、チャンミンのケツに触れてみて、コトを成し遂げるのはそう簡単じゃなさそうだ。

 

「...ユノとギュッとした時にね」

 

唐突にチャンミンは口を開いた。

 

「んー?」

 

「ギューの前かな、キスしちゃう前。

その時から感じていたことなんだけど...」

 

互いの気持ちを言葉にする前に、俺たちはキスを交わしていた。

 

「違うなぁ...もっと前のことだった。

Dとのえっちが成功しなくて、しょげてた前のこと。

つまり...ユノと初めて会った時のこと」

 

あの旅行では、集合場所に指定した駅で、俺はチャンミンとその彼女Dちゃんと「初めまして」をしたんだった。

 

(その時点から、チャンミンはDちゃんのスーツケースを持っていたなぁ)

 

すくすくと成長し過ぎた長身に、やや童顔のチャンミンに、小柄で地味目のDちゃんが腕を絡めていた。

「どうも~」と笑顔で挨拶したら、二人とも「どうも...」とつぶやいて、愛想笑いを浮かべただけ。

俺もAもどちらかというと明るいタイプだったから、真逆の雰囲気の二人の登場に、「この旅行、盛り上がるのかなぁ」と気が重くなった。

盛り上げなくてはならない役目は自分になりそうだったから。

第一印象はイマイチだったけれど、大人しそうに見えて実はジャイアンなDちゃんの世話に チャンミンを気の毒に思った。

気づけば隣のAそっちのけで、チャンミンを目で追っていた。

 

 

「僕がじろじろ見ていたって話は前にしたよね」

 

「うん」

 

「その時に『あれ?』と感じたことがあって...それから、キスしてギュッとした時に、『なるほど!』って分かったんだ」

 

「何を?」

 

「ユノのお尻に僕が挿れるなんて、とんでもない!

挿れるつもりは全くなかった、ってこと。

成り行き上のことじゃなくて、これは僕が望んでいることなんだ。

僕だって怖いよ。

そうりゃそうだよ。

経験がないんだから。

僕だって男だし、ムラムラする。

ムラムラはこれをしごいてやれば済むことだ。

でもね、ユノを前にするとね、もっと違うことをしたいんだ。

僕にその気があるかどうかは分からない。

経験がないんだから。

ユノ限定で...相手がユノだから、こういうことをしたくなったんだと思う」

 

「...チャンミン」

 

「どんな風なんだろう、って興味でいっぱい。

もっと大きいのは、ユノと早くヤリたい」

 

「うん、俺も」

 

「好きな人とヤリたくて仕方がない気持ちってのは、今みたいなのを言うんだろうなぁ」

 

「うん、俺も」

 

「イレギュラーなトコ相手だから、女の子相手とは勝手が違うだろうけどね」

 

さし伸ばされたチャンミンの手を握った。

 

「僕はユノとしたい」

 

「俺も」

 

「ユノんちにアレが届いたら教えてね」

 

「オッケ」

 

 

(つづく)

(5)恋人たちのゆーふぉりあ

 

~ユノ~

 

チャンミンはあそこを膨らませたまま、ドアまで行った。

 

「ユノも手伝って!」

 

「えっ、えっ!?」

 

「早く!

そっち持って」

 

「わ、わかった」

 

雑誌が詰まったカラーボックス(重い!)を、二人でドアの前まで引きずった。

内開きのドアを、カラーボックスで塞いだのだ。

 

「これで安心でしょう?」

 

ばーさんは入ってこないけど...入って来られないけどさ、ここまでするか、普通?

 

「続き」

 

先にベッドに横たわったチャンミンは、両腕をひろげて「おいでおいで」と手をひらひらさせた。

俺はチャンミンに覆いかぶさり、べろべろのキスを交わし合う。

 

「...んっ...ふっ...」

 

それぞれ下に伸ばした手で、ファスナーを下ろし下着の中からブツを取り出した。

 

「あ...はぁ...」

 

そして、互いのブツを握り上下させる。

熱い吐息、鼻息が頬に吹きかけられる。

 

「...ねぇ...っ...」

 

「...ん...何?」

 

「...あそこ...触ってみる?」

 

息継ぎで唇を離したタイミングで、チャンミンが言った。

 

「あそこって?」

 

「ここだよ」

 

チャンミンは俺の手首をつかむと、自身の後ろに誘導した。

 

「!!!」

 

俺の指先は、チャンミンの谷間の底にある。

俺はこの展開に頭がついてこない。

俺を見上げるチャンミンの目がマジだった。

喜怒哀楽を消した真顔だった。

 

「...チャンミン。

本気?」

 

チャンミンはこくり、と頷いた。

手に入れたばかりの『恋愛メソッド』に感化されたのだろうか?

 

「えっと...。

チャンミン...。

...そういうこと?」

 

「...うん」

 

チャンミンは俺と同じストレートだ。

 

「話をしようか?」

 

俺はチャンミンのケツから手を離し、彼に対面して胡坐をかいた。

 

「正直に言おう。

俺も早く『したい』

ここを見れば...分かるだろ?」

 

俺が指さすソコをチャンミンはじっと見つめた後、こくんと頷いた。

 

「俺さ...男とやったことない」

 

「僕も...。

そもそも僕の場合は、女の子相手でも...やったことない」

 

「そうだったよな」

 

数日前に俺と付き合うようになる前は、チャンミンにも彼女がいた。

アレを思う存分できるはずの旅行先で、チャンミンはうまくコトを成せず、そんな彼を彼女...Dはボロクソに言っていたのだ。

 

「難しく考えなくてもいいと思うよ」

 

チャンミンは腰下までずり落ちたボトムスを引き上げた。

 

「そりゃそうだけど...」

 

チャンミンと抱き合い、腰を擦り合わせあい、ブツをしごき合う間の俺は、モーレツに興奮していた。

それなのに、チャンミンのケツに指をいざなわれた時、俺の指は動かせずにいた。

怖気付いていたこともあるが、急に我に返ったのだ。

チャンミンは男だから、当然『穴』はないわけで...。

チャンミンとコトを成すということは...アソコに挿れるということだ。

チャンミンの言う通り、俺は物事を重大に、大袈裟に考え過ぎているせいなのかなぁ。

ケツを俺に突き出したことから、チャンミンはそっちの気満々だったわけで...。

そうじゃなくても、チャンミンと抱き合った時に、役割と言うか...どっちがそっちなのかが自然と決まっていた。

敢えて言葉にして確認したわけじゃないけど、さ。

こういうのって相性?

二人の関係性?

願望?

そういうので決まるんだなぁと、新しい発見をしたのだった。

 

「入るモノなんだろうか...?」

 

勇気を振り絞ったわりには、つぶやき声になってしまった。

 

「だからさ、難しく考えすぎなんだよ」

 

「なあ、チャンミン。

どうしてもセックスをしないといけないんだろうか?」

 

「何言ってんの、ユノ?」

 

俺の悪いところは、何事においても熟考し過ぎてしまい、答えが出るまでに少々の時間を要してしまうところだ。

なんせ、チャンミンから目を離せず、理由なく惹かれてしまった理由を求めて、さんざんひねくりまわしていて、チャンミンからのキスがなければ、今のような関係になっていなかった。

でも俺という人間は、答えが出てからの行動は早いのだ。

 

「怖い、というか...。

俺はいいけどさ、チャンミンを怪我させそうで。

だってさ、俺のブツが果たして挿るのかどうか...。

これくらいあるんだぞ?」

 

俺は人差し指と親指を輪っかにして、空気のブツを握ってみせる。

 

「え~。

そこまで太くないよ。

これくらい?」

 

チャンミンも空気のブツを握ってみせた。

 

「そこまで細くねぇよ!」

 

「ふふふっ。

冗談だよ」

 

「話が反れた。

サイズの話をしているんじゃないんだ」

 

指先に触れたチャンミンのソコの感触を思い出してみる。

女の子のものとは違って、キュッと固く閉じられていた。

どう考えても無理だろ...。

 

「だ~か~ら。

ユノは深刻に考え過ぎなの!

女の子とするときも、ソコを使うんでしょ?」

 

「やったことねーよ。

今までみたいのでダメかな?

触りっこも気持ちいじゃん」

 

弱腰の俺に、チャンミンは「駄目ダメ」と言って喝をいれた。

 

「しごき合いっこは未だ5,6回くらいしかやったことないし、あれはあれでいいよ。

でもねぇ...僕はヤダ。

ユノと究極の愛し方をしたいんだ」

 

ずいっと乗り出したチャンミンの頭を、ポンポン叩いた。

 

「分かってるよ。

気軽にいこうか。

よし!

チャンミン、スマホを出せ」

 

俺たちはテーブルの上に置いたスマホを、それぞれたぐり寄せた。

 

「情報収集だ」

 

今日になるまで俺は呑気者なことに、この類のことを調べてさえいなかった。

もっとずっと後に考えればいいと考えていたから。

検索結果をノートにメモを取るチャンミンを見て、こういう真面目なところが彼の魅力のひとつなんだなぁとしみじみ思った。

 

「ユノ!

手が止まってるよ!」

 

「ごめん!」

 

コンコンとノックの音。

 

「!!!」

「!!!」

 

チャンミンは、「どうぞ!」とドア向こうに声をかけた。

助かった!俺たちは服を着ている!

ガタガタとドアが揺れている。

 

「しまった」

 

俺たちはベッドから飛び降りて、ドアを塞いでいたカラーボックスを除かした。

 

「ばあちゃん...はあはあ、ごめん」

 

「あらあらあら。

邪魔したのかしら?」

 

「はあはあ...全~然」

 

息を切らす俺たちに、ばあさんはジュースとクッキーが載ったトレーをチャンミンに手渡した。

ばあさんは意味深な笑みを浮かべると、階下へ戻っていった。

 

(つづく)

(4)恋人たちのゆーふぉりあ

 

 

〜ユノ〜

 

 

「木曜日はどう?」

 

「あー、ダメだ。

実習が入ってる」

 

「何時に終わるの?」

 

「えっとね...18時」

 

「そっか~。

僕は...金曜日は、びっしり4時限入ってる」

 

「二人とも空いてるのは、水曜日の午後だけか...」

 

「講義の合間には会えるよね?

ご飯を一緒に食べようよ」

 

俺たちはシラバスを広げ、二人揃って講義のない曜日を確認しているところだった。

 

ここはチャンミンの部屋。

 

ぐるりと部屋を見回した。

 

学習机、本棚、ベッド、カラーボックス、きちんと整理整頓されている。

 

水玉模様のカーテンは子供の頃から使っているんだろうな、ピカピカに磨かれた窓ガラスに、チャンミンの性格が窺える。

 

本棚を見れば、その人が分かる、とよく言う。

 

本棚の中身と言えば...辞書や参考書、専門書『社会科学の統計法』(納得)、同じメーカーで統一したノート、絵本(『パンダ君の冒険』)、何冊もの自己啓発書...例えば、『女性部下のマネジメント法』(なぜ?)、『恋愛の科学』(彼なりに悩むところがあるのだろう)...それから...。

 

「!!!」

 

『男と男の恋愛メソッド』...まだ新しい...。

 

チャンミンはテーブルに広げたレポート用紙を、難しい顔をして睨みつけていた。

 

レポート用紙には、上段行に曜日、縦列に俺とチャンミンを記し、さらにその枡を4列に割った表が記されている。

 

俺とチャンミンの受講講義スケジュールを、それぞれ照らし合わせていたのだ。

 

俺たちは学部が異なっていたため、受ける講義も異なれば、教科棟も別々なのだ。

 

隣同士で同じ講義を受けることが出来ない。

 

階段教室の一番後ろの席を陣取り、顔を寄せ合いくすくす笑ったり、机の下でこっそり手を繋いだり...『いかにも』なことが出来ないことが残念だった。

 

(チャンミンに板書を任せ、俺は隣で漫画でも読んでいようか...なんてズルいことは考えていない)

 

救いは、朝から夕方までの4講義が埋まっている曜日は滅多にないこと。

 

午後からの日もあれば、次の講義まで4時間空く曜日もある。

 

その隙間時間を、二人して探っていたわけだ。

 

「よし。

水曜の午後でしょ」

 

と、チャンミンは蛍光ペンでその枡を塗りつぶした。

 

手書きの表と格闘するチャンミンのつむじを、眺めていた。

 

「この講義はユノのところの教科棟で受けるから、会えるね」

 

パッと頭を起こしたチャンミンの、輝いた笑顔といったら!

 

本屋で何冊かの候補の中から、『男と男の恋愛メソッド』を手に取ったチャンミンの姿まで想像できてしまった。

 

それを堂々とレジに持っていく姿まで思い浮かんだ。

 

(こういう面では、引け目のない大胆さがある)

 

チャンミンが愛おしくなってきたのだ。

 

「ユノ...!」

 

俺に押し倒されたチャンミンは、ベージュ色のカーペットの上に仰向けになってしまった。

 

手には蛍光ペンを持ったままだ。

 

俺はそれをチャンミンの指から抜き、テーブルに戻した。

 

チャンミンの「キャップ!」の言葉に、「らしいなぁ」と思った。

 

まだチャンミンがどんなキャラなのか、知らないことだらけなのにね。

 

真ん丸に見開いていたまぶたが数ミリ伏せられ、その色気に誘われた。

 

「していい?」

 

「!」

 

真ん丸に戻ってしまったチャンミンの目。

 

「...今から?」と、掠れた声で俺に問う。

 

「していい?」っていうのは、「キス」のことだ。

 

頭の中では「キス」なんてワードはいくらでも言えるけれど、いざ言葉に出すとなると照れくさい。

 

チャンミンは別の意味...もっとステップアップした言葉だと、受け取ってしまったらしいのだ。

 

「これだよ、これ!」

 

何か言おうと開きかけたチャンミンの唇を、ちょっとだけ乱暴に塞いだ。

 

「...んっ...」

 

真上へ伸ばすチャンミンの舌を、自身の口内で迎えて、頬張り吸った。

 

俺の背にチャンミンの両腕に回された。

 

「ユノったら突然なんだもの...びっくりした」

 

「ビックリしてたわりには...ほら。

そこ...」

 

チャンミンのそこを突いた。

 

「反応してるじゃん」

 

チャンミンはうつむき、ファスナーの辺りで窮屈そうに斜めに浮かんだそれを確認した。

 

「ユノだって同じだよ。

今みたいなえっちなキスされたら、こうなっちゃうって」

 

俺たちの下半身で、噴火口をふさがれたマグマのように出口を求めて滞留している。

 

俺はチャンミンのことが好きだし、荒々しいムラムラを下半身に抱えているしで、彼を前にしていると、心と身体がかっかと熱くなってしまう。

 

さっきは寸止めしてしまったのを、もう1歩進めてみたくなった。

 

チャンミンは立ち上がると、ベッド横の窓のカーテンを閉めた。

 

この後の展開が読めた俺も、立ち上がった。

 

「ごめん...鍵はついていないんだ」と、チャンミンは申し訳なさそうに言った。

 

「お前のばーさんが入ってくるぞ?

『クッキーの追加はどう?』って」

 

クッキーの皿もグラスの飲み物も空になっていた。

 

「そうだね...。

でも、気を利かせてくれるよ」

 

「え~。

分かんないぞ」

 

確かに、俺たちにおやつを持って来てくれた時も、15分後だった。

 

(キスやらハグやらが一通り終わった頃合い?)

 

「もうちょっと...しようか?」

 

「...うん」

 

 

(つづく)

 

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(3)恋人たちのゆーふぉりあ

 

 

~ユノ~

 

 

「ただいまー」

 

チャンミンは大声で声をかけた。

 

...ということは、俺たち二人きりにはなれない、ということか、とちょっぴり残念だ。

 

玄関先でもじもじしていると、「遠慮していないで、入りなよ」と急かされた。

 

「お邪魔します...」

 

外観通り、チャンミン宅の中も普通だった。

 

その家独特の匂い、というものがあるものだ。

 

俺は鼻をくんくんさせて、その匂いを嗅ぐ。

 

チャンミンのTシャツの匂いと、バターと漬物の匂いがする...でも、決して嫌な匂いじゃない。

 

玄関の上がり框に階段があり、左手に居間の引き戸、突き当りの台所のドアは開けっ放し。

 

靴箱に杖が引っかけてあり、チャンミンのじーさんかばーさんは足が悪いのかな、と思った。

 

俺の部屋なら脱ぎっぱなしにするスニーカーを、きちっと揃える。

 

「あらあらあらあら。

いらっしゃい」

 

台所の方からエプロンで手を拭き拭き、チャンミンのばーさんが出迎えにやって来た。

 

失礼ながら、長身・美形のチャンミンの家族にしては、ころころ太った小柄な平凡な顔立ちの(高い頬骨はばーさん譲りかな?)、薄化粧と小綺麗な洋服を着た60代の女性だった。

 

「初めまして。

ユノ、と言います。

俺...僕はチャンミンさんと同じ大学の...」

 

俺の自己紹介にかぶせる恰好で、

 

「ユノは僕の彼氏なんだ。

恋人なんだ」

 

「!!!!」

 

俺は隣に立つチャンミンを勢いよく振り向く。

 

この男は一体何を言い出すんだ!?

 

ばーさんも目を丸くして、チャンミンと俺とを交互に見る。

 

3人揃っての無言タイムの間、俺の全身はカッと熱くなり、よくわからない汗がどっと噴き出た。

 

「...まあ、そうなの」

 

彼女は強張った表情を崩すと、

 

「狭い家でしょ。

どうぞゆっくりしていってくださいな。

クッキーを焼いたから、あとで食べていってね」

 

にっこり笑って、パタパタとスリッパを鳴らして台所へ引き上げていった。

 

「......」

 

「ふふっ。

ばあちゃんったら、ユノが来るからって張り切ってる。

化粧なんてしてさ」

 

「......」

 

「僕の部屋は2階なんだ。

こっちだよ」

 

理解が追い付かず目を白黒させている俺の腕を引いて、傾斜の急な階段を上っていく。

 

 

 

 

パタン、と部屋のドアが閉まるなり、

 

「お前な~。

『彼氏』って...『彼氏』ってなぁ?」

 

バッグを放りだして、俺はチャンミンの首を絞める真似をした。

 

「ちょっ、ユノ!」

 

全力で抵抗するチャンミンの背中にのしかかり、お次は脇をくすぐった。

 

「『恋人』って何だよ!?」

 

「ひゃははははは!」

 

くすぐりの刑のお返しをくらった俺も、身をくねらせて、チャンミンの両膝を片足でホールドする。

 

「やめっ、やめろっ!

ひひひひひ!」

 

「やめっ、やめて。

ひゃはっ!

お腹が...お腹...死ぬ、苦し!」

 

小学生みたいにじゃれあう俺たち。

 

「わっ!」

 

チャンミンに足をすくわれ、俺たちは絡まったままベッドに倒れ込んだ。

 

男2人分の体重を受け、シングルベッドのマットレスがギシギシたわんだ。

 

向かい合わせに寝転がった俺たちのクスクス笑いは止まらない。

 

「ふぅ...」

 

呼吸が整ったところで、俺はチャンミンの片頬を包み込む。

 

とっくみあいのせいで、チャンミンの頬は燃えるように熱く、汗に濡れた前髪が額に張り付いていた。

 

「お前のばーさん、心臓発作起こすぞ?

年寄の頭は固いんだぞ?

...そうじゃなくても、普通の人だってびっくりするよ。

俺は『彼女』じゃない、『男』だ」

 

「うん、分かってるよ」

 

「『友達』でよかったのに...」

 

チャンミンをたしなめた俺だけど、彼の意図はなんとなく分かった。

 

俺が新学期を恐れるように、チャンミンはチャンミンなりに気にしていたんだな。

 

チャンミンは俺と違って、ケロッとしていそうだ、と勝手に想像していた。

 

付き合って1週間、この短期間のやりとりから「チャンミンはこういう奴じゃないかなぁ?」って。

 

突然キスをしてくる大胆な行動、どこかとぼけた口調で自身をあっけらかんと開示する。

 

平気なフリしてくれたのは、俺のためなんだろうな。

 

だからこそ、こそこそと隠す前にさっさと宣言したのだ。

 

...多分、そういうことなんだろうな、と思っていたら、

 

「こういうことは早めに知らせておいた方いいんだよ」

 

と、チャンミンは俺の思いと同じことを言った。

 

「...そうだね」

 

「ばーちゃんはじーちゃんに報告するだろうね。

じーちゃんは、『チャンミンの冗談に決まってる』って、取り合わないかもしれない。

悩むだろうね。

でも、僕やユノには嫌な顔は見せないと思う。

時間はかかっても受け入れようと、頑張るんじゃないかな」

 

「そっか...」

 

我が家族は、天と地がひっくり返ったかのように仰天するだろうなぁ。

 

こんこんと説教するかもしれない...いや...ケロッとしてるかもしれない。

 

分からない。

 

だって、「俺の恋人は『男』なの」なんて、カミングアウトの経験はないんだもの。

 

先のことは今からくよくよと思い悩むのは止しておこう。

 

俺たちの恋はスタート地点に立ったばかり。

 

チャンミンのことなら何でも知りたい。

 

新たな発見を積み重ねていくうちに、俺たちを包み込む層も厚くなる。

 

 

 

 

すーっとチャンミンの顔が近づき、優しく柔らかなキスをされた。

 

俺は上半身を肘で支えて、深い深いキスをお返しする。

 

俺はチャンミンの頬を両手で挟み、チャンミンは俺のうなじと背中に両腕を回す。

 

チャンミンも身を起こし俺を下敷きにして、俺の首筋に吸いついた。

 

「あ...は」

 

下半身がぞくり、とうずく。

 

チャンミンのTシャツの下から手を忍ばせる。

 

熱い肌。

 

まっ平の胸。

 

指先に触れた小さな突起を摘まんで、2本の指でこすり合わせた。

 

「ひゃ...はっ」

 

チャンミンの背がのけぞった。

 

「え?

気持ちいいの?」

 

チャンミンはこくこくと頷く。

 

へぇ...男でもそこは気持ちいんだ、知らなかった。

 

Tシャツの中に頭を突っ込もうとしたら、チャンミンに頬をつかまれ引き上げられた。

 

チャンミンの唇は唾液で光り、半開きでキスをねだっている。

 

室内に、くちゅくちゅ、ちゅうちゅういうエロい音。

 

上になり下になり、くんずほぐれつ絡み合う。

 

その度にベッドはきしみ、壁伝いに伝わった振動で、蛍光灯の紐が揺れた。

 

両腿を絡め、互いの膨らんだものをこすりつけ合う。

 

4枚の生地越しがもどかしいけれど、そのソフトな刺激が興奮をあおる。

 

ウエストボタンを早業で外し、緩んだ隙間へ片手を突っ込んだ。

 

熱く蒸れたブツをつかみ、上下させる。

 

「なあ。

ばーさんが上がってくるんじゃないの?

...んっ。

クッキー焼いたって言ってたじゃん」

 

「んっ...だいじょう、ぶ。

気を利かせてっ...ふっ...ん。

しばらく...っ...来ないよ」

 

チャンミンの手も、俺の下着の中にもぐりこんだ。

 

「どんだけ理解あるんだよ」

 

「恋人を連れてきたって...あっは...。

...邪魔しないようにっ...って」

 

「普通は、邪魔しに...はっ、はぁ。

...来るんじゃないの?」

 

「そのときは、そのとき...だよ」

 

チャンミンと絡み合うのは、例の旅行以来だ。

 

俺たちの中で膨れ上がった欲望は、止められない。

 

止められないけど、止めるしかない。

 

この後の進行に、迷いと戸惑いがあったからだ。

 

「タンマ」

 

「んっ...?」

 

「タンマだ、チャンミン」

 

「......」

 

「一旦離れようか?」

 

「...うん。

そうだね」

 

俺たちはそれぞれ、握ったブツから手を離した。

 

「はあはあはあはあ...」

 

「暑いね」

 

「続きは、今日の用事を...済ませてからにしよう」

 

「...うん」

 

飛び出したブツを下着におさめ、ファスナーをあげた。

 

不完全燃焼だけど、今はストップだ。

 

止められなくなる。

 

俺としては、いろいろと整理しておきたいことがあったからだ。

 

 

(つづく)

 

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(2)恋人たちのゆーふぉりあ

 

 

 

~チャンミン~

 

 

僕とユノの馴れ初めは、3か月ばかり前のことだ。

 

出会った時、僕らにはそれぞれ『彼女』がいた。

 

僕と彼女、ユノと彼女、2組で旅行に出かけていた。

 

ユノを初めて見た時、「あ...」って。

 

実際に、「あ...」って声が出ていた。

 

そして、「凄い...」と思った。

 

何が凄いのか説明がつかない凄いものが、僕のハートを鷲掴みしてシェイクした。

 

僕はてくてく、道を歩いていた。

 

違うな...逆だ。

 

てくてく歩いていたのはユノの方で、彼をさらって走り去ったのは僕の方だ。

 

僕は元来、恋愛事に熱心な方じゃない。

 

でも、女の子と肌が触れそうに近くにいると、うずうずしてしまう欲求は抑えられない。

 

それと同じものを、ユノ相手にも感じてしまったのだ。

 

ユノは女の子じゃないのに...変なの...なんて、全く思わなかった。

 

20年ばかりの僕の常識はひっくり返り、ごちゃごちゃ考える前に身体が動いていた。

 

初めて顔を合わせてわずか2日後に、僕はユノのアソコを握っていた。

 

...僕がこんなに情熱的な男だったなんて!

 

この発見に驚いた。

 

 


 

 

~ユノ~

 

 

「新学期が怖い」とチャンミンは不安がっていた。

 

さらに「見せつけてやろうぜ」なんて、俺は余裕を見せていた。

 

不安がるフリをしていたのはチャンミンで、いよいよ新学期が始まるとなった今、緊張し出したのは俺の方だったのだ。

 

 

 

 

例の旅行から戻り、駅で解散した俺たちは各々の自宅へと帰った。

 

荷解きを終え、洗濯機が回る音を聞きながら、ベッドに仰向けに寝転がった俺の手にはスマホがある。

 

そこには、ホテルの部屋で撮った笑顔の俺たちの写真。

 

幸福と期待で笑顔が光ってる。

 

顔しか写っていないけど、下はパンツ一丁で、彼女にフラれた(フッた?)30分後の俺たちの笑顔。

 

失恋したのに、この笑顔。

 

旅先の非日常的な空間で生まれた恋。

 

現実的な日常に立ち返ってみると、いかにぶっとんだことを始めてしまったことを実感するのだ。

 

俺は男、チャンミンも男。

 

数日前までは、自分には縁のない遠いこと、もっと言えば、絶対に自分にはあり得ない関係性だった。

 

同性相手に恋をする?

 

まさか!

 

あり得ない。

 

その「まさか」が、大してハードルの高いものじゃなかったことが、俺を驚かせるのだ。

 

恋する気持ちって...凄いなぁって。

 

どうしようもなく惹かれてしまったとき、それが恋。

 

年の差も容姿も立場の差も国籍も何もかも、恋心を阻む理由にはならないのだ。

 

恋路の邪魔にはなる。

 

それは大抵、第三者や外野の雑音だ。

 

俺が新学期を前に緊張している原因は、そこなんだと思う。

 

その雑音をどれだけ無視できるか、自分たちだけの世界に浸れるか、そして、何を言われようと揺るがない信頼を互いに築けるか...これが肝要だ。

 

俺もチャンミンも世間知らずの大学生で、好きでいさえすれば、それら雑音もとるにたらない問題にしてしまえると信じている。

 

いよいよ社会人となり、交際期間を1年また1年と重ねてゆくうちに、何かしらの物足りなさや将来への不安を抱くようになるだろう。

 

今はまだ、何も知らない21歳でいさせて欲しい。

 

せいぜい、学校内の視線だけを気にしていればいいんだ。

 

俺たちは何も、悪いことはしていないのだ。

 

俺とチャンミンは知り合ってまだ3日。

 

恋心に関しては自信がある。

 

信頼関係はこれから築く。

 

ひと晩会話してみて(会話だけじゃなく、ブツのしごきあいもしたけれど)、俺たちを包み込む空気の層の濃さが同じだと知った。

 

チャンミンといるとリラックスできる。

 

己惚れじゃなくチャンミンだって、同じ感覚を抱いたと思うんだ。

 

例えば、帰りの列車の中で。

 

俺の寝ぐせを梳かしつけてくれたチャンミンの手や、大あくびしたのをばっちり俺に見られ、照れ笑いした彼のまぶたの優しさ。

 

寝過ごしそうになった俺を容赦なくたたき起こし、2人分の荷物を抱え、俺の手を引いて先を歩くチャンミンの背中。

 

...一緒にいて楽だ。

 

楽で楽しい。

 

それに...。

 

舌をからめあい、唾液を味わい、粘膜が擦り切れそうなほど刺激し合った昨夜。

 

ゾクゾク興奮して、気持ちがよかった。

 

(なんて思い出したりするから、俺のあそこは目覚めてしまうんだ。

いつもの半分程度だ。

さすがに今日は、もう無理だ。

2、3日はオナる必要はない、と今は思えても、明日になればせずにはいられなくなるんだろうな。

なんせ、俺は若いから)

 

最高だ。

 

新しい恋は、希望に満ちている!

 

前向きな気持ちになった途端、俺はふと立ち止まる。

 

恋の仕方は知っている、好きでいられる間が恋だから。

 

ところが、「愛し方」となると自信がないのだ。

 

「愛し方」とはつまり...そう、アレのことだ。

 

 

 

 

翌日を新学期に控えた日、「チャンミンちに行っていい?」と言ったところ、「う~ん...」浮かない声だった。

 

付き合って数日も経たないうちに、自宅を訪ねるのは早すぎたのかな?

 

チャンミンは、プライベート空間に招くのはもっと、交際期間を経てからだと考えるタイプなのかな?

 

当初、俺の部屋で会う予定だったのが、そのアパートは朝から断水していた(工事用重機が水道管を傷めてしまったのだとか)

 

集合場所をファストフード店やファミリーレストランに変更するのではなく、チャンミンの部屋を指定したワケは、公の場じゃ「えっちなことができないから」、だけじゃない。

 

チャンミンの部屋ってどんな風なのかなぁ、って興味があったんだ。

 

好きな人のことって、何でも知りたいものだろ?

 

特に、恋愛初期の頃は。

 

渋るチャンミンの声に、拒否られたと俺の心は受け取って、しゅんと萎んできた。

 

俺の沈んだ声に、チャンミンは慌てて言った。

 

「ごめんね、ユノ。

ユノに来てもらいたくない、っていう意味じゃないんだよ。

ユノが困るかなぁ、と思ったんだ」

 

「困るって、俺が?」

 

「うん。

僕ね、家族と暮らしているの。

1人暮らしじゃないんだ。

ユノの部屋にいけなくて、残念だよ...。

ユノはどんな部屋で生活しているか、知りたかったから」

 

「...チャンミン...」

 

俺とおんなじこと思ってたなんて...胸がきゅんとして、拗ねた心もほどけた。

 

「実家暮らしなんだ、へえぇ」

 

「祖父母と3人暮らしなんだ」

 

「そうなんだ」

 

両親は?と尋ねそびれてしまった。

 

もし悲しい話なら、不躾に尋ねるのをはばかれたし、いやいや、こういうデリケートな内容は最初のうちに、さらっと訊いてしまった方が、チャンミンとしても気が楽かもしれない、とか、あれこれ考えるいつもの俺の癖のせいで、しばし無言になってしまった。

 

「父は亡くなっていて、母は再婚してどこかにいる。

僕はじーちゃん、ばーちゃんに育てられたんだ」

 

「そっか...」

 

「ほらほら~。

笑って、ユノ?

暗い話でもなんでもないんだから」

 

「うん」

 

チャンミンの家は、俺のアパートと大学を挟んだ反対側にあった。

 

「へえぇ」と感心したのは、ご近所に暮らしていても、その気で出会わなければ接点がない、という点だ。

 

大学の裏門で待ち合わせをし、チャンミンに案内されながら、見慣れない風景に俺はキョロキョロしていた。

 

俺の生活圏は、表門側一帯だったから、チャンミンに案内されなければ、裏門側の住宅街にわざわざ足を運ぶことはなかっただろう。

 

「小さい頃からここに住んでたの?」

 

「うん。

ここが僕の地元だよ。

どうしても進学がしたくて...家から近くて学費が安いところとなると、この学校を目指すしかなかったんだ」

 

「頑張ったね、チャンミン」

 

「頑張って勉強したよ~。

あ...ここだよ」

 

俺たちはごくごく普通の一軒家の前で立ち止まった。

 

「!」

 

チャンミンにぎゅっと手を握られて、驚いた俺はチャンミンの顔を見る。

 

今まで手を繋ぎたいのを我慢していたのは、ここは往来の場で公共の場なのだ。

 

門扉を開けて、家の中に通され、チャンミンの自室に入ったらすぐにしたいこと...道中ずっと、我慢してきたこと。

 

「チャ...!」

 

俺の唇はチャンミンのそれに塞がれた。

 

目をつむるタイミングを失い、チャンミンの頭越しに大学講堂の先端。

 

チャンミンの行動は予測不可能。

 

俺たちの側すれすれを、原付バイクが通り過ぎた。

 

明日からの新学期。

 

こんな風にチャンミンは、俺をドギマギさせることをごく当たり前に、さらりと自然にしてくるんだろうなぁ、と予感した。

 

 

(つづく)

 

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